人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マノエル・デ・オリベイラ監督「アンジェリカの微笑み」 、アラン・レネ監督「去年マリエンバードで」、 クリス・マルケル監督「ラ・ジュテ」を観る ~ 早稲田松竹

2020年08月01日 07時19分02秒 | 日記

8月1日(土)。今日から8月です。前倒ししてまで実施した政府の「Go  To  Trouble」キャンぺーンをあざ笑うかのように新型コロナの感染が全国的に拡大しています いま政府が最優先でやるべきことは医療態勢を崩壊させないことです

ということで、わが家に来てから今日で2131日目を迎え、トランプ米大統領が30日、11月の大統領選の延期を求める考えを示したことに対し、共和党の上院トップのマコネル院内総務が「どんな状況にも対応し予定通り行う」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプがどんなに引き延ばし作戦を展開しても  支持率は頭打ちのままだと思う

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました ほぼ2週間に1度は作っていますが、娘も私も大好きなので定期的に食べたくなります

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「アンジェリカの微笑み」&「ラ・ジュテ」&「去年マリエンバードで」の3本立てを観ました

「アンジェリカの微笑み」は、マノエル・デ・オリベイラ監督による2010年ポルトガル・スペイン・フランス・ブラジル合作映画(97分)です

若くして亡くなった娘アンジェリカ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)の写真撮影を依頼されたイザク(リカルド・トレパ)は、白い死に装束姿で花束を手に眠るように横たわる彼女にカメラを向け、ピントを合わせた瞬間、ファインダー越しのアンジェリカがまぶたを開き、イザクに優しく微笑んだ 驚きながらも撮影を終えたイザクが写真を現像すると、今度は写真の中からアンジェリカが微笑みかけた。連続する不思議な出来事から、すっかり彼女に心を奪われてしまったイザクだったが、そんな彼の思いに応えるかのようにアンジェリカの幻影がイザクの前に姿を現わす

 

     

 

この作品は2015年に106歳で死去するまで、精力的に映画を撮り続けたマノエル・デ・オリベイラ監督が101歳の時に監督した作品です

私が興味があるのは音楽です 冒頭のシーンをはじめ全編を通してショパンの「ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58」が印象的に使われています とくに第3楽章「ラルゴ」は、まるでこの映画のテーマ音楽のようにさまざまなシーンで頻繁に登場します また、同じくショパンの「マズルカ」も有効に使われています ショパンはマズルカだけで51曲も作っているので、この映画で使用されているのがどの曲か特定するのが困難ですが、間違いなく短調の曲で、耳に馴染みのある作品です オリベイラ監督のセンスの良さを感じました

 

         

 

「ラ・ジュテ」は、クリス・マルケル監督による1958年フランス映画(モノクロ・29分)です

舞台は未来の第3次世界大戦後の廃墟と化したパリ。戦争を生き延びた勝者側の科学者たちは、過去と未来に救済を求めるため、捕虜を使って時間旅行を試みる 彼らはそこで少年時代の記憶に取り憑かれた男(ダヴォス・ハニッヒ)を選び出す。彼は少年時代にオルリー空港の送迎台で、凍った太陽とある女(エレーヌ・シャトラン)の記憶を心に焼き付けていた 注射で過去に送り込まれた男はあの送迎台の女と再会する。続いて未来に送り込まれた男は世界を救うエネルギーを持ち帰る。だが、男はそこでおのれの運命を知った。少年時代のあの日、送迎台で見た光景こそが、自分の運命の終着点だったのだ

 

     

 

この映画は、クリス・マルケル監督自身が「フォト・ロマン」と呼ぶ短編ですが、全編モノクロの写真とナレーションで物語を紡いでいきます 「フランス版紙芝居」とでも言ったら良いでしょうか 動きがないので、短編ながら途中で眠ってしまいました

 

         

 

「去年マリエンバードで」はアラン・レネ監督による1961年フランス・イタリア合作映画(モノクロ・4Kデジタルリマスター版・94分)です

時代も国籍も不明なバロック調の宮殿のようなホテルに宿泊し 社交に興じる客たちの中に、女Aとその夫M、そして別の男Xがいた  男Xは女Aに対し「1年前に会い 愛し合った。1年後に駆け落ちする約束もした」と話しかけるが、女Aは否定する    しかし、男Xは諦めずに女Aに接近し、事実として認めさせようとする。ついに女Aは過去を思い出すが、今の安定した生活を捨てて駆け落ちするかどうか最後まで迷っている

 

     

 

この映画を最後に観たのは今年3月1日で新文芸坐でした たぶん今回が4回目だと思います。難解ホークスよりも、難解キャンディーズよりも難解です それもそのはず。この作品は「映画史上最も難解な映画」と言われています なぜ解りにくいかといえば、①現在、②男Xの回想、③女Aの回想、④過去の4つの視点から捉えた映像がトランプをシャッフルしたように交錯しているからです そうした中で 何回観ても印象に残っているのは、①通奏低音のようにミステリアスに流れるパイプオルガンの音、②女Aを演じるデルフィーヌ・セイリグが身に着けているココ・シャネルによる何着もの華麗なドレス(カラーでないのが残念)、③時として見られる人々のストップモーションです

この作品は1961年の第22回「ベネチア国際映画祭」で金獅子賞を受賞したとのことですが、審査員の皆さんは本当にこの”迷作”を理解できていたのだろうか

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