「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

INDIAN SUMMER 小春日和 Long Good-bye 2023・02・19

2023-02-19 05:15:00 | Weblog



  今日の「 お気に入り 」は 、伊集院静( 1950年〈 昭和25年 〉2月9日 -  )さん
  の随筆から スクラップ 。備忘のため 。

  「 中学生の頃か 、国語の授業で 、この日本独特の
   気候の表現を習った 。
    教師が私を名指しして訊いた 。
   『 小春日和とは 、いつ頃の日和のことだ? 』
    教師は生徒にさまざまなことを教えるとき 、その
   答えがわかっていても 、敢えて質問というカタチ
   でそれを訊く 。教え方のひとつとしてはごく自然
   なやり方である 。 」

  「 ひとつの国の言葉を学ぼうとすれば 、その話し方 、
   言葉の意味 、音韻をマスターすることも大切なこと
   のひとつだが 、その言語を生んだ国家 、民族の生
   き方を理解することは 、何より大切なことだと思っ
   ている 。 」

  「 教師に 、それはいつ頃の日和か 、と尋ねられた
   私は 、小春ですから 、春の初めっくらいですかね 、
   と答えた 。
   『 それが実は違うんだ 。中秋から冬の初めに少し
    寒い日が続いた後 、その日から急に陽気がよく
    なった日々の天候を 、小春日和と呼ぶんだ 』
   『 どうしてですか? 』と青二才が訊くと 、
   『 日本人は冬にむかう季節 、春が待ちどおしい
    からかもしれないね 』
    私は 、この折の教師の話を忘れない 。と言う
    のは 、彼は続けてこう言った 。
   『 北米 、アメリカでは同じような時期のこのよ
    うな気候を " インディアン・サマー " つまり
    インディアンの夏 。ロシア 、北欧などでは
    " 貴婦人の夏 " " 老婦人の夏 " と呼ぶらしい 。
    日本人は春を想い 、欧米人は夏を懐しむって
    訳だ 。面白いだろう 。世界は広いね 』 」

   ( 今どきの 学校 に 、上から目線でない 、
     こんな語り口の先生は いらっしゃらないのではなかろうか ・・・
      昔だって 稀有な存在 だったんだ 、と思う 。)

     ( 早朝の AM ラジオ 、オールナイトニッポン 生放送で 、
      ツルコウ 、カッキー 聞きながら 、FB をかいている 、
      わかるかな~ 、わかんねーだろうな~ 。)




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする