人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「東京春祭チェンバーオーケストラ~トップ奏者たちが贈る”浄夜”」を聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月21日 07時25分04秒 | 日記

21日(土)。わが家に来てから164日目を迎え、バランスボールに比べ小柄でアンバランスなモコタロです 

 

          

           だってしょうがないだろう これ以上大きくならないんだから

 

  閑話休題  

 

来日中のミシェル・オバマ米大統領夫人は19日、外務省飯倉公館で女性の教育について講演しましたが、その中で世界的に活躍している日本人女性を3人挙げました 国連難民高等弁務官だった緒方貞子さん、日本人女性初の宇宙飛行士になった向井千秋さん、そしてヴァイオリニストの五嶋みどりさんです

ミシェルさんは労働者階級が暮らす貧しい地域で生まれましたが、両親の励ましによって名門プリンストン大学を卒業、弁護士、市職員、病院幹部を歴任し、オバマ氏と結婚したアメリカを代表するインテリです アメリカの第一線のインテリ女性が日本人女性の代表として見ているのが上記の3人だということが分かります

そのうちの一人、五嶋みどりは1971年10月25日大阪府牧方市生まれのヴァイオリニストです 8歳の時にジュリアード音楽院で名教師ドロシー・ディレイ教授の下で研鑽を積み、11歳の時にズービン・メータ指揮ニューヨーク・フィルのバックでパガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」の第1楽章を弾いて米国デビューしました

五嶋みどりと言えば、『タングルウッド奇跡』を思い出します 1986年、タングルウッド音楽祭でレナード・バーンスタイン指揮ボストン交響楽団と共演し、バーンスタインの「セレナード」第5楽章を演奏中にヴァイオリンのE線が2度も切れるアクシデントに見舞われました 当時彼女は3/4サイズのヴァイオリンを使用していましたが、このトラブルに際しコンマスのストラディヴァリウスを借りて演奏を続行しました しかし、再びE線が切れてしまい、2度目は副コンマスのガダニー二を借りて演奏を続行し完遂しました 翌日のニューヨーク・タイムズは「14歳の少女、タングルウッドをヴァイオリン3挺で征服」の大見出しで掲載、この時の様子は「タングルウッドの軌跡」としてアメリカの教科書にも掲載されました

『タングルウッドの奇跡』はテレビでも放映され私も観ましたが、演奏後のバーンスタインの「とても信じられない」という喜びと驚きに満ちた顔が印象に残っています

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、上野の東京文化会館小ホールで「東京春祭チェンバー・オーケストラ~トップ奏者たちが贈る”浄夜”」コンサートを聴きました プログラムは①ロッシーニ「弦楽のためのソナタ第1番」、②メンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第8番」、③シェーンベルク「浄められた夜」(室内オーケストラ版)です 出演はヴァイオリン=堀正文(元N響コンマス)、漆原啓子、影山誠治、影山裕子、神谷美千子、川田知子、小林美恵、島田真千子、瀬崎明日香、玉井菜摘、ヴィオラ=篠崎友美(新日本フィル首席)、柳瀬省太(読響首席)、大島亮、馬渕昌子、チェロ=藤森亮一(N響首席)、藤村俊介(N響)、山内俊輔、辻本玲、コントラバス=池松宏(都響首席)です

 

          

 

自席はM列19番、左ブロック右通路側席です。会場は6割方埋まっている感じでしょうか。すこし寂しいです この日のプログラムは弦楽のためのアンサンブル曲集です。最初のロッシーニ「弦楽のためのソナタ第1番ト長調」は何と作曲者が12歳の時に作った曲です 3つの楽章から成りますが、第1楽章はNHK-FMのクラシック音楽番組(番組名は忘れた)のテーマ・ミュージックです

ステージにメンバーが登場します。全員で14人いますが、よく見るとヴィオラが見当たりません おかしいと思ってプログラムを見ると「ヴィオラを欠いた編成」という解説がありました。左から第1ヴァイオリン(5)、チェロ(3)、コントラバス(1)、第2ヴァイオリン(5)という対向配置をとります。コンマスは堀正文で、隣に漆原啓子がスタンバイします。向かい側には影山誠治と川田知子が並びます。チェロは藤森亮一と藤村俊介が並びます

指揮者なしでの演奏のため、コンマスの堀の合図で演奏を開始します。第1楽章「モデラート」の軽快な演奏を聴いて、さすがはオケの首席クラスや音大で教鞭をとっているプロの集まりだ、と感心します 何しろ音がきれいでピッタリ揃っています。ヴァイオリン・セクションの洗練された演奏が素晴らしいのはもちろんのこと、コントラバスは1本だけなのにものすごい存在感を誇っています

 

          

 

2曲目のメンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第8番ニ長調」はヴィオラが入ってきます 今度は総勢18人態勢で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、右後方にコントラバスという態勢をとります。第1ヴァイオリンは変わらず、第2ヴァイオリンは影山誠治と島田真千子が並び、ヴィオラは篠崎友美と柳瀬省太が並びます

この曲はメンデルスゾーンが12~14歳の頃に作曲した13曲の「弦楽のための交響曲」の中の8番目の曲です 4つの楽章から成りますが、この曲でも18人のアンサンブルは見事で、第2楽章「アダージョ」ではヴィオラの篠崎友美と柳瀬省太のソロが、なかなか聴かせてくれました

 

          

 

休憩後のシェーンベルク「浄められた夜」(室内オーケストラ版)では、髪の毛に特徴のあるチェロの辻本玲が加わりますこの曲はリヒャルト・デーメルの同名詩をもとに1899年12月、弦楽六重奏曲として作曲、その後、弦楽合奏用に編曲しました。デーメルの詩は次のようなものです

「月夜の林を散策する男女。女が他の男の子供を宿したことを告白する しばし緊張の時間が訪れるが、やがて男はその子を自分たちの子として受け容れることを誓う 夜によって愛が浄化されていく。そして二人は抱擁を交わす」

演奏は、コンマスの堀が必要に応じてヴァイオリンで指揮をとりながら、まるでワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のような怪しげな響きで、月夜の下での男女の物語を語って行きます これは全員がソリストという弦楽奏者の渾身の演奏です とても19人で演奏しているとは思えない迫力で音の波が迫ってきます

