驚くのは、この国に「喪に服する」「忌」という
発想が殆どない事でしょうか。葬儀でもピンク色
などの服を着用してくる人もいますし、また葬儀の
翌日に夫や兄弟両親はキャンプに行くと言うのです…
そうなると葬儀から帰宅して、落ち着く時間もなく
準備をして遊びに行かねばならない、という事に
なります。
この国の国教である新教(プロテスタント)では、
死者のために祈りを捧げる事が禁じられています。
「死者は既に行くべき所に行ったのだから祈りを
捧げる必要はない」との論理的帰結からである様ですが、
死者のために落ち着いて深く祈りを捧げたいという心は
何処かの教義や聖典解釈よりも深い、人間の本性に根ざした
ものであると感じます。
それを敢えて否定して、今現在生きている人間を中心に
置くのがこの国の文化の特徴の一つである様ですが、
反面死というものから常に目を背けたがっている様にも
感じられます。