在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

カッシーノから列車(?)で帰る

2009-06-04 05:17:49 | もろもろ、つれづれ
ローマとナポリのほぼ中間に位置するカッシーノというところから、列車でローマへ帰ることになった。
ポンテ、つまり「橋」をかけた連休(4日間)の最後の日である。
まあまあ大きな駅ではあるが、ユーロスターなどの特急は停まらない。
連休最後のせいで、ホームには100人程度の人が列車の到着を待っている。

あと5分で列車が入るという時になって、アナウンスが入った。
「カンポバッソから来てローマ・テルミニへ行く列車は、バスに振替になりました。前の広場から出発します」
あと5分もすれば列車が来るはずなのに、これはいったい何事?遅れているわけでもないし、ちゃんと表示はあるし。???
アナウンスを聞いて、さっさとホームを離れる人がいたので、これはバスに乗り乗り損ねては大変と、私も出口へ向かうことにする。

駅前の広場には、バスが一台。運転手はいない。
ぞろぞろと集まってきた人が25人くらい。
列車に乗る予定の人はもっといたのに、意外と少ないのにびっくりした。
で、周りの人たちの会話に耳を傾ける。そして、事が分かってきた。
つまり、列車がキャンセルになったわけではなく、列車自体の振替輸送というのでもなく、カンポバッソを出発して、すでに超満員になっている列車に乗る人を振り分けようというのであったのである。
私たちが、駅前広場でバスの運転手を待っているうちに、列車は駅に到着し、出発したらしい。
ローマまで行かない人は、当然列車に乗ったわけだし、ローマへ行く人でも、事情がわかっていて、超満員でも座れなくてもいいという人は乗ったようである。(列車の方がバスより速い)
なるほど。
イタリアに、ほとんど四半世紀いても、まだまだ学ぶことがあるのだと感心した。
バスは、列車の到着予定より少し遅れてローマに到着したが、快適に座れたのでよしとしよう。

ところで、バスの運転手はイタリア国鉄からの依頼でただローマへ行くだけである。
そこで、バスに乗る時も、車中でも、降りる時も、誰も切符をコントロールしなかった。
つまり、タダ乗りをしようと思えばできたということである。
信じられない!