聴き終って思うのは、”一時的な寄せ集め集団”にも関わらず、弦楽のトップクラスの演奏はピッタリと合い、強くも美しく響き、深い感動をもたらす、ということです 一つのオーケストラの中でのピックアップ・メンバーによる弦楽合奏では為し得ないレベルの高い演奏が展開されるのです それともう一つ。何だかんだ言っても、現役のN響のコンマスの求心力、あるいは統率力は大したものだな、ということです

 

          

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岡崎武志著「読書の腕前」を読む~本好きには共感できることの多い本

2015年03月20日 07時01分18秒 | 日記

20日(金)。わが家に来てから163日目を迎え、おやつがくるのをジッと待っているモコタロです 

 

          

           はやくおやつちょうだいよ~ 良い子にしてたんだからさ~

 

  閑話休題  

 

岡崎武志著「読書の腕前」(知恵の森文庫)を読み終わりました 岡崎武志は1957年大阪府生まれ。立命館大学卒業後、高校の国語講師、雑誌編集者を経てフリーライター・書評家として活躍中です 何年か前にNHKーBSで放映していた「週刊ブックレビュー」に時々ゲストで出演して本の解説をしていたちょび髭の岡崎氏を覚えています

 

          

 

これは、本が好きで好きでたまらない人が書いた本です 寝ながら、喫茶店で、電車の中で、バスの中で、トイレで、風呂で・・・・とにかく時間と場所を選ばずひたすら読むのです とにかく毎年3,000冊ずつ本が増えて行くというのですから尋常ではありません 本が好きな人なら、読みながら「うん、そうそう、分かる分かる・・・」と頷くこと請け合いです

読んでいていくつも共感することがあるのですが、「『本を読む時間がない』というのはウソ」というのはまったくその通りです

「あっ、これいいな」と思ったのは「読書の『特等席』」という見出しの文章です 青山南という人が『眺めたり触ったり』という著書の中で「とくに、バスの一人掛けの席に座っての読書、あれは最高だ その席が、運転手のすぐうしろの、つまり最前列の席だったら、うん、もう、この世の天国よ バスが来て、とんとんと乗り込んでって、その席が空いているのを発見したときの喜び あれにかわるものはない」と書いていて、それを読んだ岡崎氏は「いやはや、さてはや、世の中には同じような人がいるもんだ、と感心してしまった」と書いています

私は学生時代に、全共闘の生き残りが校舎を占拠したのに対し、大学側がロックアウトで対抗したため授業が無くなってしまった時、山手線に乗り込んで本を読んで1周したことがあります 1周で約1時間くらいだったように記憶しています。1周したって、乗った次の駅で降りれば最低料金で済むのです・・・・捕まらなければ 電車って適度に揺れるのが読書には最適なんですよね

それと同じようなことをバスでやろうという試みです 自宅マンション前の白山通りを走っているバスは池袋駅発浅草寿町行きなので、さしあたりこのバスに乗って浅草に行ってみるのもいいかもしれないと思っています 今のところコンサート中心の生活なので時間的な余裕がありませんが、いずれ会社を”卒業”したら是非実現しようと思います

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはアルド・チッコリーニ「ワルツ選集」です チッコリーニ(1925年8月15日~2015年2月1日)が87歳の時=2013年5月にパリで録音した演奏です

 

          

 

収録されているのは、ショパンの「華麗なるワルツ・イ短調」、ドビュッシー「レントよりも遅く」、シベリウス「悲しきワルツ」、ブラームス「ワルツ変イ長調」など馴染みの曲もありますが、シャブリエ「アルバムの綴り」、サティ「お前がほしい」、セヴラック「ロマンティック」、タイユフェール「ヴァルス・レント」といったほとんど無名の曲もあります その中で、サティの「お前がほしい」という曲は、メロディーを聴けば”ああ、あの曲か”と分かるほど有名でエスプリに満ちた曲です

 

          

 

チッコリーニはどの曲も慈しむように演奏していますが、チッコリーニの繊細な感性が選曲に現れています 第1曲目に収録されたシャブリエの「アルバムの綴り」を聴いた瞬間からチッコリーニの演奏のとりこになります どれもが名曲・名演奏で、何度でも繰り返し聴きたくなる気持ちを抑えられません このアルバムには、演奏している全13曲について、インタビューに答える形でチッコリーニのコメントが載っています。私にとって宝物の1枚になるでしょう タワーレコードでは2,471円(税抜き)で売っていました。自信をもってお薦めします

 

          

 

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ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第3番、第4番、第7番」をN響メンバーで聴く~東京・春・音楽祭

2015年03月19日 07時02分38秒 | 日記

19日(木)。わが家に来てから162日目を迎え、おおきな〇をもらって満足しているモコタロです 

 

          

            大きな〇もらっちゃった 影も映ってるし

 

  閑話休題  

 

昨夕、上野の国立科学博物館「日本講堂」で「N響メンバーによる弦楽四重奏~オール・ベートーヴェン・プログラム」を聴きました プログラムはベートーヴェン①弦楽四重奏曲第4番ハ短調、②同・第3番ニ長調、③同・第7番ヘ長調”ラズモフスキー第1番”です。演奏は、第1ヴァイオリン=山口裕之、第2ヴァイオリン=宇根京子、ヴィオラ=飛澤浩人、チェロ=藤村俊介です

 

          

 

全自由席のため開場15分前にはすでに20メートル位の行列が出来ています それでも左ブロック6列目の右通路側席を確保しました 会場は約150席ほどありますが、ほとんど満席です

会場後方から拍手が聞こえてきます 演奏会のための会場ではなく舞台が狭いため、演奏者は会場後方から客席の左側を通って舞台に登壇します

左から第1ヴァイオリン・山口、第2ヴァイオリン・宇根,チェロ・藤村、ヴィオラ・飛澤という態勢をとります プログラムに載った演奏者のプロフィールを見ると、4人とも桐朋学園大学の出身者であることが判ります。オーケストラのメンバーが臨時に室内楽を演奏する時はこのような”学閥”があるのでしょうかねぇ?あるのでしょうね。ほかの室内楽コンサートでもしばしばこういうことがありますから。悪いとは思いませんが、狭いかな

