在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Il top delle guide vini 2016 ワインガイドトップ2016

2016-04-14 18:03:22 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bere: il top delle guide vini 2016



ヴィニタリーに行くと必ず買うものの続き。
ホント、この2冊は欠かせない。

実は雑誌の一部を別冊にしたもので、雑誌を買っても同じなのだが、別冊でコンパクトになっているのが嬉しい。
そしてヴィンタリーに行けば手に入るのも。

過去に、私が持っているのを見てオーダーした人がいるが、振込みやら、郵送料はかかるしで結構面倒なようだった。

さて、レストランに続き、今度はワイン。

言ったように、これはワインガイドではなく、ワインガイドのガイド。
レストランは点数で換算し1位からずらっと順位が出ているが、ワインは別な方法で「換算」している。

ワインの年鑑本は年とともに増え、主要なものは現在8冊。



イタリアソムリ協会AISが発行している Vitae
イタリアソムリエ協会から独立した旧イタリアソムリエ協会ローマ支部、現FIS発行の Bibenda
ガンベロロッソ創立者の一人チェルニッリ氏発行の Essenziale ai vini
レストランガイドも出している L’Espresso
おなじみ Gambero Rosso
ワイン・ジャーナリスト ルーカ・マローニ氏の Migliori vini italiani
スローフード発行の Slow wine
亡ワイン・ジャーナリスト ヴェロネッリ氏を引き継いだ I vini di Veronelli

点数で採点しているガイドもあるが、あとは、グラスやらぶどうやらで採点。
その中で、最も良いクラスのワインをエクセレントワインとして「換算」する。

Vitaeは 90点以上のワイン(ぶどうの木4本)472ワイン
Bibendaは 91点以上のワイン(ぶどう5房)591ワイン
Cernilliは 95点以上のワイン 198ワイン
L’Espressoは 20点中18点以上(ボトル5つ)223ワイン
Gamberoは グラス3つ 421ワイン
Maroniは 84点以上をお勧めワインにしているが、92点以上を対象 448ワイン
Slow wineは グランディ・ヴィーニ 408ワイン
Veronesiは スーパー3つ星 301ワイン

として換算し、幾つのガイドを「獲得」しているかを見る。

今年の全てのガイド獲得(8冊)ワインはたった1本。

サッシカイアSassicaia2012



7つまで獲得しているワインは3本。

ソライアSolaia2012
ルンガロッティのルベスコRubesco Vigna Monticchio2010
ジャンフランコ・フィーノのエス Es2013



6つまで獲得しているワインは15本
5つ獲得は22本
4つ獲得は59本
3つ獲得は130本
2つ獲得は342本

1つのみはその他ずらっとリストになっている。
そして、今年のワインというのが別にある。



赤 サッシカイア2012
スプマンテ フェラーリのリゼルヴァ・ルネッリRiserva Lunelli2007
      ベッラヴィスタのヴォットリオ・モレッティVittorio Moretti2008
      テルラーノのテルラーネル・グランデ・キュヴェTerlaner I Grande Cuvee2012
白 ヴァレンティーニのトレッビアーノTrebbiano d'Abruzzo2012
デザートワイン トラミンのテルミヌム・ゲヴルツトラミーネルTerminum, Gewurtztraminer2012

要は、それぞれのカテゴリーで最も獲得数の多かったもの。(だから、スプマンテのように一つとは限らない)

そして、今度はワイナリー。

最近はワインだけでなく、ワイナリーも評価している。
全ての本(8冊)で優良ワイナリーの評価を受けたのは4ワイナリー。



ロンバルディアのカ・デル・ボスコCa’ del Bosco
トスカーナのアンティノーリMarchesi Antinori
      サン・グイドTenuta San Guido
シチリアのタスカ・ダルメリータTasca d’Almerita

7つ獲得ワイナリー 16
6つ獲得ワイナリー 30
5つ獲得ワイナリー 53
4つ獲得ワイナリー 101
3つ獲得ワイナリー 146
2つ獲得ワイナリー 233

そして、同じく、1冊でだけ優良ワイナリーの評価がされているワイナリーはその他としてずらっとリスト。

この懲りよう。。。。。。

そして後まだ若干続くが、以上が主たる内容。

過去の評価の明記もあるが、見ると、ほぼ毎年サッシカイアは入っている。
しかし、この評価には若干落とし穴があるのは歪めない。

点数制ではないので、良いワイナリーで、生産ワインの数(量ではない)の少ないワイナリーがはるかに有利になるということである。(そのワインに評価が集中する)
つまり、バローロのようなクリュが幾つかあるところは、年によってばらつきが出てくるので不利になる。
また、ジャーナリスト、マローニ氏の評価は「フルーツの香りのあるワインvino frutto」なので(困ったちゃん。。。)、フルーツ的な味、香りの少ないバローロや、重たのあるブルネッロなどが不利になるということである。

