「大我」の生き方

2024年03月31日 10時43分05秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼自分が、どんなにたくさんの人やものに、支えられて生きているか―ありがたいと思う、その感激が、さらに幸せを呼ぶ。

▼わたしたちの依存の時代、他国の学問に対するわたしたちの長い徒弟時代は、いま終わろうとしています―思想家エマソン

エマソンはハーバード大学の講演で、真に「考える人間」になるために、「自然」「書物」「行動」もよる訓練の必要性を訴え、「自己信頼」の重要性を論じた。

この講演は「アメリカの知的独立宣言」とも称され、同国の知識人をはじめ、多くの人の心を捉えて離さなかった。

今日、ソローの「市民の反抗」、ホイットマンの「民主主義の展望」と共に、アメリカ民主主義を解明する古典と位置づけられている。

▼「ベルリンの壁」が崩壊し、米ソ首脳が冷戦終結を宣言した。

世界が新たな道を模索する中で、注目を集めたのが、軍事力や富といった「ハード・パワー」とは対極にある「ソフト・パワー」だった。

▼「ソフト・パワー」への移行には、自己規律、自己制御の心に象徴される<内発的精神>が不可欠である

ソフト・パワーを支える自己規律の哲学は「友情、信頼、愛情など、かけがえのない人間の絆を瑞々しく蘇生」させることだ。

▼<内発なえうもの>こそが、変化の時代を開くキーワードである。

▼エマソンはハーバード大学での講演(1837年)で、伝統と権威を重んずる学問に対する警鐘を趣旨と市はmおのであった。

真の学問・知識とは、人間一人一人の内面から、そして実生活の体験からほとばしるものではなくてはならない―とエマソンは強調した。

1993年、学術者らの間で<異なる文明の衝突が冷戦後の対立軸になる>との論争が起こっていた。

▼「死は排除するのではなく、死を凝視し、正しくい位置付けていく生命観、生死観、文明観の確立こそ、21世紀の最大の課題である」

死は、「次なる生への充電期間」であり、それは「生も歓喜、死も歓喜」との大乗仏教の生死観である。

大乗仏教が21世紀の文明に貢献しうる点は1)平和創出の源泉2)人間復権の基軸3)万物共生の大地となる。

▼小さな自分(小我)ではなく、一切衆生の苦を自らの苦とする「大我」の生き方である。

その「大我」とは、「常に現実社会の人間群に向かって行動する」生き方である。

「大我」が脈動する中に、「生も歓喜、死も歓喜」の生死観が確立されていくのである。

この生死観は、宗教の言葉を多く使うことなく、普遍的な市民の宗教の意義、人間のための宗教の意義を示すものであった。

「大我」の生き方こそ、人類共生の未来を開く根本的方途である。

▼未来は、ひとりでに、やってくるものではい。人間自身は切り開くものだ。

21世紀は、新たなヒュマニズムが実現された時代として、人類の歴史に深く刻まれることになるだろう。


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