 

          

 

1曲目の弦楽四重奏曲第4番は「ハ短調」の曲です。モーツアルトの短調の曲と同様、名曲です 第1楽章冒頭の喘ぐような曲想は情熱的でもあり悲劇的でもあります 出だしは、ちょっと大人しいかな、と思ったのですが、曲が進むにしたがって短調の魅力を発揮する情熱的な演奏になりました

2曲目の第3番は実質的に最初の弦楽四重奏曲です。出版の関係で第3番となりました。この曲で魅力なのは第2楽章「アンダンテ」です 4人の会話が素晴らしい

演奏が終わって、演奏者は客席の後方に引き上げて行くのですが、15分の休憩を宣告された聴衆がトイレに行く際、なんと4人の演奏者は廊下で楽器の手入れをしているのです つまり控室がないのです。これは非常に気の毒に思いました 昨年は同じ会場でヴァイオリンの会田莉凡さんが同じような境遇にありました

 

          

 

休憩後は第7番”ラズモフスキー第1番”です。第1楽章の冒頭、チェロが勇壮なテーマを奏でますが、この演奏が決まっていました その曲の演奏の良し悪しは半分以上が出だしで決まると思いますが、この時点で、これは素晴らしい演奏になるだろうという予感がありました この曲も第3楽章「アダージョ」が聴きどころです。ベートーヴェンは緩徐楽章が特に素晴らしいと思います 4人の演奏者のアンサンブルが見事でした。そして第4楽章のフィナーレで、予想どおり決めてくれました

演奏後、第1ヴァイオリンの山口氏が挨拶しました

「今日は、お忙しい中、多くのプログラムがある中でわれわれの演奏会を選んでいただき、ありがとうございました 私はN響を定年で辞めて2年になりますが、今回どうしても皆でベートーヴェンをやりたい、ということで取り組むことになりました アンコールに、最初に取り上げた思い出深い曲でありますヴォルフの『イタリアン・セレナーデ』を演奏します

「最初に取り上げた思い出深い曲」というのは、おそらく「この音楽祭に初めて出演した時に演奏した思い出の曲」という意味だと思います まさか、あの歌曲で有名なヴォルフがこのような軽妙洒脱な弦楽合奏曲を書いているとは思っても見ませんでした

4人は数回のカーテンコールの後、客席の後方に引き上げましたが、控室がないので廊下に立って、結婚式が終わって帰る参加者をお見送りする新郎新婦とその両親のような形になりました 私のすぐ前の高齢男性が山口氏に「今日は素晴らしい演奏をありがとうございました」とお礼を言っていましたが、私を含めて他の聴衆も同じ想いだったと思います。この日の演奏会は山口裕之氏と彼を慕う演奏家たちの人柄が表れた素晴らしいコンサートだったと言えるでしょう

 

          

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リヒテル「幻のカーネギーホール・ライブ1960」、チッコリー二「ワルツ集」などCD17枚を買う

2015年03月18日 07時01分10秒 | 日記

18日(水)。わが家に来てから161日目を迎え、ひと昔前のテレビ番組に思いを馳せるモコタロです 

 

          

         その昔 シャボン玉ホリデーっていう番組があったな

 

  閑話休題  

 

昨日、会社帰りに新宿のタワーレコードに行きCDを17枚買いました まず最初は「スヴァトスラフ・リヒテル生誕100年記念リリース」というシリーズで発売された6組11枚のCDです そのうち次の9枚はソニー・クラシカル・レーベルで「スヴァトスラフ・リヒテル 幻のカーネギーホール・ライブ1960」としてリリースされました。弟1夜から第5夜まで5組あります。リヒテルの本当の良さはライブにこそ収録されているので迷うことなく買いました

①1・2枚目は「弟1夜:10月19日 ベートーヴェン:熱情、葬送ソナタ」ほか

 

          

          

②3・4枚目は「第2夜:10月23日 プロコフィエフ:戦争ソナタ第6番、第8番」ほか

 

          

 

③5・6枚目は「第3夜:10月25日 ドビュッシー:ベルガマスク組曲、映像弟1集、喜びの島」ほか

 

          

 

④7・8枚目は「第4夜:10月28日 ベートーヴェン:ソナタ第7番、ラフマニノフ:前奏曲集」ほか

 

          

 

⑤9枚目は「第5夜:10月30日 シューマン:幻想曲、スクリャービン:ソナタ第5番」ほか

 

          

 

⑥10・11枚目はRCAレーベルで、「幻のモスクワ劇場ライブ1960」として発売された12月28日のライブ録音です ハイドン、ショパン、ラフマニノフ、プロコフィエフなどが収録されています

 

          

 

リヒテルついでに「The Art of  SVIATOSLAV RICHITER」として発売された次の4枚を買いました。最初の3枚はデッカ・レーベルで、いずれもライブ録音です

①リスト「超絶技巧練習曲集」ほか

 

          

 

②ソフィア・リサイタル(ムソルグスキー「展覧会の絵」ほか)

 

          

 

③ウィーンのリヒテル(プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第2番」ほか)

 

          

 

④シューマン「ピアノ協奏曲」ほか (この1枚はドイツ・グラモフォン・レーベル。スタジオ録音)

 

          

 

リヒテルのCDは以上の15枚。今リヒテルがマイ・ブームです 

ヒラリー・ハーンが新譜を出したというニュースを見たので、ついでに買いました モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第5番」とヴュータン「ヴァイオリン協奏曲第4番」のカップリングで、バックを務めるのは現在のクラシック界で飛ぶ鳥を落とす勢いのパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルです

 

          

 

また、待望のアルド・チッコリー二「ワルツ集」が山積みされていたので買いました。このCDをずーっと探し求めていたのです おそらく「チッコリー二のワルツ集はいつ入荷するのか?」という問い合わせが殺到したのでしょう ショパン、サティ、グリーグ、ブラームス、マスネ、シベリウス、フォーレなどのワルツが収められています

 

          

 

給料日前の金欠状態だというのに、そのうえ置き場所もないのに、17枚も一気に買ってしまい背中に冷や汗をかいてます しかし、買ったCDはどれもが真っ先に聴きたいCDばかりなので「どれから聴こうかな?」という幸せな悩みに浸っています

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは前日に続いて、シャーンドル・ヴェーグ率いるヴェーグ四重奏団によるベートーヴェン「弦楽四重奏曲第7番”ラズモフスキー第1番”」です 今夜N響メンバーの演奏で聴くのでその予習です

 

          

 

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柚月裕子著「検事の死命」を読む~決め台詞は「罪はまっとうに裁かなければならない」

2015年03月17日 07時01分04秒 | 日記

17日(火)。わが家に来てから160日目を迎え、難度の高い技に挑戦しようとしているモコタロです 

 

          

            さあ これから開脚屈伸月面宙返り2回ひねりに入るぞ!

