6日(日)。昨日は6月に開催される「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」のメンバーズ・クラブ先行発売日だったのでWEBからアクセスして下記の3公演を取りました
①6月5日(日)14時開演:アトリウム弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクル Ⅰ」 ~ ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第3番、第16番、第7番」。
②6月10日(金)19時開演:アジアンサンブル@TOKYO ~ モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番」、ブラームス「ピアノ五重奏曲」他。郷古廉(Vn)、横坂源(Vc)他。
③6月13日(月)19時開演:アトリウム弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクル Ⅴ」 ~ ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第4番、第8番、第12番」。
例年だと「ベートーヴェン・サイクル」は全公演を取るし、他の公演も手元のチケットとダブりがない限り取るところですが、すでに予定している公演もあり、腰痛が長引く可能性もあるので3公演に絞ることにしました
ということで、わが家に来てから今日で2584日目を迎え、米共和党全国委員会は4日の冬季会議で、同党内でトランプ前大統領批判の先頭に立つチェイニー下院議員とキンジンガー下院議員に対する非難決議を採択したが、チェイニー氏は「私は憲法を守る保守主義者であり、憲法を放棄してトランプに寄り添う者を党内では認めない」との声明を発表し、今後も共和党員として活動を続ける意向を示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
共和議員は集票力があるトランプが怖いから すり寄ってそんな決議をするんだろう
昨日、神奈川県民ホールで神奈川フィル 第374回定期演奏会を聴きました プログラムは①山田耕筰「序曲 ニ長調」、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26」、シューマン「交響曲第2番 ハ長調 作品61」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=吉田南(イム・ジヨンの代演)、指揮=大植英次です
県民ホールは久しぶりです JR関内駅から徒歩で新聞博物館が入居する情報文化センター前を通って、15分ほどで着きました 「ホール収容人数2493人」という表示を見て、東京文化会館(2303人)より大きいのか、とあらためてビックリしました 自席は1階10列39番、右ブロック左から3つ目ですが、10列とはいえ 5列までがオーケストラピットを埋めている関係で、実質的には5列目です
拍手に迎えられて神奈川フィルの面々が配置に着きます プログラム冊子に出演メンバーの配置図が挟まれているのはとても良いことだと思います これをやっているのは他に新日本フィルだけです 楽団員の顔と名前を一致させるのに最適のツールとなり、オケを身近に感じるようになります 他のオケも真似をするべきです
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは﨑谷直人です
1曲目は山田耕筰「序曲 ニ長調」です この曲は山田耕筰(1886-1965)が1912年に作曲、1915年に初演された、日本初の管弦楽曲と言われる4分程度の作品です
大植の指揮で演奏に入りますが、ひと言でいえば「はつらつとした明るい曲想」です この曲が今から107年前に帝国劇場で鳴り響いたのか、と思うと感慨深いものがありました
2曲目はブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26」です この曲はマックス・ブルッフ(1838-1920)が1866年に作曲、同年コーブレンツで初演されました 第1楽章「前奏曲:アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「終曲:アレグロ・エネルジコ」の3楽章から成ります
新型コロナ・オミクロン株の影響により来日できなくなったイム・ジヨンに代わりヴァイオリンを独奏することになったのは吉田南さんです 1998年奈良県出身。桐朋学園大学音楽学部ソリストディプロマコースを学費等免除特待生として修了 現在、学長奨学金を得てニューイングランド音楽院に、特別特待奨学生として東京音楽大学アーティストディプロマコースに在籍し、ミリアム・リード、原田幸一郎、竹澤恭子の各氏に師事しています 2014年に日本音楽コンクール第1位及び5つの特別賞受賞、2015年シベリウス国際ヴァイオリンコンクール、2016年モントリオール国際音楽コンクール、2021年ハノーファー・ヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリンコンクールなど、数々のコンクールで入賞を果たしています
私が吉田南さんの演奏を聴くのは、2018年9月8日の小林研一郎 ✕ 東京フィルによるベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、先週土曜日(1月30日)の秋山和慶 ✕ 東京交響楽団によるブラームス「ヴァイオリン協奏曲」に次いで3度目です 今回は会場が自宅から遠い横浜の神奈川県民ホールでしたが、「これを聴かずしていつ聴くの? 今でしょ」と、何の躊躇もなくチケットを取りました
大植氏に伴われてステージに現れた吉田南さんは真っ赤な衣装で勝負を賭けます 持参したハンカチをコンマスの譜面台に預け、舞台中央でスタンバイします
大植氏のタクトで第1楽章の序奏部が演奏され、独奏ヴァイオリンが情感豊かに入ってきます 南さんのヴァイオリンは情熱的で聴衆の魂を揺さぶります 赤の衣装は情熱の象徴です 間断なく演奏される第2楽章では、独奏ヴァイオリンがロマンテックなメロディーを優しく繊細に表現します とくに高音部の自然なヴィブラートが美しく響きます 第3楽章に入ると一転、喜びに満ちた華麗な演奏が大きなスケールで展開します 彼女が弾いているのは日本音楽財団から貸与されている ストラスヴァリウス 1716年製ヴァイオリン「ブース」ですが、ストラドを弾くから美しい演奏ができるわけではありません 弾きこなす力量がなければただのヴァイオリンです その意味では、南さんは300年余りの歴史を持つ「ブース」を見事に弾きこなしていました 大植 ✕ 神奈川フィルは終始ピタリとソリストに寄り添いました
会場いっぱいの大きな拍手に南さんはアンコールに、テレマン「無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲」第10番 ニ長調から第2・第3楽章を続けて演奏、再び満場の拍手に包まれました 6日前の東響公演の時には同じ曲の第1楽章をアンコールに演奏したので、この日の選曲は2公演とも聴いた聴衆への「粋な計らい」でしょうか そうだとすれば嬉しいです
さて、南さんはコンマスの譜面台に預けたハンカチを回収するのを忘れたようです もし後で 小さな子どもがハンカチを回収して、片手で掲げながらつま先立ちで小走りに舞台袖に引き上げたら、歌劇「ばらの騎士」のフィナーレの世界です 南さん、ハンカチは届きましたか
プログラム後半はシューマン「交響曲第2番 ハ長調 作品61」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1845年から翌46年にかけて作曲、1946年にライプツィヒで初演されました 第1楽章「ソステヌート・アッサイ ~ アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アダージョ・エスプレッシーヴォ」、第4楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
大植の指揮で第1楽章に入ります 低弦を中心とする重心の低い演奏がいかにもドイツ的な雰囲気を醸し出していました 第2楽章のスケルツォは高速演奏ですが、大植はフィナーレに向かってさらにアクセルを踏み込んで、楽団員を煽り立て超高速演奏で駆け抜けました 第3楽章は一転、一音一音を慈しむようにゆったりしたテンポで音楽が進みます オーボエのソロが悲しいまでに美しく響きます 第4楽章に入ると、ドイツの曇り空がカラッと晴れ上がったような爽快な音楽が展開します 再び重心の低い重厚な演奏が続き、力強いティンパニの連打を伴って決然と曲を閉じました 会場いっぱいの拍手が大植 ✕ 神奈川フィルの面々に送られました
今回は、第一に吉田南さんの渾身の演奏を聴くことが出来て良かったのと、出演メンバーの配置図のお陰で、神奈川フィルの楽団員の何人かの顔と名前を覚えることが出来たので、大きな収穫がありました