今日の「 お気に入り 」は 、 村上春樹さん ( 1949 - )
の随筆「 村上朝日堂 はいほー! 」( 新潮文庫 )
の中から抜き書き 。備忘のため 。
引用はじめ 。
「 死者を讃えることは心地好い 。それが若く
して死んだ死者だとすればなおさらである 。
死者は裏切らず 、反撃もしない 。歳もとら
ず 、髪も薄くならず 、腹も出ない 。彼ら
はただ静かに完全に死んでいるだけである 。
もし仮にあなたが彼らの死について飽きて忘
れてしまったとしても 、べつに問題はない 。
ただそのまま忘れてしまえばいいのだ 。それ
で終わり 。忘れられたからといって 、彼ら
はあなたの家の戸口にやってきてドアをノッ
クしたりはしない 。彼らは暗黒の中でじっと
しているだけだ 。そう 、死者を讃えるのは
あまりにもたやすいのだ 。」
引用おわり 。
この文章が出てくる小文のタイトルは「 ジム・
モリソンのための『 ソウル・キッチン 』」。
生年がほとんど変わらない 、同じ団塊世代で
あっても 、十代後半から ロック・ミュージック
に親しみ 、ジム・モリソンの音楽に心を揺さぶ
られ続けている村上春樹さんと 、ロック・ミュ
ージックやラジオの深夜放送の洗礼を受けない
まま 、十代から八十歳に近い今日まで 、生きて
きた筆者のような人間とでは 、ロック・ミュー
ジックに留まらず 、音楽 その他 、人生の色ん
な面で 、ものの見方 、感じ方 、大仰に言えば 、
人生の道筋が 、随分と異なったものになって
いたのではないか 、という気がします 。
そのこと自体は 、残念なことのような 、いや
そうでもないような 、不思議な感じがします 。
筆者にとって 、ジム・モリソンさん 、初めて
聞くお名前です 。
どんな爺い 、婆あにも 、若い頃からの 、重
苦しい 、鬱屈した 、誰にも語れない 思いは
あるのかと思います 。
この歳になって 、ニッポン放送の深夜番組 、
早朝番組を時おり聴いている年寄りの独り言 ・・・ 。
( ´_ゝ`)
( ついでながらの
筆者註:「 “ジム” ジェームズ・ダグラス・モリソン
(James Douglas "Jim" Morrison 、1943年
12月8日 - 1971年7月3日)は 、アメリカの
ロック・ミュージシャン 、詩人 。ロック
バンド 、ドアーズ のボーカリスト 、ソン
グライターとして知られる 。また 、バンド
活動とは別に数冊の詩集を発表している 。
米ローリング・ストーン誌の選ぶ『 史上最
も偉大なシンガー100人 』において第47位 。
英Q誌の選ぶ『 史上最も偉大なシンガー100
人 』において第40位 。
27クラブの会員であり 、この概念を決定づ
けた人物である 。」
以上ウィキ情報 。
村上春樹さんは 、ジム・モリソンさんの音楽に
ついて 、随筆の中で次のように書いておられます 。
「 ジム・モリソンの音楽は今にいたるまで僕の
心を揺り動かしつづけている 。彼の残したレ
コードのうちの最良の二 、三枚は 、それ以
降に出たどのロック・ミュージックのどのレ
コードよりも優れているし 、オリジナルだし 、
衝撃的である 。僕はそう思う 。僕にとって
は最初のLP『 ザ・ドアーズ 』を越えて戦
慄的なレコードはなく 、『 ストレンジ・デ
イズ 』を越えて美しくシンプルなレコードは
なく 、『 LAウーマン 』を越えて荒々しい
優しさを感じさせるレコードはない 。
僕が最初に聴いたジム・モリソンとザ・ドア
ーズのレコードはもちろん『 ライト・マイ・
ファイア ( Light My Fire ) 』だった 。一九
六七年のことだ 。一九六七年には僕は十八で 、
高校を出て 、大学にも予備校にも行かずに 、
一日机の前に座ってラジオでロックンロールを
聴いていた 。」)
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