去年は全く映画を観なかったのに今年はもうこれで3本目だ。。
3時間というのはちょっとした長さで(いささかボウコウがきついです)、世評の通り登場人物も多いので気楽に見られる映画ではありません。
たしか30年近く前に中公新書「オッペンハイマー」(中沢 志保著)を読んだことがあったのですが(現在入手不能、手許にあるか不明)、もうきれいに忘れていて、ルイス・ストローズという人との確執とかは初めて知ったに近い状態だった。原爆開発史は少し勉強したし(出たぞ半可通!)、暫定委員会とかのシーンはほかのドラマなどでも見聞きはしているけど、なにしろ色々とややこしいから。。
ひとつ言えることは、これはオッピーのバイオグラフィーに焦点を当てたもので、物語の視座は終始そこを中心に回っているということ。だから、被爆地の様子が描写されていないという批判(映画を見るの直前、7時のニュースでこの映画を取り上げ、そういう批判があると報じていた)もあるが、表現がされないこともある意味で理にはかなっている。
同様に、これを原爆開発の通史として観てしまうと、色々な史実が抜け落ちてしまうように思う。そういう要素をこの映画に期待してしまうと、話が今以上に複雑になって収集がつかなくなってしまう。
とはいえ、話が話であるだけに、色々な視点からの意見が出てくることもまた道理だ。日本での公開がなかなか決まらなかったことも、ある意味象徴的な出来事のように思える。
色々な反響を呼んだという意味で、この映画は成功だったといえる。これをきっかけに色々学んでいく人が増えていけば。