買ってから2年になり、いまさらこの機種を気にする人もいないだろうけど、先日久しぶりに取り出してみて、色々と考えたことなどを書いてみよう。
2年前のちょうど今頃、それまで使っていたIXY800ISの後任として購入した。ちょうど後継機の32Sが発表された頃で、値段が下がっていた。買ったのはヨドバシ新宿。
上の写真の角度から見るとまあまあだが、デザインや質感は本音を言えばそれほど気に入ってはいなかった。前作のIXY30Sは意欲的なソリッドカラーで、さすがIXYと思わされたのだが・・。
31Sは微妙にしまりがないというか、何となく大きく見えるデザインなのだ。淡いメタリックカラーも、全体に膨張して見える。ソリッドの塗装はコスト的に高くつくのかも知れない。その後のキヤノンのどの機種にも引き継がれていない(訂正:Powershot Nは白のソリッドですし、IXY1 も、ちょっと凝った白ですね。ただ、赤や黄色は無い)。
僕は買うとき、茶色と金色で迷った。茶色の方が締まって見えるかもしれない。
印象だけでなく、ボディサイズは実際に大きい。まるっこいので、持ちにくいという意見もあるが、個人的にはそうは思わない。後ろ側に手がかりがあり、手に持つとしっくり来る(その辺の微妙な配慮はさすがキヤノンである)。
表側は金属で、淡い微妙なシャンパンゴールドだが、トップカバーと後ろはプラスチック。ここの色がもう少しシックだったらと思う。
ボタンは電源と、オート/マニュアル切替、背面の再生ボタンのみ。
タッチパネル式である。これには批判も多いが、使ってみるとそれほど悪くない。そもそも、この種のカメラはオートで簡単に操作するのが基本であり、頻繁にあちこち調整するような使い方はすべきではないのだ。
・・のだが、現実にはモードやらなにやらと、切替操作をする事はわりと多いのだが・・。
さいきんのカメラは動画ボタンが押しやすいところにあり、手が滑って誤動作させてしまうことが多くてイライラさせられる。その点31Sの動画ボタンは、タッチパネル内にあるので誤動作の心配が少ない。
タッチパネルの操作感はおおむね良好だが、スクロールとかはちょっとやりにくい。このためストラップにスタイラスがついている。操作ボタンのカスタマイズもできる。操作感が悪いという人は、スマホと比べているのかも知れない。カメラの場合、あまり軽く操作できるようだと誤動作しがちなので、このくらいの方が良いと思う。
AFは今ひとつ、と言う印象がある。しかし、冷静に考えてみると、僕がこのカメラを使うのは夜がほとんどで、夜の街や、室内の食事などを撮っている。夜景の、遠景などはどのカメラのAFでも厳しい条件かも知れない。
こういうシーンを、もう少し手早く撮れれば・・。
広角24mmからというのは、他の機種でも見られるが、F2.0というのは、このクラスでは珍しい。もっとも、焦点距離が長くなるとすぐF5ぐらいになってしまう。まあ、そうはいっても暗いシーンなどではこの"F2.0"は大いに役に立っている。
思うのだけど、F値というのは、宣伝などに利用するような場面では、誤用とまでは言わないけど、何となく誤解を招きやすいような使い方をされることが多いような気がする。
フルサイズ用レンズのF2.0と、こうした小型カメラのF2.0は、どちらも口径比としての数値は同じだし、明るい、ということに間違いはない。しかし、どちらも同じように背景をぼかして撮影できるか、というと、そういう訳ではない。F値だけでは何とも言えないんだけど、普通は'F2.0の明るい高性能なレンズ'、とか言って宣伝する。
暗いシーンで撮影しやすい、のはたしかだが、レンズが暗くてもセンサーが良ければそっちの方がいいかもしれない。24mmでは背景ぼかして撮影、はさすがに無理だ。だいたい、いつからみんなそんなに背景ボケにこだわるようになったんだろう?記録写真などでは、ぼけてもらっては困るシーンもかなりある。
ネットで検索すると、31Sを買った、という人は相当出てくる。マニアみたいな人は当然少なくて、趣味や仕事、お子さん、ペットの撮影にアクティブに使っている、という様な人に選ばれているようだ。マニアにはPowershot S90~のシリーズがある。僕もS95は気になったが、これはメモ用のカメラなのでこちらにした。上質のミニコンポで、AMラジオのニュースなんか聞くのは嫌だ、という人も多いと思う。
ある日の夕ご飯。
近寄ることはできたが、湯気でレンズが曇った。
時計が壊れた。
秒針が長針に引っかかり、動かなくなってしまった。
デジタルテレコンx2.0で撮影。
別の日の夕ご飯。スクエアサイズも選べる。