 

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日夕刊第1面に、大型スピーカーと大量のレコードを誇るカフェバーの写真とともに「レコード再生」という大見出しが躍っていました リードを見ると「アナログレコードの人気が再燃している。中古レコードを扱う店や、レコードをかけるカフェに幅広い世代が集まる」とあります 要するに、デジタル世代の若者層がレコードに新鮮な魅力を感じて中古レコードが売れているという話です 残念ながら、話題になっているレコードとはクラシックではなく、いわゆるポピュラー音楽です

今でこそ生演奏至上主義でほとんどレコードを聴く機会がありませんが、70年代から80年代にかけてはLPレコードを良く聴いていました 買い集めたレコードは約2,000枚ですが、数年前にアンプと引き換えに500枚を放出したので現在は約1,500枚です そのほとんどはモーツアルト、ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、マーラーが占めています。いつか再び聴かれるのを待っています

 

   も一度、閑話休題  

 

柚月裕子著「検事の死命」(宝島社文庫)を読み終わりました 彼女の本は「最後の証人」、「検事の本懐」に次いで3冊目です 柚月裕子は1968年、岩手県生まれ、山形県在住です。とにかく「最後の証人」が素晴らしい作品で、すっかり彼女のファンになってしまいました

 

          

 

この「検事の死命」は検察官・佐方貞人を主人公にした「心を掬う」「業をおろす」「死命を賭ける」「死命を決する」の4つの短編から成るオムニバスです

「心を掬う」は、普通郵便に同封した現金が抜かれる事件を郵政監察官とともに追い、トイレの汚物も厭わず証拠物件を押さえて犯人を追い詰める物語です

「業をおろす」は、前書「検事の本懐」の中の「本懐を知る」の続編というべき物語です。獄死した父の13回忌の法要のため広島に帰郷した佐方が、父の幼なじみの住職から、父がなぜ汚名を被ったかの真相を知らされる話です

「死命を賭ける」と「死命を決する」は続きもので、列車内で痴漢を働いた資産家一族の中年男を裁判で追及していく佐方の物語です 裁判シーンでの相手弁護士とのやり取りは読みごたえがあります。佐方の決め台詞は「罪はまっとうに裁かなければならない」です

あと残るは「臨床真理」(上・下)です

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第3番、第4番」です 18日(水)にN響メンバーの演奏で聴くので、その予習です

演奏はヴェーグ四重奏団です。シャーンドル・ヴェーグは1912年5月17日にハンガリーで生まれ1997年1月6日に没したヴァイオリニスト・指揮者です 1940年に、それまで所属していたハンガリー四重奏団を脱退し、自らの名前を冠したヴェーグ四重奏団を結成し活動を開始しました 1979年にはモーツアルテウム・カメラ―タ・アカデミカの指揮者となり、モーツアルトのディヴェルティメントとセレナーデを録音し、フランス・ディスク大賞を受賞しています このコンビによるモーツアルトの演奏はレーザー・ディスクに収録されていて何度か観ましたが、ゆったりしたテンポで一音一音を慈しむように演奏していたのが印象に残っています

このCDの演奏は1973年の録音ですが、とても良い録音状態とは言えない中から、ひたむきな演奏が聴こえてきます

 

          

 

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クアルテット・エクセルシオでチャイコフスキー「弦楽六重奏曲”フィレンツェの想い出」ほかを聴く

2015年03月16日 07時01分11秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから159日目を迎え、自宅に居ながらスイカ爆弾を被弾したモコタロです 

 

          

          やめてくんないかなぁ スイカは 季節外れだし

 

  閑話休題   

 

一昨日、東京交響楽団のコンサートの時に配られた同オケの機関誌「Symphony 3月号」に「文化庁 平成26年度 戦略的芸術文化創造推進事業アンケート 集計結果」の一部が掲載されていました(26ページ) 対象は東京交響楽団の定期会員と12月の定期演奏会に来た聴衆と思われます。回答数は751通(男性67.4%、女性32.0%、無回答0.7%)となっています。この中で一番印象深いのは回答者の年齢層です。多い順に60代=32.1%、50代=24.8%、70代=20.2%、80代9.2%、40代=2%、30代=2%、90代=0.3%、20代0.1%(無回答1.1%)となっています。これを合計しても91.8%で100%になりませんね 私の計算によると多分40代は2.0%ではなく10.2%の誤りです。明らかな校正ミスです 3月31日(火)午後2時から文京シビック小ホールで報告会があるそうですから、その時は正しいデータが発表されるでしょう

 

          

 

いずれにしても、このデータによると50代以上の中高年層が86.6%と9割近くを占めているのに対し、20代が0.1%、30代が0.3%と若年層が極端に少ないことが判ります 各オーケストラは子供や若者層を取り込むために様々な取り組みを展開しているわけですが、私が一番疑問に思うのは、東京だけでもいくつも音楽大学があるのに、学生たちはオーケストラの定期会員になっていないのか、あるいはコンサートを聴きに行っていないのか、ということです。これは本当に不思議です 学生はお金がない、というのは分かります。だからこそ、オーケストラは学生料金を設定するなど若者を優遇しているのです 

