『ネオニコチノイド』
皆さんこの言葉を聞いたことがあるでしょうか?
基本的に農業には2種類の農業スタイルがあります。
化学農薬や化学肥料を使う従来の農法を“慣行栽培”と言い、化学農薬や化学肥料を使わない農法を“有機栽培”と言います。
これらの農法で大きく違うことは、生き物と共存していくかどうかです。
土の中にはミミズやオケラ、微生物に至るまで沢山の生き物が共存しており、その数なんと1㎤に約1億匹と言われています。
それだけの生き物が土の中の有機物を分解し、沢山の栄養素を作り野菜を育てていきます。
さて、これだけの生き物が土の中からいなくなったとすればどうでしょう?
有機物の分解はされにくく、栄養素、ミネラルの少ない野菜が育ってしまいます。
近年、野菜の栄養素が昔と比べると少なくなってきていると言われています。
それらの原因こそ微生物の減少によるものです。
農薬は野菜に付く害虫を倒し、野菜を作るとされています。
その農薬は微生物にとっても例外ではありません。
沢山の生き物が影響を受け、土の中のバランスは悪くなってきます。
その農薬に含まれる成分こそ“ネオニコチノイド”なのです。
“ネオニコチノイド”は神経伝達を阻害し、人体にも影響を与えてしまいます。
参加者の中には主婦の方から農家の方まで職種は様々でした。
その中でも“慣行栽培”をされている農家さんから、『知らずに“ネオニコチノイド”系の農薬を使っていました』と自身が衝撃を受けていた方もいました。
そうなんです。
農業のスペシャリストでさえその事実に気づいていない農家さんも沢山います。
ましてそれらの事を一般の方々が知るはずもなく、まだまだ皆さんに知っていただく為の努力が必要だと感じます。
今回の鑑賞会を通じ、これからの食に対する判断材料の一つとなれば幸いです。
文責:こうち食と農をまもる連絡会代表 川村淳
※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2024年11月号より転載しました。