共に戦った10年間「たくさん助けてもらった」
9/30(月) スポニチアネックス
◇セ・リーグ 阪神6―3中日(2019年9月29日 甲子園)
普段クールな男が満面の笑みでベンチから出てきた。マウンドから戻って来るメッセンジャーに「カモーン!」とばかりに声をかけ、花束を片手にひしと抱き合った。同じ38歳。ともに今季で退団する鳥谷にとっても、特別な試合だった。
「一緒に戦って来ましたし、最後まで投げ抜く、そういう気持ちを持った投手だった。たくさん助けてもらったんで残念ですけど」
この10年間、投手の大黒柱がメッセンジャーなら、野手の看板は鳥谷だった。右腕の日本でのキャリアは全て間近で見てきた。花束を手渡し、もう一度抱き合った時には感無量の表情を浮かべた。
6回1死満塁では代打で二ゴロ。引退登板に花を添える快音は響かなかった。そして、30日にレギュラーシーズン最終戦を迎える。選手も関係者もファンも、その一挙手一投足に熱い視線を送る“鳥谷デー”と言っていい。
勝てばCSでも出番がある一方、日本シリーズへ進出しない限り本拠地・甲子園でのタテジマ姿は見納めだ。「あと1試合なんで、とにかく頑張ります」。いつも通り与えられた場所で全力を尽くすべく最善の準備で臨む。喜びも苦しみも数え切れないぐらい味わってきた16年間。猛虎での思い出を少しでも増やしたい。 (山添 晴治)
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