人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「真夏のバッハ Ⅴ 椎名雄一郎パイプオルガン・リサイタル」を聴く ~ 天羽明惠、長瀬正典も出演:フェスタサマーミューザ / 大林宣彦監督「花筐/HANAGATAMI」他の前売り券を取る

2020年08月10日 07時21分34秒 | 日記

10日(月・祝)。昨日午前、池袋Tデパートにテナントとして入居している家具・雑貨量販店Nにスリッパを買いに行きました モコタロを家の中で放し飼いにしているため、う〇こがペットシーツを敷いていないフローリングに散乱していて、たまにゆるいのがあって踏んづけるとスリッパの裏にこびりついてしまうのです あまりにもひどいので買い替えることにしたものです 店に行くとちょうど売場に娘がいたので社員割引で買ってもらうことにしました 「枕カバーもあまりきれいじゃないよね」と言われたので、これも社割で買ってもらうことにしました 3連休はコロナの影響で遠出する人が少ない反動でか、デパートに来るお客が多く混雑が激しくて、テナントで働く者にとってはコロナ感染が怖いと言っていました 「Go  To  トラベル」どころか「Go  To  デパート」になっているようです 困ったものです

その後、池袋の新文芸坐に寄って、15日(土)上映の「追悼・大林宣彦~永遠の魔法~戦後75年の夏に」の前売り指定券を取りました 内容は①「この空の花 長岡花火物語」(160分)、②「野のなななのか」(171分)、③「花筐/HANAGATAMI」(169分)の3本立てで、11時開演~20時20分終演(休憩含めて9時間20分)となっています このうち①はすでに1度観ましたが、この際、また観ようと思います

昨日の朝日朝刊「文化・文芸」欄に「大林宣彦 規格外の遺作 『海辺の映画館』-キネマの玉手箱」のタイトルで、監督の妻・大林恭子さんが大林監督の最新作(遺作)「海辺の映画館」の製作裏話を中心に語っています 「監督は毎回『次は軽い作品を』と言うけれど、そうなったためしがない(笑)。今回も、どんどんスケールが大きくなりました 体はつらかったでしょうが、妥協は全くしなかった。映画作りへの執念はすごかったです」という言葉が印象的です この映画も是非観たいと思います

ということで、わが家に来てから今日で2140日目を迎え、トランプ米大統領は8日、新型コロナウイルス感染症を巡る経済対策の与野党協議が行き詰ったとして、議会での合意を待たず、失業給付加算を減額した上で延長する大統領令に署名し、11月の大統領選に向けてアピールした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「法と秩序」を主張してたのは誰?  三権分立を無視する暴君大統領ここにあり

 

         

 

読売日響から9月3日開催予定の「第26回読響アンサンブル・シリーズ」公演に、予定通り来場するか、欠席するかの意向を聞きたいという内容の案内ハガキが届きました それによると、同公演は客席数を半数以下に減らして開催するため、予定通り来場するか欠席(返金か寄付)するかを8月15日までに返信ハガキで知らせてほしいというものです 来場希望者が客席数の半数(250名)を超えた場合は抽選となるとのことです。私は予定通り聴きたいので、「来場する」にチェックを入れて返信を出しておきました なお、出演者と演奏曲目に変更はないとのことです これ以外に3回公演があるので、同じような措置を取るのでしょうか

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「真夏のバッハ Ⅴ  椎名雄一郎パイプオルガン・リサイタル  ~  Back  to  Bach  鍵盤、菅、声の三位一体」を聴きました

自席は1C7列10番。センター左ブロック右から3つ目です 2階正面のパイプオルガンのほか、1階のステージには右サイドにリモート操作卓が、センターにはポジティブオルガンが設置されています

開演に先立ち、ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニストの大木麻理さんとオルガン製作者の横田宗隆氏によるプレトークがありました 女性スタッフがパイプオルガンの裏側にまわり、大木さんの解説に合わせてハンディカメラで無数のパイプをスクリーンに映し出します 大木さんが鍵盤を押すと、それに対応するパイプの前にかざした紙片が風でなびく様子が手に取るように分かります パイプは大小合計5248本もあるそうです パイプは長いもので5メートル、短いもので2センチだそうです またストップが71ありそれだけの種類の音色を出せる優れものとのことです パイプオルガンの裏事情をライブで解説してくれたこのプレトークはとても参考になりました。企画者に拍手を送ります

 

     

 

この日の公演はオール・J.S.バッハ・プログラムです ①トッカータとフーガ  ニ短調 BWV.565、②目覚めよと呼ぶ声あり BWV.645、③フルート・ソナタ 変ホ長調BWV.1031 から第2楽章「シチリアーノ」、④主よ、人の望みの喜びよ(カンタータ 第147番 BWV.147 から第10曲)、⑤幻想曲とフーガ  ト短調 BWV.542、⑥カンタータ第51番BWV.51から第1曲  アリア「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」、⑦アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳から「ただあなたが共にいてくだされば」BWV.508、⑧ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第3番 BWV.1029から第1楽章、⑨無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調BWV.1007から第3曲「クーラント」、⑩装いせよ、おお愛する魂よ BWV.654、⑪前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552「聖アン」です

