人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「レコ芸」休刊、岐路に立つ音楽批評 ~ 日経の記事から / ロバート・エガース監督「ノースマン 導かれし復讐者」、デヴィッド・ロウリー監督「グリーン・ナイト」を観る:早稲田松竹

2023年04月26日 06時44分54秒 | 日記

26日(水)。昨日の日経夕刊のコラム「文化往来」は「『レコ芸』休刊、岐路に立つ音楽批評」という見出しの記事を掲載していました 記事を超略すると次の通りです

「月刊音楽誌『レコード芸術』が7月号(6月20日発行)で休刊すると発表し、波紋が広がっている 版元の音楽之友社が発表した直後から、評論家が存続を求めて署名活動を開始。1週間でファンら3000人の賛同を得て、多くの音楽家も支持した 音楽文化を支える柱の一つだった音源作品の批評は岐路に立たされている ピークだった80~90年代には約10万部を発行 現在は5万部ほどに減った ピーク時には月間約400作品のクラシックCDが発売され、批評の対象となっていたが、現在は100作品ほどまでに減り、レコード会社からの広告出稿が落ち込んだという 読者の85%が50~70代で高齢化も進む 音楽の友社の大谷常務執行役員は『クラシック界全体の問題でもあるが、若い読者を育てることができないままに厳しい状態に陥った』と話す。批評での特選盤選出は店頭の販促効果が見込めるだけでなく、活動の弾みにする音楽家も多い 同社は他媒体やネットへの移行を含め批評存続の可能性を探っているが、結論は出ていないという

「レコード芸術」については以前 ブログに書きましたが、私の場合はクラシックのLP1500枚、CD4000枚になった時点で、繰り返し鑑賞可能な「パッケージ音源媒体による音楽鑑賞主義」から一期一会の「ライブコンサート鑑賞主義」へと方針転換した関係で、現在では「レコ芸」を購読する習慣はありません CDに関する新譜情報については新聞の情報を参考にしていますが、滅多に購入しないのが実情です SNSでライブ・コンサート評が誰でも発信可能となった現在、音楽之友社の次の懸念材料は月刊「音楽の友」の存続の可否ではないか、と心配しています

ということで、わが家に来てから今日で3025日目を迎え、国連の安全保障理事会は24日、ロシアのラブロフ外相が議長となり会合を開いたが、ラブロフ氏がウクライナ侵攻を正当化する発言を展開したのに対し、欧米の代表者らからは改めてロシア批判が相次いだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ラブロフ氏も辛いよね 本当はプーチンの言いなりは嫌なんだろ 正直に言っらどう

 

         

 

昨日の夕食は、娘が通販で購入した「リュウジの本気(マジ)カレー」にしました あとは生野菜サラダです。スパイシーなカレーには赤ワインです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「ノースマン  導かれし復讐者」と「グリーン・ナイト」の2本立てを観ました

「ノースマン  導かれし復讐者」はロバート・エガース監督による2022年製作アメリカ映画(137分)です

時は10世紀初頭のスカンジナビア地域の、とある島国。10歳のアムレートは父オーヴァンディル王(イーサン・ホーク)を叔父フィヨルニル(クレス・バング)に殺され、母グートルン王妃(ニコール・キッドマン)も連れ去られてしまう たった一人で祖国を脱出したアムレートは、父の復讐と母の救出を心に誓う 数年後、アムレート(アレクサンダー・スカルスガルド)は東ヨーロッパ各地で略奪を繰り返す獰猛なバイキングの一員となっていた 預言者(ビョーク)との出会いにより己の使命を思い出した彼は、宿敵フィヨルニルがアイスランドで農場を営んでいることを知る 奴隷に変装して奴隷船に乗り込んだアムレートは、親しくなった白樺の森のオルガ(アニャ・テイラー=ジョイ)の助けを借り、叔父フィヨルニルの農場に潜り込む

 

     

     

【ネタバレ注意】

アムレートはフィヨルニルの館に潜入し、そこで母グートルンに出会い正体を明かしますが、グートルンは、アムレートは自分が奴隷だった時にオーヴァンデイルに犯されて生まれた”望まぬ子”だったこと、オーヴァンデイルとアムレートを殺すために自分がフィヨルニルに反乱を起こすよう頼んだことを告白します ここで父と母の立場が逆転し、アムレートは混乱してしまいます これはモーツアルトの歌劇「魔笛」におけるザラストロと夜の女王の関係と同じだな、と思いました もっとも「魔笛」は前半が父親が”悪役”で、後半が母親が”悪役”になりますが 結局アムレートは母を殺し、フィヨルニルと決闘することになり、相討ちで死ぬことになります 唯一の救いはアムレートとオルガとの間に新しい命が宿っていたことです

正直言って、ストーリーの長さの割には、冗長な感じがしました

 

         

 

「グリーン・ナイト」はデヴィッド・ロウリー監督・脚本・編集による2021年製作アメリカ・カナダ・アイルランド合作映画(130分)です

アーサー王(ショーン・ハリス)の甥であるサー・ガウェイン(デブ・パテル)は、正式な騎士になれぬまま怠惰な毎日を送っていた クリスマスの日、円卓の騎士が集う王の宴に異様な風貌をした緑の騎士(ラルフ・アイネソン)が現れ、恐ろしい首斬りゲームを持ちかける 挑戦に乗ったガウェインは緑の騎士の首を斬り落とすが、騎士は転がった首を自身の手で拾い上げ、「1年後には私を探し出し、約束通り私の反撃を受けるのだ」とガウェインに言い渡して去っていく カウェインはその約束を果たすべく、未知なる世界へと旅に出る

 

     

 

この映画は、「指輪物語」の著者J.R.Rトールキンが現代英語訳したことで知られる14世紀の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」をデビッド・ロウリーが監督した作品です

【ネタバレ注意】

ガウェインは、旅の途中で様々な人や動物の助けを借りながら、遂に緑の騎士のところに辿り着きます しかし、彼は緑の騎士に首を斬られる覚悟がなかなかできず、「ちょっと待ってくれ まだ準備が出来ていない」を繰り返します。最後に、逃げ出した自身の不幸な末路を幻視したガウェインは、旅に出る前に母親から受け取った”命を守る念を込めた緑の腰帯”を外し、「準備が整った」と告げます 緑の騎士はガウェインの勇気を称え、「それでは、自分の首を持ち帰れ」と告げ、首を斬り落とします

この映画は、奇妙な冒険の旅を通して、真の勇気とは何かを発見するに至る若者の成長を描いたものです

それにしても、1年後には首を斬られるのを分かっていながら緑の騎士の首を斬り落としたのに、「ちょっと待ってくれ。まだ準備が出来ていない」というのはどういうことでしょうか。殺されるのがいやだったら「首斬りゲーム」などやらなければ良かったのではないか でも、それでは映画になりませんね この映画も、長さの割には冗長な感じが否めませんでした

 

     

コメント
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