先日、330グロリアの記事を書いたとき、マーク2(Ⅱは環境依存文字らしいので、ここでは2と表記する)の白は来年発売予定、と書いたが、それも勘違いらしく、既に発売になって市場に出回っているらしい。
amazonでは発売予定となっていたのでそう書いたが、偶々amazonでは予定数販売終了で、次回入荷が来年1月ということだったのか、その辺はよくわからない。
とにかく、ビックカメラのおもちゃ売り場を見ていたら、白のマーク2が売られているのを見つけた。ので、これを購入し、amazonはキャンセルした。
80年代半ば、いわゆる「ハイソカー」などと呼ばれて、猛烈に売れた車である(あれです、High Society's Car、の略です・・。今にして思うと、すごい言われ方という気がしますが)。あのころは街を歩けば別に見たくなくてもどこかでこの車が目に入ってくるというほどだった。ところが、会社の子なんかは知らないんだよね、この車。なんとなく四角っぽい車・・、という感想だった。
ちょっとピントが緩いですね。この頃のトヨタ車はディティールの仕上げが非常に繊細で、たとえばこのシリーズのセダンやワゴンなどは、窓ガラスとサッシュがきれいに面一に仕上げてある。このHTも、窓まわりはとてもきれいな仕上がりだ。
そんなモデルなので、模型にすると細かいところが気になってしまうのは仕方がない。かなり頑張っていると思うが、近くで見ると窓まわりなど、ちょっとごついところが目立つ。
ちょっとヘッドレストが大きすぎるようだが、あの特徴的なバーガンディの内装色が見えるようになっている。当時だって心ある人からキャバい、といわれていた、ボタン引きルーズクッションシートは、この車の最大の売りの一つであった。前後して他のトヨタ車や、他社の車にもこういう色のシートが流行した。
当時のいわゆる上級小型車は、今日風の言い方ではDセグメントに相当するのだろうが、5ナンバーに収まるスペック(全幅1.7m以下、排気量2000CC未満)で作られるものがほとんどだった。日本では使いやすいサイズで、直列6気筒(またはV6)を積む車としては比較的安価なことから、本当によく売れた。社会が豊かになり、どうせ車を買うならちょっとだけ良いものを、というユーザーにぴったりフィットしたのだ。
今でも同じようなクラスの車は売られているが、当時と今の違いは、今の車には夢とか、遊びのような人々を魅了した要素が少なくて、なんとなく華のない車が多いように思えることだ。もっとも、このマーク2に与えられた「華」は、当時の社会状況のもとで花咲くように与えられたものであって、今それと同じようなものを与えようとしてもできないのだろうけど。車だけ、あるいはメーカーだけの努力ではなく、社会のムード全体が、車に夢や華やかさを吹き込んでいたのかもしれない。
おまけ。今週、なぜか突然現れた羊さん。