用事があって夜出かけたついでに、昔住んでいた街の駅前まで行ってみた。
住んでいた頃よく行っていた店がいくつかある。できれば久しぶりに食事をしてみたい。
長崎ちゃんぽんをおいしく食べさせてくれる店があって、昔はかなり通い詰めたものだが、行ってみたら・・・、お察しの通り、店はなく、周りが全部大きなマンションになっていた。
僕が行っていた頃既にかなり古くて小さな建物で、15人も入ればいっぱいの店だったが、いつもかなりの人で賑わっていた。ちゃんぽんと、皿うどんしかなくて、それに餃子が3コ、6コつくセットがあった(この餃子もかなりうまかった)。
夫婦二人でやっていたが、旦那は厨房で、黙々と調理、奥さんは小柄ではきはきした人で、店を仕切るという、よくあるパターンだった。
ちゃんぽんなんて、この店以外でほとんど食べたことがないから他の店の味はよくわからないが、とにかくうまかった。皿うどんはほそい堅焼きそばにあんかけが乗ったようなやつで、これもうまかったが、僕はちゃんぽんの方が好みだった。
同じように特定の料理が好きで通い詰めたケースとして、中華丼の店がある。
昔の職場の隣のビルにあった、中華料理屋で、他にも色々料理はあるが、僕はなぜか中華丼が好きだった。小柄なおばさんに(この人も小柄)オーダーすると、厨房に向かって「なかどんおねがいします」と言っていたのが印象に残っている。
あんかけが、しょうゆじゃなくて(茶色ではなくて)白いんですね。塩味、なんでしょうか。他所で食べると、何となく甘いような感じがして、やはり中華丼はここでなくちゃ、と思ったりした。オフィスが別の場所になってからも、わざわざ食べに行ったりもしていたが、こちらはずいぶんと前に閉店してしまった。
ちゃんぽんも中華丼も、今別の店で食べると言うことはあまりしない。