21日(月)。わが家に来てから今日で2599日目を迎え、昨年1月の連邦議事堂襲撃事件を受けて、ツイッター、フェイスブック、アルファベット傘下のユーチューブのアカウントを凍結されているトランプ前米大統領の新たなソーシャルネットワーキングサービスアプリ「トゥルース(真実)・ソーシャル」が、米国のプレジデンツデーに当たる2月21日にアップルのアップストアでリリースされる見通しとなった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「トゥルース・ソーシャル」が聞いて呆れる 「フェイク・ソーシャル」だろうが!
昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン「 第146回定期演奏会」を聴きました プログラムは①モーツァルト「第一戒律の責務K.317」、②同「戴冠ミサ曲K.317」です 演奏は、ソプラノ=中江早紀、澤江衣里、望月万里亜、アルト=青木洋也、テノール=櫻田亮、谷口洋介、バス=加来徹、合唱・管弦楽=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木優人です
1曲目はモーツァルト「第一戒律の責務K.35」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1766年から翌67年にかけて作曲した1幕ものの「宗教的ジングシュピール」(宗教的音楽劇)です ザルツブルクの大司教シュラッテンバッハが、同地で活躍していた作曲家たちの中からミヒャエル・ハイドンとアントン・アードルガッサーと、当時11歳のモーツアルトの3人を選び、ドイツ語による宗教劇の共作を命じたのを受けて作曲したものです モーツアルトが第1部を、ミヒャエル・ハイドンが第2部を、アードルガッサーが第3部を担当しました
モーツアルトが作曲した序曲と第1部は、優柔不断だが熱心な「キリスト信徒」が、「キリスト信徒の霊」、「正義」、「慈愛」の勧めにより改心しようとするが、「世俗の霊」の誘惑に負けそうになるまでが描かれています
拍手の中、オケの面々が入場し配置に着きます 第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対抗配置を採ります。コンミスは若松夏美です ソリスト4人が登場しますが、合唱はありません
鈴木優人の指揮で軽快な序曲が演奏されます 「キリスト信徒」の谷口洋介が椅子に座って寝ている間に、「キリスト信徒の霊」の櫻田亮、「正義」の望月万里亜、「慈愛」の澤江衣里が代わる代わるキリスト信徒に「寝てたらあきまへんで。真面目にやんなはれ」と説得しますが、彼は起きる気配はありません すると「世俗の霊」の中江早希が登場し、「世俗の世界は、酒は美味いし姉ちゃんはきれいだよ~ん」と誘惑します(あくまでも個人の想像です)。
テノールの櫻田亮が絶好調です この人は今やB.C.Jを牽引するテノールに成長しました。そして、中江早希が素晴らしい 声にパワーがあり美しいコロラトゥーラが冴えわたっていました 演技力も抜群です。下手の舞台袖に2人のフルート奏者を従えて、キリスト信徒をパンとワインで誘惑する小芝居には思わず笑ってしまいましたが、「彼女のような霊なら是非”饗応接待”されたいものだ」と魅了されました。「正義」の望月万里亜、「慈愛」の澤江衣里も大健闘でした オケでは、キリスト信徒のアリアに伴奏を付けるナチュラル・トロンボーンの息の長いソロが素晴らしかった 福川伸陽(N響)と藤田麻理絵(新日本フィル)のナチュラル・ホルンの演奏も素晴らしかったです
約85分の”楽しい”宗教的音楽劇を聴き終わって思ったのは、モーツァルトは本当に11歳の時にこれを作曲したのか、ということです おそらく教育パパであるレオポルド・モーツァルトのアドヴァイスがかなりあったのではないか、と想像します それにしても天才は天才です
プログラム後半はモーツアルト「戴冠ミサ曲K.317」です この曲は1779年3月23日に完成し、同年4月4日の復活祭の祝日に初演されました 「戴冠式ミサ」という名称は1791年にプラハで行われたレオポルド2世の戴冠式でサリエリが指揮して以降定着しました 第1曲「キリエ(あわれみの賛歌)」、第2曲「グローリア(栄光の賛歌)」、第3曲「クレド(信仰宣言)」、第4曲「サンクトゥス(感謝の賛歌)」、第5曲「ベネディクトゥス(ほむべきかな)」、第6曲「アニュス・デイ(平和の賛歌)」の6曲から成ります
オケの後方にB.C.J自慢の合唱団がスタンバイします
この曲でもテノールの櫻田亮とソプラノの中江早希の歌唱が素晴らしい 櫻田は高音が無理なく伸び、中江はノンヴィブラートの透明感のある歌唱が印象的です アルトの青木洋也、バスの加来徹も安定感があります
鈴木優人は速めのテンポでサクサクと音楽を進め、モーツアルトらしい軽快感を前面に出しました この曲でもナチュラル・ホルン、ナチュラル・トロンボーンの好演に加え、ナチュラル・トランペット、三宮正満のオーボエが素晴らしい演奏を展開しました また、固いマレットで打ち込まれるバロック・ティンパニが心地良いリズム感を与えていました
特筆すべきは、正確なドイツ語、クリアな歌唱が発揮されたB.C.J自慢の混声合唱団のパフォーマンスです
約30分の演奏を聴き終わって思ったのは、「まるでオペラだな」ということです 一例を挙げれば、中江早希が第6曲「アニュス・デイ」で歌ったソプラノ・ソロは、モーツァルト「フィガロの結婚」第3幕でアルマヴィーヴァ伯爵夫人が歌うアリア「楽しい思い出はどこに」によく似ています
ここ数年、プログラム冊子を購入していないので、曲の内容が分からなかったり 名前が分からない演奏者がいたりして、このブログを書くのに苦労します 2000円を投資してプログラムを買えば済む問題ですが、私の場合はブログ執筆のために買うわけですから、どうしてもコスパを考えてしまいます もう少し安価にならないかなと思いますが、後戻りはできないでしょうね