演奏はパイプオルガン=椎名雄一郎(⑨を除く)、サクソフォン=長瀬正典(③④⑥⑧⑨)、ソプラノ=天羽明惠(⑥⑦)です

椎名氏のあいさつによると、ヨーロッパ諸国では夏にバッハのオルガンコンサートを開催するのが通例になっているそうです それを日本でも、ということでしょう

1曲目はパイプオルガン独奏により「トッカータとフーガ  ニ短調 BWV.565」が演奏されました この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が作曲した作品の中でも筆頭に挙げられるほど有名なオルガン曲です 個人的には大学時代に喫茶店Hで聴いたストコフスキーによる管弦楽版の”迫ってくる”演奏が忘れられませせん

2曲目の「目覚めよと呼ぶ声あり BWV.645」はカンタータ第140番の第4曲に当たります オルガンでこの曲を聴くと、にわかクリスチャンになります

3曲目は「フルート・ソナタ 変ホ長調BWV.1031」から第2楽章「シチリアーノ」です 原曲はフラウト・トラヴェルソ(フルートの祖先)とチェンバロのために作曲されましたが、椎名氏の解説によると、「バッハ当時のフラウト・トラヴェルソと現代のフルートとは音色が違う。その意味では、19世紀に発明されたサクソフォンで演奏してもおかしくはない いろいろと試してみたが、サックスはパイプオルガンと相性が良いことが分かったので、今回オルガンと合わせることにした」とのことです 確かに、ソプラノ・サックスとパイプオルガンとの相性はバッチリでした

4曲目の「主よ、人の望みの喜びよ」はカンタータ 第147番 「心と口と行いと生活」BWV.147 に登場する第10曲の合唱曲です 心温まる曲想はソプラノ・サックスに良く合います

5曲目はオルガン独奏による「幻想曲とフーガ  ト短調 BWV.542」です 椎名氏の解説によると「この曲はヴァイオリン独奏の響きを想定して作曲された趣がある」とのことです またしても、俄かクリスチャンになりました

プログラム前半の最後は「カンタータ第51番BWV.51」から第1曲  アリア「全地よ、神に向かいて歓呼せよ」です この曲はソプラノ独唱により神への賛美を高い音域で歌い上げる超絶技巧曲です 椎名氏が1階ステージに下りてきてリモート操作卓に着き、長瀬氏が中央にスタンバイし、グリーン系の衣装に身を包まれた天羽明惠が登場、祝祭感に満ちたアリアを歌い始めます 超絶技巧曲のため息継ぎが大変そうですが、そこはプロです 技巧と美しい歌声で乗り越えます ソプラノ・サックスのソロも素晴らしい 実に楽しい演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目は「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」から「ただあなたが共にいてくだされば」BWV.508です 実はこの曲はバッハの作曲によるものではなく、ゴットフリート・ハインリッヒ・シュテルツェルのオペラ「ディオメデス、または罪なき勝利」のアリアだそうです 天羽明恵が白の衣装に”お色直し”をして登場、オルガン伴奏により伸びやかに歌い上げました それにしても、2曲を歌うために衣装を2着用意するというのもプロならではでしょうか ギャラがクリーニング代ですっ飛びそう ギャラ、そんなに安くないか

後半2曲目は「ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第3番 BWV.1029」から第1楽章をアルト・サックスとオルガンにより演奏します 「ヴィオラ・ダ・ガンバ」というのはエンドピンのない、脚で挟んで演奏するチェロみたいな楽器です。ここでソプラノでなくアルト・サックスを選んだのは正解です

続いて、「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調BWV.1007」から第3曲「クーラント」がバリトン・サックスにより演奏されました 菅の長さはソプラノ・サックスの3倍あるそうです チェロに対応させる意図でバリトン・サックスを選んだのでしょうが、この辺は、同じサックスでも使い分けが見事です

次いでオルガン独奏により「装いせよ、おお愛する魂よ BWV.654」が壮麗に演奏されました

最後にオルガン独奏により「前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV.552『聖アン』」が演奏されました 椎名氏によると、この曲は当初演奏する予定がなかったそうですが、この公演のタイトルにあるキリスト教の教義「三位一体」を体現した作品を、ということで「変ホ長調」(♭が3つ)の曲で、3つの主題が絡み合うこの曲を演奏することにしたそうです 椎名氏が「三位一体(さんみいったい)であって、3密(さんみつ)ではありません」と解説すると、譜めくりの女性が後ろを向いて「先生ったらぁ、クックックッ」と苦笑している様子が垣間見られました

天羽明惠さんが2曲だけ~?と思っていたら、最後に3人が再登場して、アンコールにバッハのカンタータ「楽しき狩こそわが悦び」BWV.208(狩のカンタータ)の第9曲アリア「羊は憩いて草を食み」を演奏しました この曲はNHK-FMの「朝のバロック」のテーマ音楽として有名です 天羽明惠のソプラノ独唱も良かったし、穏やかな長瀬正典のサックスも素晴らしかったし、椎名雄一郎の通奏低音もしっかりと二人のソリストを支えていました

この日のコンサートは、プレトークをはじめプログラム全般の企画力、出演者のトークから演奏に至るまで、すべてにおいて素晴らしいパフォーマンスでした これが2500円(友の会2250円)というのはとても信じられないコスパです ミューザ川崎の良心を感じます 来年以降も是非続けてほしいと思います

 

     

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