急にLPレコードが聞いてみたくなって、レコードプレーヤーを買ってしまった。
といっても、1万円くらいで買える、激安品だけど。
なんでそんな気になったかというと、先日行った中古レコード屋の入り口に、安いレコードプレーヤーが箱積み特売されていたのを見たからだ。
聞いたことのないメーカーだが、一応一人前の外観で、19,800円だった。ふうむ。その店ではフロア手前側にCDが陳列され、奥の方には同じぐらいのスペースで中古LPもたくさん置いてある。もちろん、大きさを考えるとCDの方が倍以上陳列数は多いのだろうけど。まだLPの売買も盛んなようだ。
そこから何かのスイッチが僕の頭の中で入ったみたいで、レコードの回転する様子が頭に浮かんでくる・・。水曜の夜、ビックカメラに行って、別の安いプレーヤーを買ってきた。
一番安いのはAudio Technicaのもので、8000円弱だったが、店員に聞いたら在庫がなかった。これは10,500円。プレーヤーは国内ブランドの製品は少ないが、海外メーカーのものなら今でも種類豊富なようだ。
ターンテーブルを自分で乗せて、ベルトを掛ける必要がある。
外観や質感など、最小限の体裁は保たれている。これを安っぽい、などと言うのは、ダイヤモンドを見てきれいだ、と言うようなもので、無意味だ。
実家には20枚くらい?のLPと、いくつかのEPが置いてあるが、今手元にないので、とりあえず件の中古屋で2枚ほど買ってきた。カラヤン/BPOの初回のベートーヴェンから、1,2,5番。
なんだかさいきんベートーヴェンばかり聴いているが・・。
買ったとき、ビックの店員に「ピンケーブルどうしますか?」と聞かれなかったが、家に帰って理由がわかった。ケーブルは本体直出しなんですね。暖炉の上に置きたいのだが、ケーブルの長さが足りないので、とりあえず仮置きして聞いてみる。
本機はPHONOイコライザー付きだが、オンオフスイッチはターンテーブルの下にある。これはオフにして、PM-50のPHONO入力で使っている。PM-50は普及モデルだが、バブル期に設計されたアンプなのでちゃんとPHONO入力があるのだ。
フルオートなのでPLAYボタンを押せば、ごそごそいって演奏が始まる。
ごわごわ ぷちっ ぽつん、とか言っているが、まあ音は普通。CDにくらべると高音がどうの、とか、暖かみのある音が、などという違いはわからない。しかし、決して悪い音ではない。
また、ゆっくりとディスクが回転する様子は、やはり見ていて楽しい。
カラヤンのベートーヴェン、この60年代の録音は概して評判が良いようだ。うさ耳にはなかなか聞き分けられないが、手持ちの70年代録音の、ちょっと極端な演奏に比べると、より安心して演奏に浸ることができる気がする。
今日の帰り、ヨドバシに行って延長ピンケーブル(そんなものがあったのだ)を買ってきたので、暖炉に置けるようになった。オーディオマニアが見たら、卒倒するかも知れないが、安い機械は鈍いというか、タフというか、別に音が悪くなったとは感じられない。
20年くらい前、一時期オーディオに凝っていたことがあったが、その頃はCD全盛だったし、もともと手持ちのLPも少なかったので、アナログに手を出す気は全くなかった。昔はもっと合理的というか、ものごとを固く考えるくせがあり、無駄なことをするのがきらいだったが、だんだんと意識がかわってきたようだ・・。