かなり前のことですが、ピアニストの内田光子さんがピアニストを目指す若者に向けてメッセージを語ったのを映像で観たことがあります。彼女は語ります

「今の若い人たちは、自分の専門分野の勉強しかしない。例えばピアノ専攻の学生はピアノのコンサートにしか行かない。中でも自分の指導教授が出演する演奏会しか行こうとしない CDにしても自分が勉強している作曲家の特定の曲しか聴こうとしない。音楽を演奏する人は、ジャンルを問わずいろいろな音楽を聴くべきだし、音楽に限らず美術など他の芸術にも接するなど、いろいろなことに好奇心を持って幅広い知識を吸収し、豊かな人間性を育まなければいけないと思います

なかなか鋭い指摘です こういう感性の持ち主だからこそ、毎年サントリーホールで開かれる彼女のピアノ・リサイタルは即日完売になるのです。聴衆は”本物”を嗅ぎ分ける嗅覚を持っています

 

  も一つ、閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールでクアルテット・エクセルシオのコンサートを聴きました。プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第38番”冗談”」、②シューベルト「ピアノ五重奏曲”鱒”」、③チャイコフスキー「弦楽六重奏曲”フィレンツェの思い出”」です。②にはヴァイオリンの山田百子に代わりコントラバスの石川滋(読響首席)が、さらにピアノの小坂圭太が加わります。③にはエクセルシオの4人に加え、ヴィオラの柳瀬省太(読響首席)とチェロの遠藤真理が加わります

 

          

 

自席は1階8列22番、センターブロック右から2つ入った席です。会場はほぼ満席です 弦楽四重奏団でこのホールを埋め尽くすことのできるのはエクセルシオだけでしょう 確かな実力の裏付けがあるからこそ人気があり、動員力があるのだと思います

4人が登場します。女性陣3人はパープル・カラ―系のドレスで統一しています 濃いのが第1ヴァイオリンの西野ゆか、淡いのが第2ヴィオリンの山田百子、その中間がヴィオラの吉田有紀子です 黒一点のチェロの大友肇は言うまでもなく黒の上下です

1曲目のハイドン「弦楽四重奏曲第38番変ホ長調」は、ハイドンがエステルハージ公爵の宮廷で仕えていた1781年に、ロシアの大公のために書いた「ロシア四重奏曲集」(第37番~第42番)の2作目に当たる曲です この曲には「冗談」というニックネームが付いていますが、これは第4楽章フィナーレの、終わると思ったら終わらない、フェイント気味の曲想に由来しています

この曲を生演奏で聴くのは数年前に藝大の学生たちの演奏で聴いたのに次いで2回目です 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ」、第3楽章「ラルゴ・エ・ソステヌート」、第4楽章「プレスト」から成ります。ハイドンの曲は明るく軽快でウィットに富んでいる曲が多いのですが、この曲はその典型のような曲です 

第3楽章の吉田有紀子のヴィオラと大友肇のチェロによる二重奏は歌心に溢れた素晴らしい演奏でした 第4楽章のフィナーレはこの曲のニックネーム通り、終わるかと思わせて、また演奏し、また終わるかと思わせて、また演奏し、を繰り返して、もう一度繰り返すかと思うともう終わり、という、思わずニヤリと笑ってしまう仕掛けが楽しめました

グランド・ピアノがセンター後方に運ばれて2曲目のシューベルト「ピアノ五重奏曲イ長調”ます”」の演奏に備えます。5人のメンバーが登場します。左からヴァイオリンの西野ゆか、ヴィオラの吉田有紀子、コントラバスの石川滋、チェロの大友肇、センター後方にピアノの小坂圭太という態勢をとります

第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」がシューベルト特有のリズミカルな曲想で始まります。シューベルトの曲は歌心に満ちています 弦楽奏者はもちろんですが、小坂圭太のピアノが輝くような明るさで存在感を示しています 第4楽章がシューベルトの歌曲「鱒」のメロディーに基づく変奏曲です。中学生の時「みなさん、お昼の時間になりました」という校内放送のバックで流れていたのを思い出しませんか?この曲も第4楽章のフィナーレが、終わりそうで終わらないと言う点では、ハイドンの”冗談”クァルテットと同類です もっともシューベルトの曲はみんなそうですが

 

          

 

休憩後はチャイコフスキーの「弦楽六重奏曲ニ短調”フィレンツェの想い出”」です。このタイトルはチャイコフスキーがイタリアのフィレンツェに滞在した時作曲に着手したことによります 左から西野、山田、遠藤真理、大友、吉田、柳瀬省太という態勢をとります。遠藤は花模様のシックなドレスです

第1楽章「アレグロ・コン・スピリト」が激しく開始されます。実はこの曲を聴くのは初めてなのですが、「こういう曲だったのか」とちょっと驚きました エネルギッシュというか、短調の激しさというか、四重奏でなく六重奏を必要としたチャイコフスキーの意図が垣間見られるような気がしました

第2楽章「アダージョ・カンタービレ・エ・コン・モート」では、ピチカートに乗ってヴァイオリンの西野ゆかとチェロの遠藤真理が、しみじみと味わい深い独奏を聴かせてくれました 第3楽章「アレグレット・モデラート」と第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の主メロディーはフィレンツェと言うよりも、チャイコフスキーの故郷ロシアの民謡のような曲想でした 第4楽章フィナーレの6人の総奏は熱気あふれる演奏で、会場を興奮の坩堝に巻き込みました

聴き終ってあらためて、チャイコフスキーの「フィレンツェの想い出」という曲はこういう曲だったのか と感慨深いものがありました

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはリヒテルが弾くリストの「ピアノ協奏曲第1番」です 1961年7月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのライブ録音で、オケはキリル・コンドラシン指揮ロンドン交響楽団です。リヒテルのピアノが凄まじいのですが、それを支えるコンドラシン+ロンドン響の演奏が半端ではありません 他にリストの「ピアノ協奏曲第2番」、ショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」なども収録されていますが、こちらも名演です

「リヒテルの演奏はどういう感じですか?」と訊かれて、ある人が「それは生演奏を聴かなければ分からないだろうね」と答えたそうですが、その意味では、スタジオ録音よりもこのCDのようなライブ録音の方が、より本当のリヒテルを捉えていると言えるかも知れません

 

          

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ワーグナー「パルジファル」(抜粋)を聴く~ジョナサン・ノット+東響=第628回定期演奏会

2015年03月15日 09時11分47秒 | 日記

15日(日)。わが家に来てから158日目を迎え、久しぶりにおやつをもらえたモコタロです 

 

          

          おやつって言うけど、これ食べられないよね?

