人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

鈴木雅明 ✕ NHK交響楽団でストラヴィンスキー「プルチネッラ」「ペトルーシカ」を聴く ~ N響池袋Cプロ2日目 / 外国人の新規入国措置緩和へ ~ 日経の記事から

2022年02月13日 07時17分39秒 | 日記

13日(日)。昨日の日経朝刊第1面に「ビジネス入国  先行緩和 月内に留学生含め1日1000人台」という見出しの記事が載っていました 記事を超略すると次のとおりです

「政府は新型コロナウイルス対策で2月末まで原則禁止した外国人の新規入国について、段階的に緩和する まずビジネス目的と留学生の入国を2月中に先行して認める。1日1000人以上から順次拡大する。2021年11月末に導入した新規入国の原則停止は3月1日で解除する方向 解除時は入国の際の待機を日本人も外国人も7日間から『3日以下』にする案がある。ワクチンの3回目接種や検査が条件だ。来週にも感染状況を見極めて判断する

指揮者や演奏家等の入国は「ビジネス目的」だろうから、この記事の通りにいけば、3月以降は外国人アーティストが来日することが出来そうです とはいえ、4月の「ばらの騎士」の出演者変更を公表している新国立劇場は、今さら元に戻すことはできないでしょう

ということで、わが家に来てから今日で2591日目を迎え、11日から立川市のホテルで行われた第71期ALSOK杯王将戦勝負第4局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)は12日午後6時23分、挑戦者の藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖=が渡辺明王将(37)=名人、棋王=を114手で降し4連勝で初の王将を獲得するとともに、史上最年少でタイトル5冠を達成した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     残るは王座、棋王、名人の3タイトル  若いうちに是非挑戦して獲得してほしい!

 

         

 

昨日14時から、東京芸術劇場コンサートホールでNHK交響楽団「池袋Cプログラム」2日目公演を聴きました プログラムは①ストラヴィンスキー:組曲「プルチネッラ」、②同:バレエ音楽「ペトルーシカ」(1947年版)です

本公演は当初、パーヴォ・ヤルヴィの指揮により①リヒャルト・シュトラウス:バレエ音楽「ヨセフの伝説」から交響的断章、②同「アルプス交響曲」が演奏される予定でした しかし、新型コロナ・オミクロン株の感染拡大が影響しヤルヴィ氏が来日しなったことから、指揮者とプログラムが総入れ替えになったものです 1月に届いたN響からのハガキによると、「今回の変更にあたり料金の払い戻し、他公演への振替等はございません」と書かれています そこで手元のチケットの裏側を見ると「本演奏会を中止する以外は、出演者・曲目・演奏曲順等の変更などいかなる理由があっても料金の払い戻しはいたしません」と書かれています これを見ると仕方ないと思いますが、どうもすんなりと納得できない自分がいます 指揮者が変更になるだけなら、あるいは、演奏曲目の一部が変更になるだけならまだ納得できますが、指揮者も演奏曲目も「全取り換え」になるなんて誰が想定できたでしょうか? まるで詐欺にあったような気がします しかし、聴くと決めたからには気持ちを切り替えなければなりません 覚悟を決めます

  ・・・切・・り・・取・・り・・線・・・

開演に先立って13時15分から室内楽の演奏がありました ドビュッシー「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」から第1楽章「田園曲」、第2楽章「終曲」が梶川真歩(fl)、中村翔太郎(va)、早川りさ子(hp)によって演奏されました 演奏にあたり、早川さんが「ドビュッシーとストラヴィンスキーは、お互いにスコアを送り合うほどの緊密な仲だったそうです」と解説しましたが、意外な感じがしました

 

     

 

さて本番です。休憩なしで①ストラヴィンスキー:組曲「プルチネッラ」、②同:バレエ音楽「ペトルーシカ」(1947年版)が演奏されます 指揮はバッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督の鈴木雅明です もともとはバッハを中心とする宗教音楽を中心に演奏活動を展開してきましたが、最近では古典派からロマン派、さらには今回のような20世紀のロシア音楽まで手を伸ばすようになっています

