by 榎本 博明 (著)
自分の内面に目が向かう青年期。誰とも違う個別性の意識とともに、痛切な「さみしさ」が生まれてくる。この感情の様相をとらえつつ、自立という問題を考察する。
言葉というのは、切り離された心と心の橋渡しをする機能をもつ。
相手を知りたいと思えば、その言葉を引き出すことが大切。
相手の心を開くには、まず自らが思い切って本音を語ってみる。
この「自己開示する勇気」から、互いのつながりが深まっていく。
絆は、受け身で期待しているだけでは築くことができない。
能動的な心の構えが必要。
内容(「BOOK」データベースより)
自分の内面に目が向かうようになる青年期。誰とも違う個別性の自覚とともに、痛切な「さみしさ」が生まれてくる。わかり合える友だちを求めながらも、心の中をのぞかれることへの抵抗感や比較意識からくる不安も強い。自立へと歩み出すために、さみしさの意味を見つめなおす。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
榎本/博明
1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
インターネットの発達やSNSの普及により、私たちは今まで以上に手軽に人と繋がれるようになった。
それに伴い、寂しさを紛らわすことや暇な時間を無くすことが容易になったと思う。
しかし、本書では「寂しさ」を紛らわすことが本当に良いことなのかを問うている。
本書ではSNSの普及が、他者と繋がっていない状況(疎外感、孤独感)を過度に恐れる風潮に拍車をかけていると警鐘を鳴らしている。
また、SNSのみならず空き時間があればスマートフォンをいじる原因として、
自意識が活性化する隙を与えないようにするためと述べている。
本書には、思春期になるにつれて親子関係や友人関係、自己との向き合い方に変化が現れる理由も記載されていた。
個人的には特に、友人と内省的な話ができる間柄になりたいが、恥ずかしさのあまり結局笑い話や冗談を言い合ってしまうという状況に共感できた。
自分がどれだけの人と繋がっているか、がある種のステータスと化した現代において、「孤独」でいることは辛いことかもしれない。
しかし、人は個別の存在であり、自分の人生は自分だけのものなのであることを本書は再認識させてくれる。
私たちに必要なのは「寂しさ」や「孤独」から目をそらし逃避することではない。
それらを恐れず受け入れることが大切であり、その先に自己開示する勇気や本当の親密な関係性を得られるのではないだろうか。
本書は、「寂しさ」や「孤独」という言葉に良い印象を抱いていない人にこそ読んで欲しい作品だ。
読了後、「寂しさ」・「孤独」・「自立」が持つ言葉の意味を再定義するようになるであろう。
それに伴い、寂しさを紛らわすことや暇な時間を無くすことが容易になったと思う。
しかし、本書では「寂しさ」を紛らわすことが本当に良いことなのかを問うている。
本書ではSNSの普及が、他者と繋がっていない状況(疎外感、孤独感)を過度に恐れる風潮に拍車をかけていると警鐘を鳴らしている。
また、SNSのみならず空き時間があればスマートフォンをいじる原因として、
自意識が活性化する隙を与えないようにするためと述べている。
本書には、思春期になるにつれて親子関係や友人関係、自己との向き合い方に変化が現れる理由も記載されていた。
個人的には特に、友人と内省的な話ができる間柄になりたいが、恥ずかしさのあまり結局笑い話や冗談を言い合ってしまうという状況に共感できた。
自分がどれだけの人と繋がっているか、がある種のステータスと化した現代において、「孤独」でいることは辛いことかもしれない。
しかし、人は個別の存在であり、自分の人生は自分だけのものなのであることを本書は再認識させてくれる。
私たちに必要なのは「寂しさ」や「孤独」から目をそらし逃避することではない。
それらを恐れず受け入れることが大切であり、その先に自己開示する勇気や本当の親密な関係性を得られるのではないだろうか。
本書は、「寂しさ」や「孤独」という言葉に良い印象を抱いていない人にこそ読んで欲しい作品だ。
読了後、「寂しさ」・「孤独」・「自立」が持つ言葉の意味を再定義するようになるであろう。
