人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

諏訪敦彦監督「風の電話」&岩井俊二監督「ラストレター」を観る~早稲田松竹

2020年08月13日 07時22分56秒 | 日記

13日(木)。わが家に来てから今日で2143日目を迎え、香港警察は11日夜、10日に香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕した民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏や、中国に批判的な論調で知られる香港紙創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏を保釈したが、警察は両氏が外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いがあるとして捜査を続け、起訴の是非を判断するものとみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     二人の逮捕・保釈は自由と民主を求める市民活動の萎縮を狙っているのは明らか

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」「生野菜サラダ」「エノキダケの味噌汁」を作りました あとは笹かまぼこです。肉じゃがはちょっぴりしょっぱかったかな

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「風の電話」と「ラストレター」の2本立てを観ました

「風の電話」は諏訪敦彦監督による2020年製作映画(139分)です

8年前の東日本大震災で家族を失い、広島の叔母のもとで暮らす17歳の少女ハル(モトーラ世理奈)。ある日、叔母が突然倒れ、自分の周りの人が誰もいなくなってしまう不安にかられた彼女は、震災以来一度も帰っていなかった故郷・大槌町へ向かう 豪雨被害に遭った広島で年老いた母と暮らす公平(三浦友和)や、かつての福島の景色に思いを馳せる今田(西田敏行)ら様々な交流を通し、ハルは次第に光を取り戻していく 道中で出会った福島の元原発作業員・森尾(西島秀俊)と共に旅を続けるハルは、「もう一度、話したい」という強い思いに導かれ、故郷にある「風の電話」にたどり着く

 

     

 

この映画は、今は亡き大切な人と思いをつなぐ電話として、岩手県大槌町に実在する「風の電話」をモチーフに映画化された作品です

この映画を観てまず最初に感じたのは、まるでドキュメンタリーのようだ、ということです 一つは、ハル役のモトーラ世理奈の演技があまりにも自然で、あまりにも静かだからです もう一つは、台本通りに語っているとは思えないベテラン俳優・西田敏行の卓越した演技力によるところが大きいということです

この映画を、東日本大震災の津波や福島原発事故によって家族や友人を失い、故郷を捨てなければならなかった無数の人たちが観たらどう感じるだろうか、と思わざるを得ません きっと、経験者でなけらば分からない感情に突き動かされるのではないか、と思います

自分以外の家族を亡くしたハルが自殺をしようとしていると感づいた公平や森尾は、「死ぬなよ」「お前が死んだら、誰がお前の家族を思い出すんだ」と言って励まします それは、二人とも8年前の津波や原発事故で家族を亡くしているからこそ重みのある言葉としてハルに伝わります 静かな感動を覚える映画でした

 

         

 

「ラストレター」は岩井俊二監督による2020年製作映画(121分)です

姉・未咲の葬儀に参列した裕里(松たか子)は、未咲の娘・鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内状と 未咲が鮎美に遺した手紙の存在を告げられる 未咲の死を知らせるため同窓会に参加した裕里だったが、生徒会長を務め 学校の人気者だった姉と勘違いされてしまう そこで初恋の相手・鏡史郎(福山雅弘)と再会した裕里は、未咲のふりをしたまま彼と文通することにする やがて、その手紙が鮎美のもとへ届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎と未咲、そして裕里の学生時代の淡い初恋の思い出を辿り始める

 

     

 

この映画の最大の魅力は未咲の娘・鮎美を演じた広瀬すずと、裕里の娘・颯香を演じた森七菜の初々しい従姉妹コンビでしょう 役者としては二階堂ふみのレヴェルに達するまではまだまだですが 裕里を演じた松たか子は、ちょっとコミカルな演技力が冴えていました

それにしても、スマホ全盛の時代に「手紙」をテーマに持ち出す岩井俊二監督はチャレンジ精神に満ちています それで思い出したのですが、岩井監督はこの映画にも出演した中山美穂をヒロインに「ラブレター」という映画を撮っています。よほど手紙にこだわりがあるようです

 

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