10月に入って、たくさんのきゅうりが直売所に並ぶようになった。
去年よりもずっと量が増えたように感じる。
その理由を、数人の農家さんや農業指導の方にお尋ねしてみた。
袋井市はメロンの産地であるが、ここ数年、重油の高騰と高齢化を理由に、
栽培をやめる農家が増えている。
そして、メロンの温室やハウスを有効に活用するために、
中国野菜や水菜を栽培してきたが、連作障害が出てきて、
きゅうりに転向する人が増えた・・・ということらしい。
きゅうりなら、冬場に加温してもメロンほど重油は必要としないし、
体への負担も、それほどきつくはない。
それに、年間を通して、料理にもよく使われる。
野菜ソムリエとして、
「旬の野菜は、その時期に人間が必要とする栄養素をふんだんに含んでいます。」
とお話をしてきた。
また、地産地消を推奨し、「地元農産物を買い支えることが地域の農業を応援する。」
ともお話してきた。
こうなると、秋のきゅうりを食べることは、地域の農業を応援することにはなるが、
旬を無視した食生活を送ることになってしまう。
教科書どおりにはいかない。
野菜ソムリエとしてやるべきことは、
どうして今きゅうりを作らなければならないのかという
農家の現状を生活者にきちんと説明し、
少しでも体の冷えが軽減できるような食べ方を紹介していくことだと思う。