人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

N響の2023/2024シーズン最終プログラム決まる / オリヴァー・ハーマナス監督「生きる LIVING」を観る ~ 黒澤明監督「生きる」をカズオ・イシグロの脚本でリメイクした英国映画

2023年04月13日 00時01分21秒 | 日記

13日(木)。NHk交響楽団から2023/2024シーズン定期公演(2023年~2024年6月)の案内が届きました A B C 各プログラムの内容は下の通りですが、2023年12月に第2000回を迎えることから、Aプロ12月公演はファン投票で選ばれた、ファビオ・ルイージ指揮によるマーラー「交響曲第8番”一千人の交響曲”」が演奏されます

 

     

 

Aプロ(NHKホール)では上記のほか、10月にはブロムシュテットがブルックナー「交響曲第5番」を、2月には井上道義がショスタコーヴィチ「交響曲第13番」他を、4月にはマレク・ヤノフスキがブラームス「交響曲第1番」を振るのが楽しみです

 

     

 

Bプロ(サントリーホール)では、9月にはトン・コープマンがモーツアルト「交響曲第29番・第39番」他を、11月にはユッカ・ペッカ・サラステがシベリウス「交響曲第1番」他を、5月にはファビオ・ルイージ指揮、ルドルフ・ブフビンダーのピアノでブラームス「ピアノ協奏曲第1番」他が演奏されるのが期待大です

 

     

 

Cプロ(NHKホール)では9月にはルイージの指揮でワーグナー(フリーベル編)「楽劇”ニーベルングの指環”」オーケストラ・アドヴェンチャーが、10月にはブロムシュテットの指揮でシベリウス「交響曲第2番」が、12月にはルイージの指揮でベルリオーズ「幻想交響曲」が、4月にはエッシェンバッハの指揮でブルックナー「交響曲第7番」が演奏されるのが魅力です

 

     

 

以上の通り、プログラムとしてはいずれも魅力的なのですが、大きな問題が一つあります 言うまでもなく「料金改定」です 各プログラムにおける年間会費の現行料金と新シーズンの料金を比較すると次の通りとなります

①Aプロブラム(NHKホール)

S席(現行) 65,970円 ⇒ (新料金)69,300円 = +3,330円(+5.0%)

A席(  同  )56,610円 ⇒ ( 同 )58,050円 = +1,440円(+2.5%)

B席(  同  )44,010円 ⇒ ( 同 )45,090円 = +1,080円(+2.5%)

C席(  同  )35,730円 ⇒ ( 同 )36,720円 =        +990円(+2.8%)

D席(  同  )27,540円 ⇒ ( 同 )28,800円 = +1,260円(+4.6%)

②Bプログラム(サントリーホール)

S席(現行)65,970円 ⇒ (新料金)74,970円 = +9,000円(+13.6%)

A席(  同  )56,610円 ⇒ ( 同 )64,260円 = +7,650円(+13.5%)

B席(  同  )44,010円 ⇒ ( 同 )51,255円 = +7,245円(+16.5%)

C席(  同  )35,730円 ⇒ ( 同 )41,310円 = +5,580円(+15.6%)

D席(  同  )27,540円 ⇒ ( 同 )33,660円 = +6,120円(+22.2%)

③Cプログラム(NHKホール)

S席(現行)56,610円 ⇒ (新料金)57,780円 = +1,170円(+2.1%)

A席(  同  )49,725円 ⇒ ( 同 )50,760円 = +1,035円(+2.1%)

B席(  同  )39,780円 ⇒ ( 同 )40,500円 =   +720円(+1.8%)

C席(  同  )32,130円 ⇒ ( 同 )32,760円 =   +630円(+2.0%)

D席(  同  )24,480円 ⇒ ( 同 )25,020円 =  +540円(+2.2%)

上記の通り、AプロとCプロが1ケタ台の値上げ率なのに対し、Bプロは2ケタ台の値上げ率となっており、3つのプログラムの中でダントツに高い料金に改定されているのです 値上げ幅が大きい要因は2つあると思われます 一つは、Bプロの会場であるサントリーホールから同ホール使用料の値上げ要請が来ていることが考えられます もう一つは、Aプロ・Cプロと異なり、Bプロは毎回ソリストを迎えて「協奏曲」がプログラミングされているので、ソリストの人件費(出演料・滞在費・交通費等)が余分にかかるということです

