人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アレクサンドル・ソクーロフ監督「独裁者たちのとき」を観る ~ スターリン、ヒトラー、ムッソリーニ、チャーチルが映画出演して罵倒し合う!:ユーロスペース

2023年04月25日 06時53分46秒 | 日記

25日(火)。わが家に来てから今日で3024日目を迎え、中国の蘆紗野・駐仏大使が21日のテレビ番組で、ウクライナやバルト3国など旧ソビエト連邦から独立した国々の主権を疑問視する発言をし、欧州で反発が広がっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     さすがは専制主義国家同士の考えは一致している 台湾問題を視野に入れた発言だな

 

         

 

昨日、夕食に「牛モモ肉ステーキ」を焼きました あとは「舞茸の味噌汁」です。ステーキはレアで焼いて美味しくいただきました

 

     

     

         

 

昨日、渋谷のユーロスペースでロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督による2022年製作ベルギー・ロシア合作映画「独裁者たちのとき」(モノクロ・78分)を観ました

深い霧に包まれた廃墟の中にヨシフ・スターリン、アドルフ・ヒトラー、ベニート・ムッソリーニ、ウィンストン・チャーチルという、第2次世界大戦時に世界を動かした者たちの姿があった 舞台はどうやら彼らの死後の世界である。煉獄の晩餐が始まると、彼らは互いの悪行を嘲笑し己の陶酔に浸る 彼らは地獄のようなこの場所で、神の審判を受けるため、天国へと続く門が開くのを待っているのだった

 

     

 

この映画は、ロシアや英国などのアーカイブ機関や個人の記録映像を素材として使用、独特なデジタルテクノロジーで独裁者たちの姿をスクリーンに蘇らせたもので、ディープフェイクと呼ばれる偽の合成映像ではありません セリフも全て実際の発言や手記を引用して、声優が語っています 膨大な史料をスタッフとともに渉猟し、映像処理のプログラムを開発しながら、6年かけて異色の「共演」を実現させたといいます

死後の世界という設定は、地獄や天国をめぐるダンテの「神曲」を思わせますが、関原のり子さんのインタビューに ソクーロフ監督は「ダンテは作品で『いかなる犯罪も罰を逃れられない』と明言し、神曲に登場する人物も罰を受けている だが、映画の登場人物は責任を負うことなく死後の世界にいる 残念ながら犯罪に対して責任を負わない、というのが20世紀、あるいは19世紀から始まった政治理論ではないかと思う」と語っています。その上で「歴史を忘れてはいけないし、歴史のあらゆる悲劇にはそれを招いた人物が存在していることを忘れてはならないと思う」と語っています

この発言は、まさに現在のロシアのプーチン大統領を念頭に置いているように思われます くしくも、ロシアによるウクライナ侵攻の年に完成した本作は物議を醸し、上映を予定していたカンヌ国際映画祭での上映が中止となり、ロカルノ国際映画祭コンペ部門に出品されて大きな話題になったとのことです

個人的に一番印象に残ったのは、ヒトラーのいる高台に群衆が押し寄せ、手を差し伸べるシーンです 群衆の波は まるで大きくうねる荒波に浮ぶ瓦礫のように見えます それはヒトラーが国民を人として扱っていないことを意味しているように見えます さらに言えば、プーチンが8割以上の政権支持率を良いことに 国民を人として扱っていないことに通じるように見えます 主権国家ウクライナに侵攻し、領土を破壊し尽くし、民間人への強盗・殺人を繰り返し、子どもを誘拐して自国の教育を強制し、国民を騙して出兵させ 若者を無駄死にさせている犯罪者プーチンを、「犯罪に対して責任を負わない」として世界は許すわけにはいかない 必ずこのツケは払ってもらう 残念ながら、事実としてプーチン政権を支持している8割以上のロシア国民も、この責任から逃れることは出来ない。覚悟すべきだ

 

     

コメント
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