僕は19歳男ですが読んでいて余りにも共感・同意できる部分がたくさんあって驚きました笑
また、自分の抱えていた不安・悩みはこんなにも普遍的なものだったのかと気付かされ、何か大きなものに包まれるような感覚になりました。
本書の良い点は、心理学・自己啓発本にありがちなこういった分野の大家(ユングだとかフロイトだとか)の言葉ばかりの引用で抽象的・専門的になり過ぎていないところです。
本書では、文芸作品(詩やエッセイ)からの引用やある学生本人の生の声を元に筆者独自の考察を展開していくことで、より共感しやすく読み易い内容になってると思います。(勿論学術的な考察もあります)
僕自身、内面を出せるような友達が居ないことに悩んでいてどうにかしたいと思い、ネットで解決策を探そうとしましたがやはりネット上には薄っぺらい内容の記事しかありませんでした。そこで本屋で良さげなのがないか探していたところ本書を運良く見つけられました。やはり新書なので読みやすいですし値段も手頃ですが、中身そのものは本質的で重要なことがぎっしり詰まっています。
こういった心理学系の本は読んでいると、こんな本を生真面目に読んでいる自分がなんだか恥ずかしく感じることもあります。ただ、「上部だけの友達しか居なくてなんだかさみしい」「なんで私には友達が居ないんだろう?」といった悩みを抱える人には本書を読むと少しは心が楽になったり、何かヒントが貰えるかもしれないのでぜひお勧めしたいです。
長々と書きましたが本書の魅力が少しでも伝わったら幸いです。読んでいただきありがとうございました。
また、自分の抱えていた不安・悩みはこんなにも普遍的なものだったのかと気付かされ、何か大きなものに包まれるような感覚になりました。
本書の良い点は、心理学・自己啓発本にありがちなこういった分野の大家(ユングだとかフロイトだとか)の言葉ばかりの引用で抽象的・専門的になり過ぎていないところです。
本書では、文芸作品(詩やエッセイ)からの引用やある学生本人の生の声を元に筆者独自の考察を展開していくことで、より共感しやすく読み易い内容になってると思います。(勿論学術的な考察もあります)
僕自身、内面を出せるような友達が居ないことに悩んでいてどうにかしたいと思い、ネットで解決策を探そうとしましたがやはりネット上には薄っぺらい内容の記事しかありませんでした。そこで本屋で良さげなのがないか探していたところ本書を運良く見つけられました。やはり新書なので読みやすいですし値段も手頃ですが、中身そのものは本質的で重要なことがぎっしり詰まっています。
こういった心理学系の本は読んでいると、こんな本を生真面目に読んでいる自分がなんだか恥ずかしく感じることもあります。ただ、「上部だけの友達しか居なくてなんだかさみしい」「なんで私には友達が居ないんだろう?」といった悩みを抱える人には本書を読むと少しは心が楽になったり、何かヒントが貰えるかもしれないのでぜひお勧めしたいです。
長々と書きましたが本書の魅力が少しでも伝わったら幸いです。読んでいただきありがとうございました。
一人でいられないという若者に警鐘を鳴らしている。孤独を乗り越えたとこにこそ、自分と向き合い、また他者とのつながりをつくれると説く。これは、時代を問わず誰も直面する課題だろう。しかし、学校社会を見ていると、過度の友達依存はむしろ少なくなっているのではないかと感じる。これはネット社会の発達で学校で出会うリアルの友達に依存しなくても良くなっているというからかもしれない。趣味の合うものだけと付き合い、嫌なら出ていけるというドライな関係確かに希薄で脆い関係だが、救いになる面もある。
日常の殆どはさみしさを埋めるためだけの表面的な会話しかしていないのではないか。相手の価値観を聞いたり、ある物事について深く考えたりする対話をしなければならない。それが自立、個として独立するための手段であると考える。 言葉にしなくても他人に理解してもらえると思っている甘えがある。先ずは自分のさみしさを受け入れ、自分について考える自分との対話から始めなければならない。
誰しもが同じように悩み、それでいて誰もが違うなにかに悩む。繋がりと繋がりすぎることの難しさ。日々考えさせられることでありますね。
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