以下 10年以上前に存在していたHPに掲載されていたい情報のコピペです。
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楽 園 の 小 径
ここでは、能動的想像を用いた径行きの基礎を学ぶ。
即ち、心の眼によって特定の心象を構築( 想像 )し、
意志の制御によって異界を歩く作業である。
こう書くととても難解な技術のようにも思えるが実はそうではない。
というのもこの作業の基本となるものは、既に弛緩と呼吸のページにおいて考察済みだからである。
ここでも楽園のイメージを用いる。
瞑想者は想像の中で瞑想の椅子から立ちあがり、楽園の中を闊歩することになる。
以下に簡単なシナリオを用意しておくので、この実践に入る前に何回か読み、
イメージの流れを記憶した後に行うのが望ましい。
またこの作業は楽園での弛緩作業と規則的な呼吸を実践した後に連続して行うこと。
内面に満ち溢れる光の活性的な力を感じながら、ふたたびあなたは楽園の中央に座している自分自身へと関心を戻す。
今あなたの心には静寂と平和が訪れている。
周囲の自然は溢れんばかりの輝きと心地よい振動を発散している。
あなたと楽園の自然との間に最早、境界はない。
暖かな太陽の白輝光があなたをやさしく包み込み、心地よい柔らかな風があなたの頬を撫ぜる。
この時、あなたは黒のタウローブを纏い、銀のサンダルを履いた自分自身のいでたちに気付く。
心地よいシルクの素材で縫い上げられた美しい黒の法衣は、柔らかな風を受けて、静かに揺れている。
銀のサンダルはひんやりとした心地よさをあなたの足の裏にもたらす。
決して、重過ぎることはなく、歩行にも適した美しい履物である。
静かに、椅子から立ちあがろう。柔らかな大地の感触と変わる事のない楽園の平和を全身で感じ、
深い深呼吸を一度行う。
後ろを振り返ったあなたは、
ここで始めてあなたの背面にも広がっていた楽園の風景を目の当たりにする。
同じく、エネルギーに満ち溢れた美しい緑の草原が続いている。
だが、今までの風景とは少し異なるようだ。
まず草原の先はなだらかな斜面になっており、その斜面の中心から、
あなたが座っていた椅子までの間を小さな小径が続いている。
その小径はまるで、あなた専用の径であるかのように、
あなたのすぐ側から始まり、なだらかな傾斜へ向かって延びている。
あなたはその径をゆっくりと進む。自然の情景を楽しみながら、
あたかも周囲の光と会話するかの如くに進む。
歩を進めれば、楽園の息吹はより一層あなたを和ませ、空を明るくしていく。
自然の情景の中に美と調和の顕現を感じながら径を進む。
そして進むにつれて、楽園の風景に少しづつ変化が訪れる。
なだらかな傾斜を登りつめると、そこには美しい川が流れていた。
あなたが座していた楽園の中央に流れていた小川はどうやら、
この川の支流の一つであったらしい。なだらかな流れの表面は太陽の光を受け、
まるで宝石を散りばめたかのようにキラキラと輝いている。
あなたはその流れの中に生命の起源とその躍動を見る。
うつくしさをたたえた川の流れはあなたの心の不浄を洗い流す。
そこには楽園に満ちている、あの光のもっとも純粋な形態が宿っている。
静かに川の流れのほとりへと歩を進めよう。
美しい透明な色彩と輝く青が渾然一体となって美を形成している。
川は優雅にそして、喜びをたたえた流れをあなたに見せる。
暫し、その流れを見つめよう。
次にあなたは臆することなく、川の流れの中にほんの少しだけ入ってみる。
銀のサンダルを履いたまま、ひんやりとした心地よい水に足をつけてみよう。
頭上では、あの白く輝く太陽が純粋な光を注いでいる。
足元には、心地よい川の流れがあり、あなたに更なる安らぎをもたらしてくれる。
光と水の祝福を受けたあなたの心身に美の感覚が充ちる。
暫しの沈黙によってその美の感覚と溶け合う。
静寂と純粋な光と生命の躍動と歓喜を全身に漲らせ沈黙する。
帰還の時が来た。ゆっくりと川から上がり、元来た径を戻る。
柔らかな風は水に濡れた銀のサンダルと法衣の裾をあっという間に乾かしてくれる。
周囲の自然は未だ輝きを失ってはいない。
あなたはある種の満足感に充たされ、美の感覚と沈黙の神秘を持ち帰る。
瞑想の椅子に帰還したら、ゆっくりと眼を開き、現実の世界へと戻る。