24日(木)。新型コロナワクチン3回目接種により一昨日38.7度あった熱は昨日朝には37.6度まで下がり、今朝は36.7度まで下がりました ただ注射した腕はまだ痛く、腰痛もあるので油断大敵です
ということで、わが家に来てから今日で2602日目を迎え、ウクライナ情勢を巡って、ロシアのプーチン大統領が東部に軍の派遣を命令したと海外メディアが報道した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
主張を通す時は 話し合いでなく 武力に訴えましょう:ロシアの新改訂教科書より
昨日の夕食は、娘が外食だし 私は腕も腰も痛いので、簡単に作れる けんちんうどん にしました 食べ終わった後に卵を入れるのを忘れていたことに気が付きました 最近こういうことが多いな、と思いますが後の祭りです
蔭山克秀著「経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる」(角川文庫)を読み終わりました 蔭山克秀は代々木ゼミナール公民科(政治経済、倫理)講師。愛媛県出身。早稲田大学政治経済学部卒。代ゼミでは「公民科ナンバー1講師」という評価を受けているそうです
本書は、とっつきにくい経済学の名著50冊を「分かりやすく・面白く・テンポよく」解説した労作です 正直言って、私はこの種の「これだけ読めば経済学は分かる」といった『要約本』は好きではありません しかし、内容が固くて読みにくい「経済学」の本はなかなか読む気が起きません そうかといって主要な経済思想については一般常識として知りたいと思います そういうことで経済理論案内書として購入しました
本書は次の4章から構成されています
第1章「『経済学』の基本が分かる名著13冊 ~ そもそも経済学って何?」=アダム・スミス「国富論」、マルサス「人口論」、リカード「経済学および課税の原理」、ケインズ「雇用・利子および貨幣の一般理論」、サミュエルソン「経済学」ほか。
第2章「経済発展と自由主義が分かる名著13冊 ~ 人間は経済をコントロールできるのか?」=ハイエク「隷従への道」、シュンペーター「経済発展の理論」、フリードマン「資本主義と自由」、クルーグマン「クルーグマン教授の経済入門」、ドラッカー「企業とは何か」、グリーンスパン「波乱の時代」ほか。
第3章「『資本主義』が分かる名著13冊 ~ 経済学を考える上で欠かせない最重要テーマ」=マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」、マルクス「資本論」、ピケティ「21世紀の資本」、レーニン「帝国主義論」ほか。
第4章「『豊かさ』と『貧困』が分かる名著11冊 ~ 経済学は『格差』をどう考えるか?=ガルブレイス「ゆたかな社会」、ミル「経済学原理」、サロー「ゼロ・サム社会」、ソロス「ソロスの錬金術」ほか。
私もン十年前、大学受験に当たり1年間浪人生活を送り予備校に通ったので分かりますが、予備校講師はもろに生活がかかっているので必死です 教え方が巧い講師のところには多くの学生が集まります。それにより給料が上がり生活が安定します(するはずです) 本書を読むと、蔭山克秀氏の公民の授業は楽しく分かりやすいだろうと容易に想像できます 本書では、理論の重要ポイントをゴシック体で強調するなど読者の印象に残るように工夫を凝らしています
「分かりやすい解説」の一例を挙げると、第1章の中の「ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』」については13ページにわたり解説していますが、要点を次のようにまとめています
「政府のテコ入れで消費と投資が活性化すれば、生産は活発になり、企業は活性化する。そうすると新たな労働需要が起こって非自発的失業はなくなり、『完全雇用』が実現する これがケインズ経済学だ。ケインズのこの発想は、従来なかった画期的な発想だ なぜなら個人でも国家でもそうだが、ふつうは失業者が増えるほどの大不況に見舞われたら、人は本能的に『ヤバい!節約しなきゃ』と思う。でもケインズは、不況だからこそ政府は『ヤバい!金をばらまいて有効需要を作らなきゃ』という発想だ」
また、第3章の中のピケティ「21世紀の資本」については11ページにわたり解説していますが、要点を次のようにまとめています
「本書は『富の分配と格差の原因と対策』について書かれた本だ。彼が注目したのは『資本所得、あるいは相続財産からくる格差』だ 彼は格差拡大の原因を、1つの式で表している。それは『r > g』。つまり『資本収益率 > 経済成長率』。おおざっぱに説明すれば、『財産持ちの不労所得(利潤、利子、配当、賃料、株の売買益など)の方が、国民が働いて得た収入よりにかなり大きい』ということだ。21世紀は世界的に経済成長が鈍化しつつある時代だ もしこれが事実なら、経済成長率が下がれば下がるほど、資産家と労働者の間の格差は拡大する 彼は格差是正の解決策として『世界的な規模での累進資本税』を提唱している」
本書は2018年に角川書店から単行本として刊行され、その後文庫化されましたが、「おわりに」で筆者は本書の執筆がいかに大変だったかを「こんなタフな執筆、もう2度と引き受けないぞ!」と毒づきながらも、「苦し楽しい経験だった」と書いています それは読む方の立場も同様で、腰痛とワクチンによる腕の痛みに悩まされながら 読了まで5日間もかかってしまいました しかし、得たものは大きいと思います