紅葉はそろそろ終盤にさしかかり、街路樹の銀杏も色づいてきた。
近くにある古い街道を車で走ると、木々が見事なトンネルを作っているところがある。
晩夏のころ、寝坊したセミが必死で鳴いているのを、開いたサンルーフ越しに聞いていたものだが、今はそこから枯れ葉が舞い落ちてくる。
季節が変わり始めたころから、旧宅の近くにあった木々のことが思い出されて仕方なかった。
街のどこに記憶が残るのかというと、季節ごとに変化を遂げる木や草花であるようだ。
毎朝見上げていたあの樹は、ある日を境に急に色づき始め、やがて少しずつ葉を落としていく。
・・ついてがあったので、帰りがけに寄ってみた。
もう4時半ぐらいで日が暮れてしまうので、写真を撮るのは厳しいのだが、なんとか。。
春もそうだが、秋も木々が存在感を示す季節だ。
こうした住宅地のほうが、そこに残る自然がより身近に感じられる。
郊外だとそこらじゅう同じような木々が豊富にみられるので、あまり気にしていられないのだ。
小春日和だったけど、この時刻、日暮れのもたらす寂しさ感は、人々の営みを軽く圧倒して、一色に染めてしまっているようだ。
1年前はまた、この時刻ごろに家を出て、実家に向かう、ということをよくしていた。
そんなことを思い出す。