”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

長岡巾着なす

2015-09-25 09:27:31 | 在来種 伝統野菜

このなすを手にした時、

そのずしりとした重さにびっくりした。

そして、包丁を入れた時に、

「これはなすの硬さじゃない!!」

と思うほど硬かった。 (@_@;)

  

  

7月12日に放送された「ザ!鉄腕!DASH!!」の

「出張DASH村」のコーナーでも取り上げられた巾着なす。

正式には、長岡巾着(中島巾着)と言います。

新潟県長岡市の伝統野菜です。

 

番組の中でTOKIOの松岡君が

「硬い!なすの硬さじゃない!」と言っていましたが、

まさにその通りなんです。

直径は10cmくらい、重さは250gちょっとありました。

  

  

長岡巾着は、長岡市の中島地区で栽培が始まりました。

そのきっかけとなったのは・・・。

 

明治15年に今の田上町から中島地区に嫁いだ人がいました。

両家とも農家だったため、野菜栽培には熱心で、

当時、田上で栽培されていた巾着なすに興味を持ち、

その種が中島の嫁ぎ先に渡りました。

つまり、結婚がきっかけで、

種もお嫁にきたことになります。(*^_^*)

  

 

地元では、蒸かして生姜醤油、からしなどで食べるようですが、

私は、「出張DASH村」の中で生産者の奥様が作られていた

素揚げしてお味噌でいただく・・・という食べ方を

まねしてみました。

 

  

身が締まっているので、

加熱しても形が崩れることはありません。

そして、この硬さのせいか、なすがあまり油を吸わず、

あっさりといただけます。

でも、甘味は十分、とろける感じも味わえますよ。

  

 

伝統野菜、在来野菜の由来を調べていると、

この長岡巾着のように、

お嫁入りがきっかけという話をよく聞きます。

そんなほのぼのエピソードが、

野菜をよりいっそうおいしくしている気がします。(*^_^*)

 

 

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野菜ソムリエクラブ(瓜)

2015-09-24 14:59:38 | 食育

磐田市の向笠公民館で

第23回目の野菜ソムリエクラブが開催されました。

  

今回のテーマは、「瓜の研究をしよう」ですが、

実は、ひょんなことから決まったテーマでした。

  

いつも、野菜をくださる方が、こう言いました。

「ねぇ、そろそろ今月も野菜講座が来るんじゃないの?

 うちの冬瓜、使っていいよ。たくさんあるから!」

  

冬瓜・・・。

不思議な野菜です。

 

「苦いから」「青臭いから」「辛いから」「渋いから」

というのが、野菜嫌いの子供が挙げる理由ですが、

冬瓜は、そのどれにも当てはまりません。

むしろ、主張が少ない野菜のように思えるのですが、

その大きさのせいなのか、それとも水っぽさのせいなのか、

「もらうと困る野菜」に挙げられます。

  

それなら、冬瓜を始めとする瓜(きゅうりは除く)を

テーマにしようと決めました。

  

 

今回、集めた瓜たちです。

●冬瓜、姫冬瓜

 

  

  

●ゴーヤ

 

 

 

●金糸瓜(そうめん瓜、そうめんかぼちゃ)

 

 

 

●加賀太きゅうり

 

袋井の自然農園産のもので、

他の太きゅうりと交配してしまった可能性あり。

 

 


●赤毛瓜(モーウィ)

 

袋井産の沖縄野菜です。

皮の色が独特ですが、意外と皮は薄く、

とても良い香りがします。

 

  

 

それぞれの瓜の来歴、特徴、食べ方などを

お話させていただきましたが、

やはり皆さんの興味が集中していたことは

・冬瓜料理のバリエーション

・ゴーヤの苦みを軽減する方法

でした。

  

 

そこで、こんな試食をご用意しました。

 

・麻婆冬瓜

・冬瓜のサラダ

・ゴーヤとたくあんの和え物

・赤毛瓜とツナの味噌煮(沖縄の定番料理)

 

  

麻婆冬瓜もサラダも、4人分で一度に

冬瓜を800g(皮、ワタ、種の付いた状態で)使います。

だから、大きな冬瓜もあっという間に

使い切ってしまいます。

特に、冬瓜を生で食べるサラダは喜ばれました。

 

  

お土産用に用意した冬瓜も

すべてお持ち帰りいただきました。

中には段ボール箱で持ち帰る方もいて・・・。

  

これでもう、「もらうと困る野菜」じゃなくなったかな?

ご参加くださった皆さま、

ありがとうございました。(*^_^*)

 

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分とく山のお料理

2015-09-23 08:28:40 | だし

ちょうど1週間前の今日、

私は南麻布の分とく山に向かっていました。

  

だしソムリエ協会の「だしと料理」専門コース

日本料理コースを受講するためです。

総料理長 野崎洋光さんの素晴らしさについては

こちらで書かせていただきましたが、

お料理の紹介が遅れてしまいました。

  

では、いただいたお料理をご覧ください。

  

●菊花寄せ べっ甲あん掛け

 

  

  

●銀杏豆腐沢煮椀

 

沢煮とは、具がたくさんという意味です。

  

  

●お造り 土佐醤油

  

  

  

●鰤茸蒸し

  

  

 

●穴子茄子煎り出し

 

茄子を油で揚げて冷水に取り、手早く皮をむき、

水気を拭く・・・という下準備が美しかったです。

  

  

●月見そば

 

なんとお蕎麦の具にアボカド!!

