人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ、ドニゼッティ「愛の妙薬」初日公演を観る ~ オール日本人キャストでオミクロン株を吹き飛ばせ!

2022年02月08日 00時27分56秒 | 日記

8日(火)。わが家に来てから今日で2586日目を迎え、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の下で制裁違反の有無を調べる専門家パネルが年次報告書の中で、北朝鮮が2020年から21年半ばにかけ、暗号資産(仮装通貨)取引所へのサイバー攻撃を通じ計5千万ドル(約58億円)分以上を盗み出したと指摘していることが分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     以前は他国から人を盗んでいたけど  最近は資産を盗んでミサイルにつぎ込んでる

 

         

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とツナのサラダ」「もやしの味噌汁」を作りました 生姜焼きは仕上げにマヨネーズをまぶしたら美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夜、新国立劇場「オペラパレス」でドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」初日公演を観ました 出演はアディーナ=砂川涼子(ジェシカ・アゾーディの代役)、ネモリーノ=中井亮一(フアン・フランシスコ・ガテルの代役)、ベルコーレ=大西宇宙(ブルーノ・タッディアの代役)、ドゥルカマーラ=久保田真澄(ロベルト・デ・カンディアの代役)、ジャンネッタ=九嶋香奈枝、指揮=ガエタノ・デスピノーサ(フランチェスコ・ランツィロッタの代役)、演出=チェーザレ・リエヴィということで、出演者はほとんど総入れ替えです

1月20日付の新国立劇場からの「指揮者、出演者変更のお知らせ」に「この変更に伴う払い戻しはありません。新型コロナウイルス感染拡大防止のために観劇を取り止められる場合は、チケットの払い戻しをいたします」と書かれていたことから、コロナを理由に(本音は出演者総入れ替えが理由)払い戻しが多く出るのではないかと予想していました この日の客入りを見ると、約7割くらいだったので、その影響も多少あったのではないかと想像します

 

     

 

「愛の妙薬」はガエターノ・ドニゼッティ(1797-1848)が1832年にミラノのカノッピアーナ劇場で初演した全2幕から成るオペラです

純朴な農夫ネモリーノは農場主の娘アディーナに夢中になっている 軍曹のベルコーレが彼女を口説くので、ネモリーノも勇気を奮って告白するが相手にされない そこへインチキ薬売りドゥルカマーラが登場、愛の妙薬と称し安物のワインを彼に売りつける 酔っぱらったネモリーノは急に強気になるが、怒ったアディーナはベルコーレと結婚すると宣言する ネモリーノはさらに妙薬を買おうとお金を得るために軍隊に入隊する 彼の行為に心を打たれたアディーナはネモリーノに愛を告白し2人は結ばれる

 

     

 

私が新国立オペラで「愛の妙薬」を観るのは2010年4月、2013年1月、2018年3月に次いで4度目ですが、演出はすべてチェーザレ・リエヴィです 彼の演出・舞台づくりの特徴はポップでカラフルな舞台と衣装です 何しろ出演者の髪の毛までが緑だったり赤だったり銀色だったりで、もし道ですれ違ったら「アナタ シュウキョウ シンジマスカ?」とか訊かれそうで思わず引いてしまうでしょう

外国人歌手陣が総崩れのためオール日本人となり、しかもネモリーノを歌う中井亮一は名前も聞いたことがないし、ベルコーレを歌う大西宇宙は名前が宇宙人だしーと不安が募りました

そんな中、アディーナを歌った砂川涼子はベルカント唱法が素晴らしく、終始安定した美声で聴衆を魅了しました 彼女の役柄は「トゥーランドット」リューとか、「カルメン」ミカエラとか、「魔笛」パミーナとか、どちらかというと繊細で可憐な女性の役がピッタリというイメージがあるので、今回のアディーナのような”気が多い”女役は意外な感じがしましたが、そこは日本を代表するソプラノ歌手です。何でもそつなくこなします

ネモリーノを歌った中井亮一は初めて聴きました 名古屋芸術大学首席卒業、同大学院修了。スカラ座音楽院オペラ研修所修了。内外の歌劇場で活躍しているとのことですが、終始 役に成り切って、説得力のある歌唱を発揮しました    第2幕終盤でハープとファゴットに導かれて歌うロマンツァ「人知れぬ涙」は心を込めて抒情的に歌われ感動を誘いました

ベルコーレを歌った大西宇宙(おおにし・たかおき)は名前だけは知っていましたが、聴くのは今回が初めてでした 武蔵野音楽大学及び大学院、ジュリアード音楽院を卒業。シカゴ・リリック・オペラで研鑽を積みました。声量も十分で演技力もあるバリトンで、存在感がありました

ドゥルカマーラを歌った久保田真澄はこれまで様々な役柄で新国立オペラの舞台に立ちましたが、いま一つパッとしないところが気になっていました しかし、今回の喜劇的なキャラクター、ドゥルカマーラ役は声も良く出ていて説得力があり、演技力もありました 今回、新境地を切り開いたかもしれません

ジャンネッタを歌った九嶋香奈枝は出番こそ少なかったものの、美しいソプラノを披露しました

素晴らしかったのは歌手陣だけではありません 新国立劇場合唱団は、演出のチェーザレ・リエヴィが「プロダクション・ノート」に「合唱団のレベルの高さには脱帽です。これまでメトロポリタン歌劇場の合唱団が世界一だと思っていましたが、それ以上です」と書いているように、今回も素晴らしいコーラスを聴かせてくれました

最後に特筆すべきはガエタノ・デスピノーサ指揮東京交響楽団(コンマス=水谷晃)の演奏です 歌手に寄り添いつつ、自らベルカントを歌っていました

今回は前作「さまよえるオランダ人」に続いて、ガエターノ・デスピノーサが代役として指揮を執りましたが、今や「困った時のデスピノーサ」になった感があります 新型コロナ・オミクロン株の影響で、結果として日本人歌手による公演となりましたが、「オール日本人キャストでオミクロン株を吹き飛ばせ!」という勢いを感じる初日公演でした

 

     

コメント
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