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第628回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベルク「抒情組曲」より「3つの小品」、②ワーグナー「舞台神聖祝祭劇”パルジファル”」(抜粋)です。指揮は常任指揮者ジョナサン・ノット、②のテノール独唱はクリスティアン・エルスナー、ソプラノ独唱はアレックス・ペンダです

 

          

 

今年度最後の定期公演としてジョナサン・ノットが選んだのはアルバン・ベルクとワーグナーでした 音楽監督としての意欲を感じます。ベルクの抒情組曲は1925年から26年にかけて6楽章形式の弦楽四重奏曲として作曲され、その後、1928年に第2~第4楽章を抜粋した「3つの小品」として弦楽合奏用に編曲されました。第1曲アンダンテ・アモローソ、第2曲アレグロ・ミステリオーソ、第3曲アダージョ・アパッショナートから成りますが、聴く限り、明らかにシェーンベルクの影響を感じさせます とくに第3曲を聴いているとき、なぜかシェーンベルクの「浄められた夜」が頭に浮かんできました

さて、その第3曲が静かに終ろうとしている時、突然前方センターブロック左通路側の高齢男性が立ち上がり、靴音を響かせながら通路を歩いて外に出ようとするのが見えました 年齢からして生理現象だろうと確信しましたが、止むに止まれぬ切羽詰った行為とは言え、靴音を立てずに歩くことは出来るはず これは演奏者に対して大変失礼な行為で、さらに音楽に集中している聴衆に対しても大迷惑な行為です 「トイレは開演前に行っトイレ」と聴衆の気持ちを”代弁して”注意を促しておきます

休憩後はワーグナーの舞台神聖祝典劇「パルジファル」です。昨年10月2日、新国立劇場で飯守泰次郎指揮東京フィルによる演奏、ハリー・クプファーの演出で観たので、その時のことを思い出しながら観ることにしました

 

          

 

パルジファルを歌うテノールのクリスティアン・エルスナーとクンドリを歌うソプラノのアレックス・ペンダがノットとともにステージに登場します ドイツ生まれのエルスナーは日本で言えば電車の座席を2人分占領する”関取”のような巨艦 一方のブルガリア生まれのペンダは小柄で、黄金のドレスを身にまとい、髪をおかっぱのようにして、まるでクレオパトラのような雰囲気を漂わせています

ノットのタクトにより第1幕への前奏曲が始まります。ワーグナーらしい息の長い旋律が10分ほど続きます この前奏曲を聴いているだけでも、果たしてこの音楽はいつまで続くのだろうか?と思うほど着地点が見えません ”無限旋律”とはよく言ったものです

「パルジファル」は3幕から成りますが、この日演奏されるのは前奏曲の後は第2幕の途中からと第3幕「聖金曜日の音楽」です エルスナーは恵まれた体格を生かして良く通るテノールを聴かせてくれました。まったくムリがありません 一方、ペンダは小柄な身体のどこにそのエネルギーが潜んでいるのかと思うほど迫力のあるソプラノを聴かせてくれました

ノットはワーグナーのような息の長い音楽を飽きさせずに聴かせるのが得意だと思います

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはスヴャトスラフ・リヒテルのピアノ独奏によるチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」です バックを務めるのはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン交響楽団。この演奏はLPレコードで何度も繰り返し聴いたものです。そこには強靭なリヒテルがいます

 

          

 

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東京・春・音楽祭2015オープニング・コンサート「春が来た!」を聴く~読響メンバーの演奏で

2015年03月14日 08時00分37秒 | 日記

14日(土)。わが家に来てから157日目を迎え、昨日に続いて今日もおやつをもらえず、思い余ってプラケースを食べるモコタロです 

 

          

            プラケースは 段ボールに負けずにまずい!  固いし・・・

          

  閑話休題  

 

昨日のブログに、鳩山元首相が日本政府の制止を無視してクリミアを訪問したことに関連して「『最低でも国外』で隠遁生活を送ってほしい」と書きましたが、鳩山氏は日本国内で「パスポートを返納させるべきだ」という意見が出ていることに関連して、「没収されればクリミアに移住する可能性もある」と語ったそうです 親から受け継いだ莫大な財産があるから「海外移住」なんて気軽に言えるのでしょう。日本国民の一人として大歓迎したいと思いますが、クリミアの人はそれでいいのでしょうか? 何しろ相手は宇宙人ですよ 今度は「ロシアをウクライナに併合しろ」とか言い出すのではないかと心配です この問題が近い将来「う、暗いな」とならなければ良いのですが

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭2015」のオープニング・コンサート「春が来た!~読響メンバーによる、春の訪れを祝うコンサート」を聴きました プログラムは①ヴィヴァルディ「ヴァイオリンのための協奏曲集”四季”」、②ヨハン・シュトラウスⅡ世「喜歌劇”こうもり”序曲」、③同「ピチカート・ポルカ」、④同「春の声」、⑤同「南国の薔薇」、⑥クライスラー「愛の悲しみ」、⑥同「ウィーン奇想曲」、⑦同「プニャー二の様式による前奏曲とアレグロ」です 演奏は小森谷巧をリーダーとする読売日本交響楽団のメンバー11人とチェンバロの廣澤麻美さんです

 

          

 

会場入り口でプログラムを受け取りましたが、その薄さにビックリしました 去年は200ページもある立派な総合プログラムが無料で配られていたのに、今回はA3サイズを半分に折っただけのあっけないほどの薄さです 

 

          

 

後で気が付いたのですが、昨年無料で配っていた200ページの総合プログラムは1冊500円で売っていました 昨年はこの音楽祭のコンサートに行くたびに分厚い総合プログラムをもらっていたので、主催者もずい分無駄なことをしているな、と思っていたのです むしろ今年の方が正常なのだと思います。という訳で1冊買い求めました