斬新でしたが、そばつゆとよく合います。

  

  

●梨ゼリー

 

黒みつにお酢を入れることで、うまみが加えられていました。

  

 

来月は、だしの濃さとお料理の仕上がりについて

教えていただきます。

今から、とっても楽しみです。(*^_^*)

 

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神楽南蛮

2015-09-22 07:17:51 | 在来種 伝統野菜

この平べったいパプリカのような野菜は、

主に新潟県の中越地方の中山間地で

古くから作られている神楽南蛮(かぐらなんばん)です。

(この写真のものは、上越市産)

 

  

肉厚で、ごつごつした感じや深い溝?の様子が

神楽の面を思わせることから、

その名前が付いたと言われています。

  

この真ん中の子が一番お面っぽいかな?

 

  

  

来歴について調べても詳しいことはわかりませんでしたが、

・15世紀に日本に渡来した唐辛子の原種に近いものではないか?

・昭和初期には作られていたという記録がある。

などと書かれていました。

  

古くから農家が自家採種して種を守ってきましたが、

唐辛子やピーマンの類は交配しやすいため、

この独特な形を保持するのは大変なことでしょう。

 

  

以前、テレビ番組でこの神楽南蛮が紹介された時、

ゲストの国生さゆりさんが

「辛い!辛い!」と叫んでいましたが、

本当にそんなに辛いのか、まずは生のままひとかじり・・・。

 

「そんなに辛くはない。」

と油断していると、じんわりと辛さがにじみ出てきます。^_^;

  

 

そこで、ピーマンや鷹の爪の代わりに、

お料理に使ってみました。

  

●なすとの味噌炒め(なすは、えんぴつなすを使用)

 

  

  

●焼きなすと春雨の炒め煮のトッピング(なすは、やきなすを使用)

 

 

 

●ゴーヤのドライカレー

 

 

 

●豚肉と野菜のマリネ

 

 

ただ、この色と肉厚さから、

つい脳が赤パプリカだと思い込んでしまうようで、

勢いよく噛むと「辛っ!!」ということになります。(>_<)

  

  

在来野菜を調べていると、

意外と寒い地方に唐辛子類が多いことに気づかされます。

その理由は、こちらに書かせていただきましたので、

お時間のある方は、お読みくださいね。(^^)

 

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初めての鮭節

2015-09-21 00:22:13 | だし

北海道に出張中のSさんから

「いきなりですが、これ要りますか?」

と写真付きのメッセージが届き、

「ほしいです。ほしいです。」

と即答したのが8日前の出来事です。

  

 

記事にするのが大変遅くなりましたが、

それはこちら。

 

  

知床産の鮭節です。

  

左の袋から取り出したものがこちら。

 

  

  

左の袋が気になった理由は、この表示があったから。

 

  

  

手火山造りって、あのかつお節の? (・・?

  

  

手火山式焙乾炉とは、こちらです。

 

 

この写真は、焼津のかつお節製造現場を見学した時に

撮ったものです。

昔ながらの方法で、クヌギやナラの木を燃やした煙で

煮熟したかつおを燻し、乾燥させていきます。

  

でも、かつお節が作られていない北海道で、

どうして手火山造りができるのでしょう?

  

 

それは、試行錯誤の連続だったようです。

そして、その製造には静岡県も関わっていたのです。

 

かつお節の伝統製法「手火山造り」を鮭節でも再現するために、

かつお節の本場である静岡県に社員を長期派遣し、

修業をした結果、完成したのがこの鮭節。

  

製造工程は、次のようになっています。

1.茹でた鮭を手火山式焙乾炉の上に積み上げ、

 ミズナラの薪で燻す。

2.さらに急造庫で20日間燻しながら、乾かす。

  ※急造庫とは、部屋全体を階層別に区切られた焙乾室にし、

   熱気と燻煙を充満させた中で焙乾する設備

3.冷蔵庫で一ヶ月じっくりと熟成させ、削る。

 

時間と手間ひまがかかる製法なので

生産量が少なく、とても貴重なものなのです。

  

 

早速、お料理に使ってみましょう。(*^_^*)

 

まず、昆布と一緒にだしをとって、うどんつゆに使いました。

 

  

上品です!!

一番近い味は、鯛のおだしでしょうか?

鮭が白身魚であることが伝わってくる味です。

  

 

そして、鮭節を使った炒飯。

 

 

トッピングだけでなく、具にも使ってあります。

鮭炒飯みたいになるのか・・・と思いましたが、

全く違います。

とっても、あっさりした仕上がりです。

  

 

かつお節のうまみがイノシン酸主体なのに対し、

鮭節はグルタミン酸が主体なのだそうです。

今度は、かつお節と合わせてだしをとってみようかな?

  

Sさん、いつもありがとうございます。(^o^)丿

 

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