オケは左から第1ヴァイオリン(5)、第2ヴァイオリン(5)、ヴィオラ(5)、チェロ(4)、その後ろにコントラバス(4)という今では珍しい並び 下手のヴァイオリン(高音)から、ヴィオラ、チェロ、コントラバスへと上手に行くにしたがって音が低い楽器の順に並んでいます この編成はディズニーの「ファンタジア」や「オーケストラの少女」などで有名なレオポルド・ストコフスキーが採用して定着した感があります 当時はLPレコードがモノラルからステレオへの移行期にあり、彼は録音に際し左側に高音楽器を、右側に低音楽器を集めることにより、再生時に左側スピーカーからはヴァイオリンが、右側のスピーカーからはチェロやコントラバスが聴こえるようにステレオ効果を狙ったのです 今回、鈴木雅明氏は録音効果を狙ったとは思えませんが、彼独特の考えがあって「ストコフスキー配置」にしたのでしょう

1曲目はストラヴィンスキー:組曲「プルチネッラ」です この曲はイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)がロシア・バレエ団の委嘱により1919年から20年にかけて作曲、1920年5月15日にバレエ版がエルネスト・アンセルメ指揮ロシア・バレエ団により、パリ・オペラ座で初演されました 第1曲「序曲」、第2曲「セレナード」、第3曲「スケルチーノ ~ アレグロ ~ アンダンティーノ」、第4曲「タランテラ」、第5曲「トッカータ」、第6曲「ガヴォット」、第7曲「ヴィーヴォ」、第8曲「メヌエット ~ 終曲」から構成されています

「プルチネッラ」とはナポリの仮面喜劇の道化役のことです。フルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器、トランペット、ホルン、トロンボーンといった金管楽器が、神出鬼没のプルチネッラの姿を楽しく表現します。各奏者のソリスト級の演奏が光ります

 

     

 

2曲目はストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシカ」(1947年版)です この曲は1910年から翌11年にかけて作曲(1947年版は1946年~1947年)、1911年6月13日にピエール・モントゥー指揮ロシア・バレエ団によりパリのシャトレ劇場でフォーキンの振付により初演されました 第1場「謝肉祭の日 ~ 手品師の芸 ~ ロシアの踊り、第2場「ペトルーシカの部屋」、第3場「ムーア人の部屋 ~ バレリーナの踊り ~ バレリーナとムーア人のワルツ、第4場「謝肉祭の日の夕方 ~ うばの踊り ~ 御者と別当の踊り ~ 仮装した人々」の4場から成ります

弦楽器が一気に14型に拡大し、管楽器が増員され打楽器が加わり、フルオーケストラ態勢になります 鈴木氏の指揮で第1曲「謝肉祭の日」が開始されます 管楽器群の色彩感あふれる演奏が祭りで賑わう市場の様子を活写します ストラヴィンスキー独特のスピード感、急停止、突然の凪状態、再び急発進といったように、曲は一寸先が読めないほど目まぐるしく変化します 管楽器群の一人ひとりの名人芸が素晴らしい 音楽評論家・矢澤孝樹氏がこの曲についてプログラム ノートに「ロマン派のように弦楽器がベースを作り、管楽器が色を添えるのではない。管楽器がベースを作り、そこに弦楽器が合いの手を入れる。地と図が反転している。同作品のモダン性のひとつである」と書いていますが、まさにその通りの曲想で、主役を担う管楽器群のアグレッシブな演奏は見事でした また、節目に鋭く打ち込まれるティンパニが全体を引き締めていました   自席の真下あたりで奏者が見えなかったのですが、ピアノが素晴らしい演奏をしていました

総じてN響はさすがにソリスト級の演奏者が揃っているな、とあらてめて認識したコンサートでした

ところで、今月のA・B・C各プログラム公演をもってN響首席指揮者を退任するはずだったパーヴォ・ヤルヴィ氏は、3公演とも新型コロナ・オミクロン株感染拡大絡みで来日できなくなってしまいました ヤルヴィ氏は2015年から7年にわたり120を超える公演を指揮してきました この間、2017年と2020年にはヨーロッパ・ツアーを行い、N響の名を世界に知らしめましたが、この成功はヤルヴィ氏の力あってこそです プログラム冊子に挟みこまれたヤルヴィ氏からのメッセージは「東京で、そして世界のステージで私たちが共に成し遂げることができた数々の演奏を誇りに思っています。そして素晴らしい音楽を共有していただき、皆様に感謝の言葉を贈ります」と結ばれています 個人的には2017年6月のシューベルト「交響曲第8番”ザ・グレート”」の名演が忘れられません ヤルヴィさん、数々の名演をありがとうございました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする