人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エリザベス・ウェイン著「コードネーム・ヴェリティ」を読む ~ 第2次世界大戦下における二人の女性の友情物語

2020年08月31日 07時15分50秒 | 日記

31日(月)。今日で8月も終わりですが、まだまだ暑さは続きそうです しばらくはコロナ対策と熱中症対策の両方が欠かせないようです

寝室用のCDプレーヤー(DENON-50)の修理が完了し23日ぶりに戻りました。これで3回目です 3か月以内に3度も故障するのは明らかに欠陥商品です 呑み込んだCDを吐き出さない、再生ボタンを押しても2回に1回は再生しない、という致命的な故障です。この23日間は、ポータブルプレーヤーにテレビ用のスピーカーを付けて単三電池2個で聴いていましたが、合計12本も消費しました。まったく無駄な支出です こうなったら、故障のたびに何度でも修理に出してやろうと居直っています

ということで、わが家に来てから今日で2161日目を迎え、AFP通信は28日、香港「リンゴ日報」の創業者らが香港国家安全維持法違反容疑で逮捕された10日、香港警察の捜査員3人が令状を持って日本経済新聞香港支局のオフィスを訪問したが、消息筋によれば日経が昨年8月に香港の抗議デモへの国際支援を呼びかける意見広告を掲載したことが理由だと報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     香港だけでなく 日本の報道関係者にも 中国傀儡政権の強権が及ぶことが判明した

 

         

 

エリザベス・ウェイン著「コードネーム・ヴェリティ」(創元推理文庫)を読み終わりました 著者のエリザベス・ウェインは1964年ニューヨーク生まれ。ペンシルベニア大学で民俗学の博士号を取得。小型飛行機の操縦が趣味。1993年にアーサー王伝説を題材にした物語「ザ・ウインタープリンス」でデビュー 2012年に刊行された本書はアメリカ探偵作家クラブのエドガー賞ヤングアダルト小説部門を受賞している

私がこの本を購入したのは、新聞の読書欄で推薦していて面白そうだと思ったからです

 

     

 

舞台は第2次世界大戦中のイギリス。バイク屋を営む祖父母と暮らすマディ(マーガレット・ブロダット)は、家業を手伝いながら夢見る飛行機の操縦訓練を受け、パイロットのライセンスを取得する。やがて整備の腕を買われて空軍婦人補助部隊に入ると無線技術士になる 彼女はそこで、戦争のためにスイスの寄宿学校を1年早く卒業させられオックスフォード大学に入学したあと、同部隊に入り無線技術士になったクイ―二―に出会う マディがユダヤ人で庶民階級であるのに対し、クイ―二―はスコットランド女王メアリー・スチュアートの血を引く貴族階級だったが、激しい戦争のさなか、二人は親友となっていく 1943年10月11日、二人は奇しくも片やパイロットとして、片やスパイとして、一緒にナチスドイツ占領下のフランスへ飛び立つことになる マディの操縦で当初は順調な飛行が続くが、フランス上空でドイツ軍による対空砲火を浴び、飛行機が故障したことから潜入計画は失敗してしまう 一人はパラシュートで降下したものの、単純な間違いからナチスに捕まって拷問を受け、イギリスに関する情報を漏らすよう強制される ナチスが彼女に与えた猶予は2週間で、告白文を書くために紙を与えられる。彼女はその2週間の間、拷問を受けながらも まるで小説のような形で告白文を書く なぜ彼女はそうしたのか? ここまでが第1部。そして、第2部に入ると、もう一人の生き残った女性の手記により、その2週間に何があったかが語られる

第1部を読んでいると、告白文を書いているのはマディなのか、あるいはクイ―二―なのかこんがらがってきますが、途中で本人の告白が出てきて、「そういうことだったのか」と納得します そして、第2部に入り、もう一人の女性の手記によって物語の全貌が明らかになります

この小説のテーマは、戦時下における二人の女性の命を懸けた相手を思いやる友情です 

ところで、尋問を行うナチスの親衛隊大尉フォン・リンデンの娘の名前はイゾルデといいます 言うまでもなく、”ドイツ”の巨匠ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」から採っていることは明らかです

その一方、ちょっと気になる表現がありました

「『老兵は死なず』を見にあたしを連れていき、監禁されてるドイツ人将校がメンデルスゾーンを聴いている場面でずっと泣いていたときみたい」

『老兵は死なず」は1943年製作のナチズム批判の映画と聞いています メンデルスゾーンは確かにドイツの作曲家なので、ドイツ人将校が聴くのは自然だと思いますが、彼はユダヤ人です 反ユダヤのナチスの将校がユダヤ人作曲家の曲を聴いている場面、というシチュエーションがちょっと不自然に思えたのです 私はこの映画を観ていないので、具体的にどういうシーンなのかが分かりませんが、こういうのはすごく気になります

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