 

          

 

さて、会場内に入ってまたしてもビックリしました 何と半分しか埋まっていません。はっきり言ってこれには2つ原因があります。一つは、オープニング・コンサートにも関わらず、出演者がなかなか決まらなかったからです さらに言えば、昨年は前半に前橋汀子+都響メンバーによる「四季~春」ほか、後半がソプラノとメゾソプラノによる春に因んだ歌曲という内容で、一種の春らしい”華やかさ”があったのに対し、今年は一言で言えば読響の室内楽シリーズの延長線上のコンサートといった様相で、オープニングらしい華やかさが感じられないのです せめて服装だけでも春らしいものにするとか、考えた方が良かったのではないかと思います

さらに、なぜ読響に白羽の矢が立ったのかと言えば、私の考えではオーケストラの年間公演回数です 3月11日のtoraブログでご紹介した日本オーケスオラ連盟による在京オーケストラの年間公演回数を見ると、東フィルが331回、東響が156回、都響が145回であるのに比べ、公共放送NHKが背景にあるN響が112回、世界一の発行部数を誇る読売新聞が背景にある読響が102回と公演回数が少ないのです。要は経営基盤が安定しているオーケストラは公演回数が少なくてもやっていけるのです。音楽祭実行委員会としてはスケジュールの緩やかな読響やN響に声をかけるのは自然のことです 因みにN響は14日の「N響メンバーによる室内楽」、18日の「N響メンバーによる弦楽四重奏」に出演します

空席が目立つもう一つの原因は、入場料金が割高だということです 何でしょうか、S席6,200円、A席4,600円という高さは 外来オケの室内楽ではないのですよ これでは普通の人は聴きに来ないでしょう。私だって、通常であればS席を買いますが、今回はあまりの高さにA席を買いましたから

自席はM列11番、前の島の左ブロック右通路側です。拍手の中、読響のメンバーが登場します 最初のヴィヴァルディ「四季」はコンマスの小森谷巧がステージ中央に立ってヴァイオリンを弾きながら10人の弦楽メンバーとチェンバロを統率します 面白いと思ったのは、チェンバロの蓋が鏡になっていて、客席から演奏家の指使いが見えるようになっているのです わざわざこういう楽器を作ったのでしょうか?オリジナル楽器製作者の鏡ですね

出だしは好調です。流石は読響のコンマスです。小森谷のソロは安定感があります 「春」と「夏」をリードして演奏が終わると一旦引き揚げます。どうやら「秋」と「冬」は昨年アシスタント・コンサートマスターに就任したばかりの伝田正秀が務めるようです。小森谷がコンマス席に着き、伝田がステージ中央にスタンバイします 伝田のリードで「秋」が始まったとき、それまでの流れとまったく違う違和感を感じました どうもヴィヴラートをかけすぎている様子です。往年のカンポーリを目指しているのでしょうか 過剰は嫌味に変わります。しかも途中、音程が狂っていませんでしたか?? 残念ながらそれは「冬」でも変わりませんでした 私はこれまで何度となくヴィヴァルディの「四季」を生で聴いてきましたが、これほど残念な「四季」は聴いたことがありません コンマスとアシスタント・コンマスの違いを見せつけられた思いです

休憩後の第2部は「ウィーンの春」です。最初の曲はヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇「こうもり」序曲です 小森谷が箸より短いタクトを持ってセンターで指揮をとります これでオケのメンバーが思い通りに演奏しなかったら「箸にも棒にもかからない」演奏になりますが、幸い曲の内容に即した楽しい演奏でした 次の「ピチカート・ポルカ」では、小森谷はメンバーに背を向けてピチカートをリードします。これは揃っていました

次はクライスラーが3曲続きますが、伝田がセンターに立ってリードします。「ウィーン奇想曲」、「愛の悲しみ」「プニャー二の様式による前奏曲とアレグロ」を演奏しましたが、伝田のヴィヴラートはここでは生きていました 特に最後の曲は聴かせどころたっぷりの好演でした 名誉挽回ですね

プログラムの最後にヨハン・シュトラウスの「南国のばら」と「春の声」を指揮者なしで演奏し、拍手喝さいを浴びました この演奏は良かったと思います

アンコールには定番の「美しき青きドナウ」がダイジェストで演奏されました

今回の「オープニング・コンサート」は、はっきり言って準備不足です 料金設定も間違えています ただ、今回の音楽祭全体について言えば、その公演だけの簡単なプログラムを配布した上で、総合プログラムを有料化したことは無駄を排する意味で良かったと思います

 

          

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キップス「ある小さなスズメの記録」,柚月裕子著「臨床真理(上・下)」,中山七里「連続殺人鬼カエル男」

2015年03月13日 07時01分05秒 | 日記

13日(金)。わが家に来てから156日目を迎え、おやつをもらえず段ボールを食べるモコタロです 

 

          

          だってお腹すいたんだも~ん それにしても段ボールまずいなぁ

 

  閑話休題  

 

鳩山元首相がウクライナ南部のクリミアを訪問し、ロシアのクリミア編入を肯定したとも取れる発言をしたことが、大きな話題を呼んでいます 日本政府はウクライナの住民投票について「ウクライナの憲法に違反し、法的効力はない」という立場を取っており、菅官房長官は11日の記者会見で「政府の立場に著しく反する。首相まで経験した政治家としてあまりにも軽率であり極めて遺憾だ」とコメントしています。鳩山氏の出身母体である民主党も同氏の軽率な行動を批判しています この人は、民主党政権だった時、沖縄の米軍基地移転問題で「最低でも県外」と出来もしないことを公言し、世間から大スカンを食らった経験があります それにもめげず、またしても目立ちたがり屋気質が頭をもたげ、大失言をやらかしたのです こういうのを世間では「ハト迷惑」と言います 首相経験者といいますが、鳩山氏ほど「ピジョン」がない人も珍しいと思います 莫大な相続財産があるから好き勝手なことができるのでしょう。ピケティ氏の論を借りれば、この人には98%くらいの相続税をかけて財産を没収し、勝手なことが出来ないようにした方が国益になると思います 本音を言えば「最低でも国外」で隠遁生活を送ってほしいと思いますけどね