そこであくまで参考であるが、細かく見ていくといろいろと見えてくるものがあり、面白い。



これです。2012年

サッシカイア 2012 750ml
サッシカイア
エノテカ



もう1本はこれ。これも2012年

ソライア テヌータ ティニャネロ (アンティノリ) 2012 赤 750ml
テヌータ ティニャネロ (アンティノリ)(TUSCANY)
テヌータ ティニャネロ (アンティノリ)

Fuocoammare イタリア映画 海の炎 日本でも公開!

2016-04-14 15:18:23 | 何故か突然イタリア映画
Fuocoammare 海の炎
監督 ジャンフランコ・ロージ

待望と言っても過言ではない、期待の作品。
イタリアは南の端、ランペドゥーサ島でのアフリカ難民の生と死を描いた名ドキュメンタリー



ついこの前、2016年ベルリン映画祭で「金のクマ賞」(日本語にすると名前が可愛い。森のくまさん~)を取っている。
イタリアでは2月半ばから映画館で上映されているので、映画館に観に行けばいいだけの話なのだが、やはり監督の生のインタヴューが聞ける、それもかなりプライヴェートな状態で、は、やめられない。
(いつもいつもご招待いただき、ありがとうございます~!感謝感激です)

さて、今回の上映は、映画に先立ち、イタリアの海上警備隊の方の出席、挨拶と、5分程度のプロモーションフィルムの紹介があった。

挨拶は、海上警備隊の宣伝部の部長の方。
365日、24時間活動をしている。活動は多岐にわたり、もちろん移民の救出だけではない。
挨拶後、早速質問が飛び交う。

所属は警察組織ではなく海軍。
大型の船は2槽だが、40メートル級のものはたくさんあって、絶対に転覆しない船とのこと。つまり転覆しても起き上がる船なのだそうだ。へぇ~
かなりの難民が大きな火傷をしている。それは、重油と水が混ざると化学反応を起こし、濡れた洋服でかなりひどい火傷を起こすのだそう。え~!

プロモーションフィルムもよくできていた。
5分程度だが、活動内容がよく分かるものだった。

海の消防士。陸の消防士もだが、本当の勇気を持った人たちだと思う。

さて、映画はすでに64カ国での上映が決まっていて、日本も含まれているとのこと。(日本でも上映ですよ~見てくださいね~!)

なお、今日、まさに今日、舞台になったランペドゥーサで初上映している。(天候の関係で若干予定が遅れたそう)

映画は、本当のドキュメンタリー。ドキュメンタリー風に作ったとかドキュメンタリーに若干の場面を加えたとかではなく、本当のドキュメンタリー映画。



一匹オオカミ的な監督なのだと思う。
2014年から1年にわたり、一人で島に乗り込んで(なお、それ以前はランペドゥーサ島に行ったことはなかったとのこと)撮影。
撮影したフィルムは80時間にも及び、台本があるわけでもなく、本当にそのままを撮った、本当のドキュメンタリー映画。
それも、最初の4ヶ月(!)は、カメラも持たず、人(俳優ではない)を探し、アイデアを練るためにだけ出かけたとのこと。
主役の少年、サムエルは、しばらくして見つけたそうだが、見つけた時すぐに、彼だ!と思ったそう。

今は難民問題というとオーストリアなどが問題になっているが、2014年時点では、アフリカから海上を渡っての難民問題(そして若干トルコ)が取り上げられていた時代なので、ランペドゥーサへのアフリカ難民を焦点にあてたとのこと。

映画は、少年サムエルの日常と成長、漁師、DJもやっている島の放送局、難民に関わっているドクター、海上警備隊の活動、難民たちのインタヴューなど多くの角度から取り上げられている。
その間に関連があるわけではなく、何かストーリーがあるのではないが、モザイクのように映し出され、だんだんと最も大きく、基本的な問題が見えてくる。

