4日(日)。わが家に来てから今日で2883日目を迎え、ウクライナに関する国連の独立調査委員会は、ロシアによるウクライナのエネルギー関連施設など重要インフラへの攻撃が「戦争犯罪にあたるかどうか調べている」と明らかにしたが、国際法では、民間人や生活の要となるインフラを故意に攻撃することを禁じている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアの攻撃でウクライナ国内の約600万人が電気が使えない 戦争犯罪そのもの
昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「第13回音楽大学オーケストラ・フェスティバル2022」の参加公演のうち①円光寺雅彦 ✕ 武蔵野音楽大学によるシベリウス「交響曲第2番 ニ長調 作品43」と、高関健 ✕ 桐朋学園大学によるマーラー「交響曲第1番 ニ長調」を聴きました
自席は1階O列11番、左ブロック右から2つ目です 会場は1階席を中心にかなり入っているようです
プログラム前半は円光寺雅彦指揮武蔵野音楽大学管弦楽団によるシベリウス「交響曲第2番 ニ長調 作品43」です
この曲はジャン・シベリウス(1865ー1957)が1902年に作曲、同年3月8日、ヘルシンキでシベリウスの指揮で初演されました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「テンポ・アンダンテ・マ・ルバート」、第3楽章「ヴィヴァーチッシ モ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります
オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは女子学生です
円光寺雅彦の指揮で演奏に入りますが、最初から最後まで存在感を示していたのはティンパニの女子学生です 時に弱音で、時に力強く、マレットを変えながら、この曲はこれほどティンパニが活躍する場面があったのか、と驚くほど終始叩きっぱなしという感じで奮闘していました 感心したのは第2楽章におけるトランペット、トロンボーン、チューバ、ホルンといった金管楽器群の熱演です また第3楽章ではオーボエが素晴らしい演奏を展開していました 第4楽章は金管の良さと、弦楽器群の渾身の演奏が光り、ダイナミックなフィナーレを迎えました
演奏そのものは素晴らしかったのですが、第1楽章が終わり、第2楽章に入ろうとするとき、2階席からハイヒールらしき靴が歩くコツコツという音が聴こえてきました コンサートホールは小さな音も響くので、当然 指揮者の耳にも入っていて、音が静まるまで第2楽章の演奏に入れませんでした 音を出さないで歩く方法はあるのです はっきり言って、こういう 周囲に配慮する能力のない デリカシーに欠ける人間は「下品」です 誰からも悪い習性を注意されず、周囲からチヤホヤされて わがまま放題育ってきたのでしょう あんたのせいで演奏が止まって みんなが迷惑してるんだよ 空気を読め 指揮者と演奏する学生たちに敬意を払え
休憩時間は30分でした 異なるオケが交代するわけですから ある程度時間が必要なのは分かりますが、ちょっと長すぎるように思います 5分でもいいから短縮してほしいと思います
さて、プログラム後半は高関健指揮桐朋学園オーケストラによるマーラー「交響曲第1番 ニ長調 ”巨人”」です
この曲はグスタフ・マーラー(1860ー1911)が1883年から88年にかけて作曲、1889年にブタペストで「交響詩」として初演、その後1993年から96年にかけて改訂、1899年にウィーンで「交響曲」として初演されました 第1楽章「ゆっくりと、引きずるように」、第2楽章「力強い動きで、しかしあまり速すぎないように」、第3楽章「荘重に威厳を持って、引きずることなく」、第4楽章「嵐のような動きで」の4楽章から成ります
オケは16型で左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その奥にコントラバスという対抗配置を採ります コンマスは女子学生です
高関健の指揮で第1楽章が緊張感の中で開始されます かなりゆったりしたテンポで進められます。金管があまり調子良くないようですが、弦楽器は絶好調です コンミスは誰か名前が分かりませんが、椅子の座面を高くしてほとんど中腰スタイルで、グイグイ弦楽器群を引っ張ります 大きなアクションで後ろのプルトまで見えるように存在感を示しています。コンミスはこのくらいでないといけません 第2楽章は弦楽器群が渾身の演奏を繰り広げました また、高関はホルンにベルアップ奏法を求めました フルート、オーボエといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開します 第3楽章では、ティンパニの弱音の連打に乗せてコントラバスのソロがフレール・ジャック(日本では「グーチョキパーで何つくろう」)のメロディーを弾きますが、この演奏が素晴らしかった またオーボエの演奏も冴えていました 第4楽章はマーラーの指示通り「嵐のような」激しい演奏が展開します コンミスの大きな動きに呼応して弦楽器群が抜群のアンサンブル力を発揮し渾身を演奏を繰り広げ、管楽器が咆哮し、打楽器が炸裂します 高関はフィナーレではホルンに立奏を求めました さすがは”オーケストラ・ビルダー”高関健の指導が行き渡っているな、と思わせる終始キビキビした爽快な演奏でした
今年は8音楽大学(昭和、洗足学園、武蔵野、桐朋学園、東京、国立、上野学園、東邦)がこのフェスティバルに参加しましたが、東京藝大が参加しなかったのが残念でした
プログラム冊子の冒頭に、当フェスティバル実行委員長の岡田知之氏が巻頭言を書いていますが、それによると、日本には110有余の音楽系大学と短期大学があるそうです。これにはビックリしました 毎年110有余の音大から千人単位の卒業生が出ていくわけですが、果たしてどのくらいの学生が自分の志望する音楽関係の進路に進めるのだろうか このフェスティバルを聴くたびにそのことが気になってしかたありません 頑張っている学生たちの未来に幸あれ、と祈るばかりです