 

  も一度、閑話休題  

 

本を4冊買いました 1冊目はクレア・キップス著「小さなスズメの記録」(文春文庫)です 朝日か日経の書評で読んだような気がします。第2次世界大戦下のイギリスでのキップス夫人と小雀クラレンスの物語です

 

          

 

2冊目と3冊目は柚月裕子著「臨床真理」(上・下巻)です toraブログでも「最後の証人」「検事の本懐」をご紹介しましたが、どれもが途中で止められない魅力に満ちた本でした その原点とも言うべき作品がこの「臨床真理」です。やっと手に入れました。読むのが楽しみです

 

          

 

          

 

4冊目は中山七里著「連続殺人鬼カエル男」(宝島社文庫)です 中山七里の本もこのブログで何冊もご紹介してきました。彼の作品にハズレはありません

 

          

 

それにしても、本屋さんの文庫本コーナーに行って「これ読みたいな」と思うと、その数分後にはレジに並んでいます 「後でいいや」とは思いません。とにかく本が好きです

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは「リヒテル/チャイコフスキーの詩情」です 1915年ウクライナ生まれの20世紀最大のピアニスト、スビャトスラフ・リヒテルが3月20日に生誕100年を迎えるのを機に、「東京・春・音楽祭」でも「リヒテルに捧ぐ」という企画が計画されています。21日には、リヒテルが気に入って何度も手掛けたプーランクの室内楽「オーバード」が上演されます これは、珍しい「バレエ付きのピアノ協奏曲」です。私も聴きに行きます

一昨日、東京・春・音楽祭実行委員会からメルマガが届きました 「21日の『オーバード』に出演予定のアルチュール・アンセル(ピアノ)が怪我のため出演できなくなったため、曲目を変更する」という内容でした。当初①モーツアルト「ディヴェルティメントK.136」、②同「ピアノ協奏曲第17番K.453」、③同「2台のピアノのための協奏曲K.365」、④プーランク「ピアノと18の楽器のための舞踏協奏曲”オーバード”」だったのが、③がモーツアルト「交響曲第31番K.297”パリ”」に変更になったということです 一人で2台のピアノは弾けませんから仕方ないですね でも「パリ交響曲」は好きなので歓迎します

リヒテルの誕生日を前にして、彼のピアノが聴きたくなりCD棚から取り出したのが、この「リヒテル/チャイコフスキーの詩情」です 1983年にミュンヘンで録音された演奏です 1曲目の「ノクターン」はまさに詩情です。3曲目の「ユーモレスク」は楽しい曲で、しかめつらのリヒテルしか知らない私にとって新鮮な感じがしました

 

          

 

          

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柚月裕子著「検事の本懐」を読む~3.11東北地方大震災の悲劇を乗り越えて書かれた傑作

2015年03月12日 07時01分33秒 | 日記

12日(木)わが家に来てから155日目を迎え、人権について一般大衆に演説するモコタロです 

 

          

           皆さん 今日はお忙しいところお集りいただき ありがとね!

 

          

           今日は 兎にも人権はあるのかというテーマで お話します

 

          

           よ~く考えてみると 兎は人間じゃないから 人権はないよね

 

          

          以上で私の話を終わります 脱兎のごとく去りたい気分です・・・     

 

  閑話休題  

 

昨日、会社帰りに神保町の三省堂内にある「チケットぴあ」に寄ってMETライブビューイングの前売り券を買いました 新宿ピカデリーや東劇で買った時と同じ3枚綴り券(下の写真。1セット9,300円)を求めたのですが、出された券はまったく違うものでした

 

          

 

それが下の写真のチケットです。これじゃ、他のコンサートのチケットと同じで、味もそっけもない券じゃあ~りませんか まあ、料金的には1枚当たり3,600円のところ3,100円、3枚で9,300円ですから3枚綴り券と同じなので文句はありませんが・・・・

 

                    

 

今期のライブビューイングは下の通りあと3回残すのみ。すべて観るなら3枚綴り券がお得です

①チャイコフスキー「イオランタ」、バルトーク「青ひげ公の城」(2本立て) 3月28日~4月3日

②ロッシーニ「湖上の美人」 4月11日~17日

③マスカー二「カヴァレリア・ルスティカーナ」、レオンカヴァッロ「道化師」(2本立て)  5月23日~29日

 

          

 

  閑話休題  

 

柚月裕子著「検事の本懐」(宝島社文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年、岩手県生まれ。第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、『臨床真理』で2009年に作家デビューしました 私はさきに「最後の証人」を読んで凄いと思ったので、柚月裕子という人の作品を片っ端から読んでやろうと思ったのです 大型書店で『臨床真理』を探してみたのですが、どこにも無かったので、取りあえずこの『検事の本懐』を買い求めました

 

          

 

この作品は、『最後の証人』に出てきたヤメ検弁護士・佐方貞人の検事時代を描いたオムニバスで、5つの短編から成っています 「樹を見る」は連続放火事件の捜査の予想外の成り行きを捉えた話 「罪を押す」は累犯者が起こした単純な窃盗事件の裏を探る物語 「恩を返す」は高校時代の同級生のために悪徳警察官と佐方が対峙する話 「挙を握る」は東京地検特捜部を舞台に正義と信義を追求する物語 「本懐を知る」は横領弁護士の汚名をきたまま亡くなった佐方の父に迫る話です

筆者は2011年3月11日の東北地方大震災で宮古の両親を亡くされたそうです。大震災がなければもっと早く作品を完成させることが出来たはずだったとのこと。彼女はBOOkトピックスの第15号で次のように書いています

「作品を書きながら頭の中でずっと繰り返していたことは『ここで書くことをやめたら、父に顔向けできない』ということだけでした。作家、柚月裕子を一番心配し、一番応援してくれていたのは父だったと思います。私がここで泣き崩れて筆を置いてしまったら、一番悲しむのは父だろうと思いました」

どんなにつらかったことでしょう。それを乗り越えて完成させた「検事の本懐」は、本当に面白く、読み応えのある作品です。第25回山本周五郎賞ノミネート作品と聞いて、納得です

 

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