  「難民」。海を越えて逃げてくる。希望を持って。しかし、それは死と隣り合わせの冒険。

映画中に語られることもあるが、語られないこともある。
インタヴュー中に監督が、同じような問題を持つパキスタンの記者が熱っぽく語る。

アフリカからの航海は1週間、船は2段か3段構造、甲板は1500ドル、甲板下は1000ドル、船底は800ドルだそうだ。
悲惨なのは当然船底で、モーターから排出されるガスが入ってきて、ガス室並みだそう。
そして、先に述べた重油と水が混ざり、入ってくると洋服に沁みて火傷になる。
船底に押し込められる時、そうとは知らなかったのだろう、拒否すると暴力で押し込められる。
女性は暴行される。
映画中で、難民の女性のエコグラフィーが映るが、父親は誰かわからない。
船の操縦は、3日程度訓練を受けた程度の人が行い、グルではなく、たぶん安く乗せてもらっているだけの同じ難民。
150人乗っていれば、助かるのは100人。50人は生きて陸には上がれない。

もっと刺激的な場面も多くあったそうだが、カットして、100分に収めている。

少年サムエルの、演技ではない表情が素晴らしい。
タイトルの「海の炎」は歌のタイトルからとっている。
流れる懐かしのメロディーも画面を引き立てている。

必見。

ヴィニタリーで見たちょっと(かなり)びっくり 人が倒れる

2016-04-14 00:08:05 | もろもろ、つれづれ
Vinitalyで見たちょっとびっくり

人が倒れると、こうなるんだぁ。

午後、いい加減に疲れた頃、パビリオンとパビリオンの間の廊下にあるカフェのすぐ近くで友人のマルコと立ち話をしていた。
何を食べるわけでもなく、カフェを飲むわけでもなく、たまたま、これからどこに行く??というような話をしてた時。

突然、私は、バタン!と、かなり大きな音を聞いた。
マルコは、突然、oh dio!(あれ~)と叫んだ。
かなり真剣な顔。
びっくりして振り向くと、人がまっすぐ、見事にまっすぐ硬直して、目を開けたまま倒れていた。

今度は、私が oh dio!
ひえ~ ひえ~ ちょっとやばいかも???
目はピカッと見開き、棒のようにまっすぐ、完全に意識がなく、すごい硬直。
35歳くらいの細身、背の高い男性で、本当に棒のように、すごい硬直状態。

一瞬、みんなびっくり、どうしたらいいのか分からないモードで、こっちが硬直しそうな感じだった。
しかし、一大事だと悟り、動き出す。
すぐ隣にいた人が頭を触ってみる。まだ硬直。
少し抱き起こすようにしても、まだ硬直。全く意識がない。目は見開いたまま。

医者~ 救急車~ とみんな叫んでいる。
足、足を上げた方がいいよ!と叫んでいる人もいる。
私は、私が入るジャーナリスト専用の入り口のところに医務室があるのを知っていたので(いつも、何かあったらここにある、となんとなく思っていた。。。)インフォメーションは?
マルコは、日本でいう110番に電話をかけようとしていた。

と、わずか2-3分ほどで、多分巡回していた救急隊員が様子を見て駆けつけた。
それからすぐに3人くらいが来て、直ちに処置。
その頃には意識が少し戻り、硬直が少しほぐれてきている。
しばらくして、一応半身を起こせるようになった。

大きく、ほっ!

あのままだったらどうしよう。。。。。。。。。。。。と本当に心配した。

偶然、倒れるのを見たマルコは、本当に棒が倒れるようだった、と語るし、その瞬間は見なかったが、すごい音だったし(相当頭を打っただろうなぁ)棒が倒れたままの状態を見たのは初めて。

それにしても、今年は、巡回の人の数が違う(かなり多い)と思ったが、お見事。
イタリアもなかなかやるね~!と思った瞬間でもあった。


さて、その日の夜、ローマまでの帰りの列車に乗る。
15分くらいして、アナウンスが流れる。
車内にお医者様はいませんか?いたら至急6号者にいらしてください、と。
あれ~ 私の乗ってる号車だぁ。でも、満席で、私の席の後ろ、だいぶ離れたところのようで、詳しい様子は分からない。

なんでまた???

数分後には睡魔が襲ったのでその後のことは分からない。

飲み過ぎにはくれぐれも気を付けましょう。