私は現在AプロとBプロの定期会員ですが、新シーズンは両プログラムとも継続するか、Aプロだけにするか迷っています すでに他のオーケストラの定期演奏会の日程がビシバシ入っているので、その間隙を縫って予定を組み込む必要があります 幸いN響はA B C 各プロとも2日間公演があり 振り替えが可能なので、それを織り込んで日程を組みたいと思います 案内によると「更新案内」は5月中旬以降に送付するとしているので、それまでに方針を決めておきたいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3012日目を迎え、台湾情勢に関して「欧州は米中の追随を避けるべきだ」との趣旨の発言をしたフランスのマクロン大統領に対し、各国から批判が相次いでいる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     発言はフレンチじゃなくハレンチだと見做されたね  マクロンはお先 真っ黒ん だな

 

         

 

昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「生野菜サラダ」「白舞茸の味噌汁」を作りました 「茄子~」は何度か作りましたが、今回も娘が「旨い!」「美味しい!」の連発でした

 

     

 

         

 

昨日、TOHOシネマズ新宿でオリヴァー・ハーマナス監督による2022年製作イギリス映画「生きる  LIVING」(103分)を観ました

物語の舞台は1953年、第二次世界大戦後のロンドン。毎日のルーティーンをこなすだけの日々を長年にわたって過ごしてきた役所の課長ウィリアムズ(ビル・ナイ)は、自分の人生を空虚で無意味なものと感じていた そんなある日、彼はガンに冒されているいることが分かり、医師から余命半年と宣告される 手遅れになる前に充実した人生を手に入れたいと考えたウィリアムズは、仕事を無断欠勤し、海辺のリゾート地で知り合った作家の男と酒場に繰り出し、酒を飲んで歌って過ごすが満たされない ロンドンへ帰った彼はかつての部下マーガレット(エイミー・ルー・ウッド)と再会し、バイタリティ溢れる彼女と過ごす中で、自分も新しい一歩を踏み出すことを決意し、役所の中でたらい回しされていた児童公園の建設に着手する

 

     

 

この映画は、黒澤明監督の不朽の名作「生きる」を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたヒューマンドラマです

黒澤明のオリジナル作品と大きく異なるストーリー展開はないものの、イギリスらしさを感じさせる映画に仕上がっています 黒澤作品で主人公を演じた志村喬の役を老俳優ビル・ナイが演じていますが、他に適役はいないと思わせるほどの”はまり役”です 若いマーガレットから、「生きているのに死んでいる」ような様子から”ミスター・ゾンビ”とあだ名をつけられたウィリアムズにピッタリです オリジナル作品で主人公が雪の中を「命短し 恋せよ 乙女」と「ゴンドラの唄」を歌いながらブランコを漕ぐシーンは本作でもありますが、ウィリアムズはアイルランド民謡「ナナカマドの木」を歌いながら漕いでいます

ウィリアムズは、家族でもない作家の男とマーガレットには、自分がガンで余命いくばくもないことを告白したのに、息子夫婦には言おうと努力はしたものの、結局 最後まで告白できないまま逝ってしまいます これについて息子は、「なぜ自分には真実を告げてくれなかったのか、知っていれば接し方も違っていたかもしれないのに」と悔やみます 息子の気持ちは痛いほど分かりますが、そういうことってあり得るのではないだろうか 家族には言えないけれど、赤の他人だから言えるということが

ところで、イギリスらしいモンティ・パイソン流のブラック・ユーモアを感じて思わずニヤリとしたシーンがあります ウィリアムズの死後、新しい課長と部下たちが「彼の意志を継いで、陳情を棚上げしたり たらい回しするのはやめて、すぐに行動に移して問題を解決しよう」と約束したのに、いざ陳情がくると新課長は従前と同じように陳情書を棚上げし、結局だれも反論しないでスルーするシーンです 「お役所仕事は時間と国境を超える」という真理を突いています

さて、音楽です 映画の冒頭ではドヴォルザーク「弦楽セレナーデ  ホ長調」の第2楽章の「メヌエット」が、劇中ではシベリウス「6つのバガテル」の第5曲「即興曲」が効果的に使用されていました イギリスにはエルガーとかディーリアスとか素晴らしい作曲家がいるのだから、クラシック音楽を使うのなら”国産”の音楽にすればいいのに と思いますが、監督の好みもあるのでしょうね

 

     

コメント
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