「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

ねじを巻く Long Good-bye 2024・09・04

2024-09-04 06:21:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」は 、村上春樹さん ( 1949 -   )

 の随筆「 村上朝日堂  はいほー! 」( 新潮文庫 )

 の中から抜き書き 。備忘のため 。

  引用はじめ 。

 「  ねじを巻くというのは 、面倒だけれどそれなり
  に手ごたえのある行為である 。くりっくりっくり
  っとねじをまわしていくと 、最初は開きっぱなし
  になっていたものがだんだん固まり 、きちっとし
  た形をとりはじめ 、そしてやがてキュッと最終的
  に収束する 。それはささやかな取引きの儀式であ
  った 。私はねじを巻く・君は動け 、というわけ
  だ 。そして我々がねじを巻きさえすれば 、時計
  は少なくとも丸一日はきちんと動いた。」

  引用おわり 。

  この文章が入っている小文のタイトルは「 ささや

 かな時計の死 」。

   

  ほんの50年も前の日本の家庭には 、ねじ巻き式の掛

 け時計や柱時計や置時計が必ずあったりしたものである 。

 いつの頃からか 、電池式にすっかりとって代わられた 。

 ( ´_ゝ`) 

  ご高齢の方が多く暮らす施設 、つまり宿泊型有料老人

 ホームでのことだが 、入居者の90歳代のお爺さんが 、

 左手首に腕時計を着けておられるのに気が付いた 。

  それがきっかけで 、他のご高齢の入居者諸氏諸嬢の手

 許をちらちら見てみると 、今年百歳を迎えられた男性

 も 、現役時代の名残りか 、金属製バンドの付いた腕時

 計を巻いていらっしゃる 。

  お二人とも 、時間感覚を保つ為と 、腕時計着用の日常

 習慣を維持する為に着けておられるんだろうか 。

   着けてらっしゃる腕時計は 、ねじを巻く手間のない 、

 自動きか 、電池時計 、クオーツ時計 なんだろうか 。

 ( ´_ゝ`)

  七十代後半の筆者の場合 、十年来 、腕時計を身に着け

 るのを止めてしまって 、手許すっきり 、せいせいして

 いるし 、時刻を知るには スマホ で足りているから 、

 今更 腕時計を着用する気にはならないが 、電波の届か

 ないところや 、災害時や停電の際には 、現在時刻を知

 るために 、携帯ラジオや腕時計が必要になるかな 、意

 外なところに落とし穴があるかもな 、と思った次第 。

 😊 (⌒∇⌒) (^▽^)/ ( ´_ゝ`) 😊

 

 

      ( 宿泊型有料老人ホームの住民 )

 

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