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ある怒りっぽい男が自身のその性格のせいで
自らを苦しめていると悟り、深い知恵を備えた
スーフィーのもとに助言を請うために赴いた。
スーフィーは男にある十字路に行き、一つの
枯れ木の下で、そこを通る全ての旅人に飲み水を
施す事を命じた。
男は助言に素直に従い、やがて奉仕と自己を制御する
修行をする者として広く知れ渡る事となった。
そんなある日の事、彼が差し出した水差しから即座に
顔を背けて足早に去った旅人がいた。男は以前のその
性格に戻り、大声で旅人に叫んだ。
「俺のこの厚意を受けに戻るのだ!全ての旅人に俺が
奉仕しているこの水を取るのだ!」
返事はなかった。
男は怒り、自身の与えられた修行の事など、完全に忘れて
しまった。
理性をすっかり失った男は、枯れ木にかけてあった銃を
取ると、自身の厚意を無視した旅人に向けて引き金を
引いた。
銃弾は命中し、旅人は死んでしまった。
ところがどうした事か、銃弾がその旅人の肉体を貫いた
瞬間、奇跡が起こったかの如くに枯れ木の花が咲いたの
だった。
実は撃ち殺された旅人は希代の殺人鬼であり、丁度その長い
経歴の中で最も忌まわしき殺人を犯しに行く途上であった。
二種類の助言者が存在している。
固定化した原則に従って機械的に為すべきものを語る者と、
それと全く異なった、叡智に基づいて語る者とである。
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後文には知者に出会う者は、その者を道徳家として扱い、
道徳的な助言を求めようとするが、知者が仕えているのは
真理であって、必ずしも宗教上正しいとされている事柄では
ない、とあります。
中東地域から派生した宗教で、時に教条や原理のみを
絶対とする姿勢が度々見られます。
そうした教条をテロを行う名目と狡猾にすりかえる姿勢は
いかなる理由であれ肯定は出来ませんが、教条や原理が
先行し絶対とされる姿勢からどこか手に負えない印象を受けて
しまいますのは、わたくしだけではないと思います。
表面的に知覚出来ます事象から、信頼する教条や原理のみを
持って判断します事はそれほど難しい事ではありませんが、
実際物事が起こるという事は、教条や原理よりも時に複雑で、
深い事であるのかもしれません。
ある怒りっぽい男が自身のその性格のせいで
自らを苦しめていると悟り、深い知恵を備えた
スーフィーのもとに助言を請うために赴いた。
スーフィーは男にある十字路に行き、一つの
枯れ木の下で、そこを通る全ての旅人に飲み水を
施す事を命じた。
男は助言に素直に従い、やがて奉仕と自己を制御する
修行をする者として広く知れ渡る事となった。
そんなある日の事、彼が差し出した水差しから即座に
顔を背けて足早に去った旅人がいた。男は以前のその
性格に戻り、大声で旅人に叫んだ。
「俺のこの厚意を受けに戻るのだ!全ての旅人に俺が
奉仕しているこの水を取るのだ!」
返事はなかった。
男は怒り、自身の与えられた修行の事など、完全に忘れて
しまった。
理性をすっかり失った男は、枯れ木にかけてあった銃を
取ると、自身の厚意を無視した旅人に向けて引き金を
引いた。
銃弾は命中し、旅人は死んでしまった。
ところがどうした事か、銃弾がその旅人の肉体を貫いた
瞬間、奇跡が起こったかの如くに枯れ木の花が咲いたの
だった。
実は撃ち殺された旅人は希代の殺人鬼であり、丁度その長い
経歴の中で最も忌まわしき殺人を犯しに行く途上であった。
二種類の助言者が存在している。
固定化した原則に従って機械的に為すべきものを語る者と、
それと全く異なった、叡智に基づいて語る者とである。
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後文には知者に出会う者は、その者を道徳家として扱い、
道徳的な助言を求めようとするが、知者が仕えているのは
真理であって、必ずしも宗教上正しいとされている事柄では
ない、とあります。
中東地域から派生した宗教で、時に教条や原理のみを
絶対とする姿勢が度々見られます。
そうした教条をテロを行う名目と狡猾にすりかえる姿勢は
いかなる理由であれ肯定は出来ませんが、教条や原理が
先行し絶対とされる姿勢からどこか手に負えない印象を受けて
しまいますのは、わたくしだけではないと思います。
表面的に知覚出来ます事象から、信頼する教条や原理のみを
持って判断します事はそれほど難しい事ではありませんが、
実際物事が起こるという事は、教条や原理よりも時に複雑で、
深い事であるのかもしれません。