当地ではよく晴れていましたが風が強く、寒い一日でした。
徳川夢声「夢声戦中日記」によると、83年前のこの日夢声は神戸にいて、ホテルで対英米宣戦のニュースを知人から聞いたそうです。体がキューっとなる感じで、街の風景が昨日までと違って見える、と書いています。
当日は月曜日で暖かく、翌日は雨であった由。
ご自身が書いておられますが、緒戦の頃は戦勝に酔ったような(日記の)書き方だったが、次第に虚無的になってきたと。ただ、開戦前の日米会談の報道を見ながら、早く始まってくれ、と思ってはいたようです。
昨日の読売新聞では京大の貴志俊彦教授が、日米開戦の半年ほど前までの世論は、必ずしも戦争に肯定的ではなかった(既に日中戦争が4年にわたり続いてい板)が、開戦直前になると軍が宣撫工作を行い、論調が変わってきた、と論じていました。
短期的に見れば、世論など割と簡単に操作できるものなのかもしれません。ごく狭い世界でも誰か勢いのある人が一定の方向性をつけると、その場にいる人は割とおとなしくついていくものです。
3年前に始まったウクライナ戦争では、開戦の前後からこちらの方面に詳しい軍事研究者や国際政治学者の方々がSNSで論陣を張りました。
多くの人たちにとって、かの地の政治やロシアとの関係など、当時は耳慣れなかったことの多くは、これら専門家の方々の解説が頼りでした。
ただ、彼らは学者や専門家としてのクオリティを維持しようと努力したものの、多くの場合それらを浅いレベルで曲解して相手をしばいたり、中傷するなどの行為が絶えなかったようです。現役の警察官が著名な教授を誹謗中傷して、罰金刑を受けた話は記憶に新しいと思います。
戦争には色々な利害が絡むので、今回のように長期化した場合などはその全貌をつかむのはとても難しいと思います。前記専門家の方々は、アカデミックなプロトコルに従ってコメントすることが多いと思うのですが、SNSのような場でそれを使っても通用しないで、曲解されたりする。
それで・別に結論はないのですが、もし83年前に自分が日本人としてニュースを聞いたら、やはり快哉を叫んだんじゃないかと思います。一抹の不安はよぎったかもしれないけど、周りの目もあるし。
それにしても、ウクライナ戦争ももう3年近くになるんですね。
先日は韓国、今日はルーマニアの選挙、そしてシリアの政権崩壊。
ほんとうに、色々荒れるな。