人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

リッカルド・ムーティとマリア・カラス ~ 日経「私の履歴書」から / ヴィム・ヴェンダース監督「夢の涯てまでも」(ディレクターズカット4Kレストア版・4時間47分)を観る

2022年12月27日 07時03分08秒 | 日記

27日(火)。日経朝刊に連載の「私の履歴書  リッカルド・ムーティ」は昨日第25回目を迎えました この回ではマリア・カラスの思い出を語っています。超略すると次の通りです

「1974年の時に、伝説の歌姫、マリア・カラスをヴェルディの『マクベス』の舞台に立たせることができないかと思った もう何年もオペラの舞台からは遠ざかっていたが、マクベス夫人の役は彼女だという思いが強かった ヴェルディが言ったように『魂を込めて演じる女優』カラスの姿を見たかったのだ。懇意のEMIのプロデューサーに『マクベス夫人をカラスに頼めないだろうか』と話した数日後、本人から電話がかかってきた 『わたしのことを考えてくださってうれしいです』。さらに『ラ・トラヴィアータ』のヴィオレッタのセリフそのままに『でも、もう遅いです』と言った あの声音は今でも鮮明に耳に残っている。彼女については多くが語られているが、私が強調したいのは歌手としての姿勢だ 彼女はオペラのリハーサル全てに立ち会ったという。自分の出番がないときでも劇場に顔を出し、オーケストラだけの練習も聴きに来ていた。スター性のある歌手には多忙のあまり、自分が歌うシーンがない稽古には来ない人が多い 『時代が変わった』『喉の負担は最小限にすべき』『だからマリア・カラスは歌手寿命が短かった』。そうかもしれない。だが、カラスはこうだったということを私は知ってほしい。来年はマリア・カラス生誕100年の記念すべき年となる。いろいろな催しがあるだろうが、もう一度、歌手としての彼女の真摯な姿を世界の人々が知る機会になってほしい

マリア・カラスということでは、「リハーサルや本番で、自分が歌っていない時でも、役に成り切った集中力が凄い」とどこかで読んだ記憶があります これも「自分の出番がないときでも劇場に顔を出し、オーケストラだけの練習も聴きに来ていた」に繋がる話だと思います 本当の「プロフェッショナル」とは彼女のような人のことを言うのでしょう

ということで、わが家に来てから今日で2906日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は25日放送の国営テレビのインタビューで、ウクライナ侵攻を巡り「我々は正しい方向にあり国益を守っている」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     そう思わなければやってられないか? いずれロシアはウクライナに弁償することに

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉のクリームシチュー」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました 寒いとシチューとかカレーとか鍋とかが多くなりがちですね

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でヴィム・ヴェンダース監督による1991年製作フランス・ドイツ・日本・アメリカ・オーストラリア合作映画「夢の端てまでも」(ディレクターズカット4Kレストア版・4時間47分)を観ました

物語の舞台は近未来の1999年。制御不能に陥った核衛星の墜落が予測され、世界中が滅亡の恐怖におののいていた クレア(ソルヴェーグ・ドマルタン)はヴェネツィアの友人宅からあてもなく車で出発する。途中で何者かに追われるトレヴァー(ウィリアム・ハート)という謎の男と出会い、パリまで送る その後、元恋人の作家ユージーン(サム・ニール)の許に身を寄せたクレアだったが、なぜがトレヴァーのことが気になり、彼を追ってベルリンへ向かう 私立探偵ウィンター(リュディガー・フォーグラー)からトレヴァーがお尋ね者であることを聞いたクレアは、ウィンター、ユージーンと共に奇妙な追跡劇を開始する クレアは遂に東京でトレヴァーに追いつく 実はトレヴァーは、科学者の父ヘンリー(マックス・フォン・シドー)が発明したカメラで盲目の母エディス(ジャンヌ・モロー)に見せる映像を集めるために世界中を旅しており、その新発明を狙う各国のエージェントに追われていたのだった 訪れた各国で様々な映像を収め、両親の待つオーストラリアへと向かうトレヴァー達だったが、その途中で核衛星が遂に爆発する

 

     

 

興味深かったのは日本におけるクレアたちの行動を映し出したシーンです クレアたちがカプセルホテルに紛れ込んで、浴衣を着た日本人から「ここは女の人は来ちゃだめだよ」と言われたり、パチンコ屋に紛れ込んだり、そうかと思うと、小田急ロマンスカーで箱根湯本に行って、旅館に泊まって疲れを癒したり、そのバックに流れているのが琴と尺八の音楽だったりと、いかにも外国人が日本に抱くであろうイメージそのものを登場させています 1999年の日本は、外国人から見たら「カプセルホテル」「パチンコ」「旅館」が象徴的な存在として映り、琴と尺八による演奏が典型的な日本の音楽として捉えられていたのです   23年後の今ではもうそのイメージはない、と言えるだろか

この映画は「旅」をテーマとしてきたヴェンダース監督の集大成的な内容ですが、NHKの全面協力によりハイビジョン撮影も導入され、ソニーをはじめ日本の有力企業が「未来製品」の製作に協力しています

上映時間4時間47分の超長編大作ですが、不思議に長く感じませんでした 途中で25分間の休憩が入りました

 

     

コメント
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