在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ラトゥール・ア・チヴィテッラ 2006” セルジョ・モットゥーラ

2009-06-23 06:05:21 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"Latour a Civitella 2006” Sergio Mottura –Lazio(点数8+)
ラツィオのワインというとまあまあの出来のものが多いが、そんな中で、かなりレベルの高いワインを造っているワイナリーの一つがモットゥーラである。
もちろん、ラツィオのワイナリーというと、ファレスコなどパフォーマンスの良いワイナリーがあるが、モットゥーラは、実によく頑張っている。
オーナーのセルジョ氏も大変素敵な方で、個人的にはこちらの方が好きである。

ラベルもかわいい。
ハリネズミがちょこんと。
一度見るとすぐに覚えてしまうラベルと言える。

ところで、モットゥーラは、スプマンテも造っている。
それも、メトド・シャルマーではなく、メトド・トラディツィオナーレで、ワイナリーを見行くと、地下にびっしりと瓶が並んでいるのが見られる。
スティル・ワインの生産だけではなく、スプマンテの製造過程も見られるのは面白いので、一度行ってみることをお勧めする。

さて、ワインはグレケット100%。グレケットは、ウンブリアなど、このあたりでよくみられる品種である。バリック熟成の白。

色はやや濃いめ。
香りは、フルーツと花と、ミネラル臭など。黄色いきれいな花と、良く熟したフルーツが混じり、甘い香水のような香り、おしろいを思わせる香りもある。柑橘系の香り、スパイスなどもほんのり交る。
辛口だが、すぐに甘さ、まろやかさ、ふくよかさが出る。酸味はあるが、まろやかさに隠れている。後味に、ややほろ苦さを感じる。後味は長いのだが、最後に消えた後、ほんのりとアルコールが残る感じがある。しかし、全体に心地よいフィニッシュ。

かわいいホテルも経営しているので、車がないと難しいが、こういうところに滞在するのも面白いと思う。