冬の大垣競輪場は、北風が吹くとバックが強烈な向かい風になる。強風では小松島や別府などが有名だが、ここの風もまぁまぁエグい。春から秋にかけては11秒前半で駆ける選手でも、北風が吹くと12秒台の時もある。天候チェックは必須だ。

先日の小倉G1競輪祭は脇本雄太の優勝で幕を閉じた。松浦悠士もグランプリ出場の可能性はあったが、かなわなかった。しかし、来年の発奮材料になっただろう。彼は戦法が定まっているので、やることは明確だ。


地元戦で奮起を期す山口拳矢
地元戦で奮起を期す山口拳矢

逆に、今回地元の山口拳矢は戦法から見つめ直さなければいけない。

昨年の平塚G1ダービーは単騎の有利さを生かして制した。しかし、航続距離を悟られると単騎でも容易に前に入れなくなった。ヨコに自信がある選手ならさらに入れない。それを打破しようとヨコに力を入れるものの、腹がくくれないレースが多い。先行で突き抜けている選手がいれば番手も狙うが、中団争いになると足をためたい気持ちとのせめぎ合いで中途半端になる。

S班で結果が欲しい気持ちは分かるが、足を使ってもその位置を取ることが大切だ。

拳矢は、自分でレースを作る時期を勝ちに徹してここまで来た。年齢が近い他の選手の1周先を模索している。勝ちがファンに応えることにつながるのに、勝ち方も求められるのが競輪の難しいところ。

選手は誰もが一長一短あって、同じ脚質はあり得ない。これが整理されると、さらに上のステージで活躍できる。勝ちたい大垣だが、内容も求めたい。(日刊スポーツ評論家)

※ヤマコウ予想(特選12R)は、次男の山口拳矢が出走しているため、ありません。