人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原田慶太楼 ✕ 景山梨乃 ✕ 東京交響楽団でグリエール「ハープ協奏曲」、リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」他を聴く~フェスタサマーミューザ・フィナーレコンサート

2020年08月11日 07時20分55秒 | 日記

11日(火)。わが家に来てから今日で2141日目を迎え、8月のNNNと読売新聞の世論調査によると、安倍内閣を「支持する」と答えた人は37パーセント、「支持しない」と答えた人は54パーセントで、第2次安倍政権発足以来、最高になった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「安倍政権寄り」と言われる読売グループのデータだけに深刻な内閣不信任状態

 

         

 

昨日、夕食に「鶏釜めし」「ちぎり厚揚げと豚バラの和風炒め」「生野菜サラダ」「ジャガイモと玉ねぎの味噌汁」を作りました 釜めしは市販のものですが、便利で美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ参加公演「東京交響楽団フィナーレコンサート」を聴きました プログラムは①ショスタコーヴィチ「祝典序曲」、②グリエール「ハープ協奏曲 変ホ長調 作品74 」、③リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です 演奏は②のハープ独奏=東響首席ハープ奏者・景山梨乃、指揮=原田慶太楼です

原田慶太楼というと アメリカ音楽というイメージがありますが、1985年東京生まれの彼は 指揮をインターロッケン芸術高校音楽科、ロシアのサンクトぺテルブルクで学び、21歳でモスクワ交響楽団を指揮してデビューしています 2020年からアメリカ・ジョージア州サヴァンナ・フィルの音楽・芸術監督に就任、2021年から東京交響楽団の正指揮者に就任が内定しています プレトークで彼が語った「世界的なコロナ禍のなか、海外ではまだ日本ほど本格的なコンサートは開かれていない。会場に聴衆を入れてコンサートを開くことが出来るのは素晴らしいことだ」という言葉が強く印象に残ります

 

     

 

自席は2LA1列35番、2階左バルコニー最前列の右から3つ目です ちょうど第1ヴァイオリンの背中を見る位置に当たります。オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります 弦楽器は14型で、管・打楽器を含め80人を超える大編成です。弦楽奏者はマスクを着用し、譜面台は2人で1台使用します。コンマスは水谷晃です

1曲目はショスタコーヴィチ「祝典序曲」です この曲はドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1954年にロシア革命37周年演奏会のためにボリショイ劇場の依頼により、わずか3日間で作曲したと言われています モスクワ・オリンピックでも使用されました

原田慶太楼の指揮で金管の晴れやかなファンファーレが鳴り響き、祝祭感と推進力に満ちた演奏が展開します 途中から2階正面のパイプオルガン下に10人のバンダ(ホルン、トランペット、トロンボーン)が登場し、いっそう華やかな演奏を展開します プレトークで原田氏が語ったところによると、この曲は当初演奏する予定はなかったのが、春に「題名のない音楽会」で演奏する予定がコロナの影響で実現しなかったので、今回のプログラムに入れることにしたそうです フェスタサマーミューザのフィナーレコンサートの冒頭を飾るのに相応しい選曲・演奏でした

2曲目はグリエール「ハープ協奏曲 変ホ長調 作品74 」です この曲はレインゴルト・マルケヴィチ・グリエール(1875-1956)が1938年に作曲、同年モスクワで初演されました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「主題と変奏」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」の3楽章から成ります

プレトークでの景山梨乃の話によると、この日に演奏するのは景山さん本人のハープとのこと いつもは楽団所有のハープを使用しているが、自分のハープを舞台で弾いてみたいと思ったとのことです グリーン系の衣装を身にまとった景山梨乃が登場、原田の指揮で第1楽章に入ります。冒頭からハープが入ってきたのは意外でした ひと言でいうと、非常に分かり易く親しみのある曲想の音楽で、耳に自然に入ってきます ハープの音色が美しく響きます 自席からは足の動きが見えるのですが、時に 白鳥が水面下で水かきをするように激しく動かします 華麗な演奏姿の裏では人知れぬ努力があるのですね 第2楽章冒頭、無伴奏で演奏される「主題」はとても美しく優美でした 主題に基づきいくつかの「変奏」がオケの伴奏を伴って演奏されますが、これがまた優雅で聴き惚れてしまいました 第3楽章もハープの魅力満載の演奏が展開しました

カーテンコールが繰り返された後、景山梨乃はル二エ「いたずら小鬼の踊り」を軽快に演奏、大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はリムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です この曲はニコライ・アンドロヴィチ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)が「千一夜物語」を題材にして1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました この曲の大きな特徴は固定楽想を用いていることです 冒頭現れる力強い「シャーリアール王の主題」と、ヴァイオリン・ソロが奏でる優美な「シェエラザードの主題」が全曲を通して登場し、各楽章を有効につないでいきます 第1曲「海とシンドバッドの船」、第2曲「カランダール王子の物語」、第3曲「王子と王女」、第4曲「バグダードの祭、海、青銅の士の立つ岩での難破、終曲」の4つの曲から成ります

原田の指揮で演奏に入ります。原田の指揮は明快で力強くメリハリが効いています オーボエ首席の荒木奏美、クラリネット首席の吉野亜希菜、ファゴット首席の福井蔵、フルート首席の八木瑛子といった木管群の演奏が素晴らしい そして、何より、水谷晃のヴァイオリン・ソロ、伊藤文嗣のチェロ・ソロが素晴らしい とくに水谷による場面ごとの弾き分けは見事と言うしかない演奏でした また、前半でソリストを務めたハープの景山梨乃の演奏も水谷の独奏ヴァイオリンとの対話が素晴らしかったです 金管楽器群は迫力の演奏でした 押し寄せ、うねる海の波を表した弦楽器群は渾身の演奏を展開しました 打楽器群は大地が裂けるばかりでした 彼らの持てる力を十全に引き出した原田慶太楼は、東響の次シーズンからの正指揮者として相応しい人材だと思いました

これをもって、今年の「ミューザの暑い夏=フェスタサマーミューザ」は終わりました 今年は新型コロナの影響で入場者限定(各公演600席)でのライブコンサートとライブ配信とによる変則的な開催となりました 私は11公演をミューザの会場で聴きました すべての公演が終わった今 思うのは、来年はどのような形で開催するのだろうか、ということです

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする