人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エピス・クァルテットでベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第6番、第11番「セリオーソ」、第16番を聴く~JTアートホール アフィニス

2018年08月22日 07時17分51秒 | 日記

22日(水)。昨日、2回目の歯医者に行ってきました 下の前歯の一部が欠落しているというので埋めてもらいました。ところで、敗者復活戦の話はこの前のブログで書きましたね 今日は別のアングルで

歯科医院にて

「先生どうしたんですか? 蝶ネクタイにマイクを握ったりして

「司会者です

おあとがよろしいようで

ということで、わが家に来てから今日で1420日目を迎え、トランプ米大統領は金正恩朝鮮労働党委員長との関係について「私は彼が好きだ。彼も私が好きだ。私は金委員長と個人的に非常に良い関係を築いている」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       独裁者同士って気が合うんだね 2回目の会談をやるそうだけど何を話すんだろう

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました 「ドライカレー」は久しぶりに作りましたが、暑い夏にはピッタリです

 

     

 

         

 

昨夕、虎ノ門のJTアートホールアフィニスでエピス・クァルテットの「ベートーヴェン後期作品への挑戦Vol.5」を聴きました プログラムはベートーヴェンの弦楽四重奏曲①第6番変ロ長調、②第11番ヘ短調「セリオーソ」、③第16番ヘ長調です 演奏する「エピス・クァルテット」のメンバーは、第一ヴァイオリン=須山暢大(各オケ客員コンマス)、第2ヴァイオリン=村津瑠紀(藝大フィル第2ヴァイオリン首席)、ヴィオラ=村田恵子(都響副主席)、チェロ=伊藤文嗣(東響首席)です

「エピス」というのはフランス後で「香辛料」(更新料ではない)のことです。音楽にスパイスを・・・分かりますね 私が彼らのコンサートを聴くのは今回が3度めです

全自由席です。4列5番、センターブロック左通路側を押さえました 会場は5~6割くらいの入りでしょうか。ちょっと寂しいです

 

     

 

4人が登場し配置に着きます。左から第1ヴァイオリン・須山、チェロ・伊藤、ヴィオラ=村田、第2ヴァイオリン=村津という並びです

1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第6番変ロ長調」です この曲は ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770‐1827)が、1798年から1800年にかけて作曲し、彼の後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロブコヴィツ侯爵に献呈された6つの弦楽四重奏曲の1つです 作曲順は第3、第1、第2、第5、第6、第4番です

第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「ラ・マランコニア、アダージョ~アレグレット・クァジ・アレグロ」の4つの楽章から成ります

第1ヴァイオリンの須山の合図で第1楽章に入ります 冒頭、第1ヴァイオリンのメロディーにチェロが応えるところは明朗で、ベートーヴェンの師匠ハイドンのテイストです 初期の作品なのでハイドンの影響も当然あるでしょう 最初は須山と伊藤の掛け合いが ちょっと重いかな、と思いましたが、間もなく軽快な演奏になりました この調子で4楽章まで進みました

「運命」とか「皇帝」とか「第九」とか「大フーガ」とか、いかにもベートーヴェンらしい力強い曲も もちろん良いのですが、私はこういう初期の明るく軽い曲も捨てがたいと思うし、とても好きです

2曲目は弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」です この曲は1810年に着想され、1814年5月に改訂された上でシュパンツィク四重奏団によって初演された作品で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も短い作品です

第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ」、第4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ」の4楽章から成ります なお、自筆譜には作曲者自身による「セリオーソ(厳粛・真剣)」という題名が付されています

須山の合図で第1楽章が開始されます。冒頭の動機が第1楽章全体を支配しています。ここで4人は集中力を見せます  第2楽章冒頭で弾かれるチェロの動機は印象的です   第3楽章には「セリオーソ」の表記がありますが、表記通り厳しい音楽が展開します  そして第4楽章では、悲痛な序奏のあとフィナーレに移るのですが、コーダでは突然明るく楽しげなアレグロに変換し、あれよあれよという間に曲を閉じます ここで、聴いている私は思います。これは本当に「セリオーソ(厳粛)」なのだろうか、と   正直に言うと、ベートーヴェンは当時の聴衆の耳を試していたのではないか、と思います

休憩時間になったので、コーヒーを飲もうとホワイエに行ってみたら、そこは「喫煙コーナー」に変身していました よくよく考えていみたら、ここはJT(日本たばこ)の本拠地なんだよな、ということを再認識し、コーヒーよりも喫煙コーナー優先という事情を呑み込みましたが、次の瞬間、煙に巻かれたな、と思いました つまんないシャレで吸いません


     

 

プログラム後半は弦楽四重奏曲第16番ヘ長調です ベートーヴェンは晩年に5つの弦楽四重奏曲を作曲しましたが、作曲は第12、第15、第13(原典)、第14、第16、第13番(改訂)という順番です 第16番は1826年10月に作曲され、作曲者の死後の1828年3月23日にシュパンツィク四重奏団により初演されました

ベートーヴェンのまとまった作品としては最後のものとなる弦楽四重奏曲第16番は、第1楽章「アレグレット」、第2楽章「ヴィヴァーチェ」、第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィッロ」、第4楽章「グラーヴェ、マ・ノン・トロッポ・トラット」の4楽章から成ります

この曲の大きな特徴は、第4楽章に「ようやくついた決心」という標題が付けられ、冒頭3音に「こうでなければならないか?」と記され、続く小節には「こうでなければならない!」とあり、そのモチーフで第4楽章が構成されていることです

4人の演奏を聴いていて一番印象に残ったのは第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィロ」です このブログで何度も書いたように、ベートーヴェンの作品は緩徐楽章に最大の魅力があります それはこの作品でも例外ではありません そこには「浄化された美しさ」があります。4人の演奏家はその魅力を存分に引き出しました

第4楽章の演奏を聴いていると、「こうでなければならないか?」「こうでなければならない!」のやり取りは、それほど真剣なものではなく、次のようなエピソードによるものではないかと思ってしまいます

「ベートーヴェンは、1826年4月にこの『そうでなければならない!』のアレグロの動機を用いて、カノンを作曲している事実がある このカノンは、作品130の四重奏曲のパート譜の写しを貸すことに対して、シュパンツィヒに50グルデンを支払うように、音楽愛好家のデンプシャーに要求したことから生まれたものである  デンプシャーは、シュパンツィヒの予約演奏会を無視して、自宅でこの曲を演奏させようと考え、ベートーヴェンからこの自宅の演奏会のために楽譜を借りられると思ったのである この50グルデンのことを聞いたデンプシャーは、笑いながら「そうでなければならないか?」と言った。人からこのことを伝え聞いたベートーヴェンも声高に笑って、テンポの速いカノンを書き、『そうでなければならない、そうだ、犠牲を払え』という歌詞を付けた」(以上、門馬直美氏によるアルバン・ベルグ四重奏団のCD解説より)

ベートーヴェンって しかめ面をした小難しい作曲家だと思われがちですが、結構ユーモアを会し、我を通しながら あらゆる困難を乗り越えていきます この日の4人の演奏はそんなベートーヴェンの魅力を引き出した素晴らしい演奏でした

 

     


 

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これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも、残暑にめげずド根性で毎日書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

コメント (2)
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