9日(日)。昨日の日経夕刊に「古いヴァイオリン、美しい音の秘密は?」という見出しの記事が載っていました 記事を超略すると次の通りです
「17世紀から18世紀にかけてイタリアのクレモナで活躍したアントニオ・ストラディバリやガルネリ・デル・ジュスらが製作したヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどが王族や貴族によって買い求められ、歴史に名を残す演奏家たちが弾いて現代に継承してきた」
「古いヴァイオリンがよい音を出す理由は、①使用木材の組み合わせ。ヴァイオリンの表板にはマツの仲間のトウヒ、裏板にはカエデが用いられる 長い時間をかけて乾燥させてから加工する。トウヒはよく振動して音を伝えやすい。一方、カエデは音を吸収しやすい。この組み合わせが良い音色の秘密に関わっている そっくりの形状に作っても同じ音色にはならない。使われる木材の性質などが大きく左右している 板は340ヘルツあたりで強く共鳴するように加工されている 一般に板は木目が細かくそろっているのがよいと言われている。ただし、ストラディバリウスとガルネリでも木目の太さや間隔は結構違う 木材は長い時間をかけて乾燥すると、中で化学反応が起こり、音が伝わりやすく、よく響くようになる かつては塗装に使うニスに秘密があるのではないかといわれていたが、ニスは普通のものなので、その説は間違っていると分かった その一方で、木材を何らかの薬品を使って処理していたことは確かなようだ。木材を分析すると、アルミニウムや胴などの金属のほか、たんぱく質に近い化合物が見つかる」
これまで「よい音にはニスの影響があるという昔の説を信じていただけに参考になりました
ということで、わが家に来てから今日で3008日目を迎え、国連安全保障理事会は、対北朝鮮制裁の履行状況を調べる専門家パネルの年次報告書を公表したが、その中で、2022年に北朝鮮が前年に比べて約2倍の約6億~10億ドル(約790億~1300億円)となる過去最高額の暗号資産(仮装通貨)を盗んだと強調したほか、ロシアなどに軍事通信機器の輸出をしている可能性があると指摘した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
北朝鮮は”盗み”が国家事業の柱だからね それがすべてミサイル発射実験に使われる
昨日、早稲田松竹でジャン・ルノワール監督による1954年製作フランス・イタリア合作映画「フレンチ・カンカン」(104分・カラー)を観ました
物語の舞台は1888年のパリ 興行師ダングラール(ジャン・ギャバン)は下町モンマルトルのキャバレーで踊りの上手な二二(フランソワーズ・アルヌール)を見初め、自分の店を売り払ってそのキャバレーを買い取り「ムーラン・ルージュ(赤い風車)」と改名する 二二を踊り子たちの中心に据え、カンカンを上演するキャバレーとして開店の準備を進めるが、次から次へとトラブルが舞い込む
監督のジャン・ルノワールは言うまでもなく、印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男です それもあってか、この映画は極めてカラフルで絵画的です どのシーンを切り取っても”絵”になります それは黒澤明の一連の時代劇映画と共通しています 圧巻なのは最後のカンカン踊りのシーンです 踊り子たちが客席の間から、あるいはロープで天井から、あるいは紙の壁をぶち破って登場し、フロアに集結してカンカンを踊り始めるシーンは感動的です そして、次から次へと軽快な音楽に乗せて踊るカンカン踊りが素晴らしい 締めの曲はオッフェンバック「地獄のオルフェ(天国と地獄)」の「地獄のギャロップ」です カンカンで思い出すのは、フランツ・レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」第3幕で「キャバレー・マキシム」で踊られるカンカンです 2015年1月17日収録のMETライブビューイング「メリー・ウィドゥ」でヴァランシエンヌ役のミュージカル・スター、ケリー・オハラが歌いながら踊ったカンカンが忘れられません ブロードウェイで活躍するスーザン・ストローマンの演出でしたが、たぶんこの映画を参考にしたのではないかと想像します
この映画では、エディット・ピアフも登場してシャンソンを歌いますが、これがまた素晴らしい この映画はミュージカル映画の金字塔といえます