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お願いいたします。
日本国憲法は今年の憲法記念日で満59歳です。この憲法の中で一番すばらしい9条を変えて、戦争をできる国にしようという危険な動きが強くなっています。そんなとき「ひょっこりひょうたん島」や「吉里吉里人」でおなじみの井上ひさしさんが、しんぶん赤旗日曜版で「憲法9条のバトン 子どもたちに手渡したい」とすばらしいメッセージを寄せてくださいました。ぜひみなさんにもお伝えしたいメッセージなので、全文引用させていただきます。(井上ひさしさんは鎌倉在住で、「九条の会」呼びかけ人、日本ペンクラブ会長です。)
戦争はもうしない。そう誓った憲法9条の後ろには、多くの不幸な死者たちの後ろ押しがあります。
みなさんが生まれる何十年も前にあった大きな戦争。
戦地で死んだ日本兵の約3分の2は餓死だといわれます。国内でも東京大空襲で一晩で約10万人、広島の原爆で1日9万人、長崎で7万人の方が亡くなりました。
それだけではなく日本は「大東亜に平和をもたらすため」といって海外に出ていき、たくさんの人の生命を奪ってしまいました。アジアの人たちにしてみれば、呼びもしない日本軍がきて鬼・畜生にもとる行為をやったことになります。
戦争が終わって、世界中の人たちがどうしたら戦争をなくせるかをずっと模索し、手探りをし、努力してきました。戦争をしたらふつうの人たちがいちばん被害をこうむる、だからもう戦争はやめる、いろいろもめ事が起きたら話し合いで解決する。これは人間の最終的な願いだったんです。
国を超え立場を超えて、お互いを殺し合うのは理由ぬきでいけないんだ、というところへ踏み出したのが私たちの国の憲法です。
日本国憲法は、人類が積み上げてきた共通の理想の結晶です。21世紀の世界のモデルになる宝だと思います。そのように認めている人々が世界中にたくさんいます。
未来とは次代に生きる子どもたち、みなさんのことです。みなさんが日本の未来であり、世界の未来なんです。私たちは、日本国憲法で世界の人たちとつながっていく努力をすれば、よき世界になるはずだと信じています。
日本人はこうしたすばらしい憲法をつくり、代々伝えてきました。それをそのままみなさんにお渡ししたい。憲法を大事にしながらみなさんに幸せになってほしいと願っています。
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