乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

映画『八犬伝』 山田風太郎作 2024年

2025-03-12 | 映画

 

 映画『八犬伝』 山田風太郎作 2024年

 

 

 映画『八犬伝』を見た。

 筋書きも役者も大変興味深く感じ、時間が短く感じられた。

 

 大筋の筋書きもいい。

 北斎との掛け合いは最高。

 途中の劇中劇や、芝居の感想や、鶴屋南北とのやり取りも興味深かった。

 また、最後の妻の嫉妬の「ちきしょう」という言葉が、わたしの心には刺さった。

 

 気になった細かな点が一点。

 ふせ姫の墓の上部が加工でわざわざ【里見】という名を付け加えられていた。

 やはり【里見 ふせ姫】のお墓の方が適切であったのか。

 加工があからさまで、跡が良すぎるだけに、気にかかった。

 

 話半ばになる頃には、私には役所さんは完全に滝沢馬琴に見えていた。

 

 

 映画を教えて下さいました御方に、この場を借りて御礼申し上げます。

 ありがとうございました。

 

 写真は、かわいい?モモちゃん^^

 

 今回も見たという簡単な記録のみにて失礼いたします^^

 

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カフカ『田舎医者』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

2025-03-12 | フランツ・カフカ/ 安部公房

 カフカ『田舎医者』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

 

 カフカの短編『田舎医者』を読む。

 文庫本の短編集に載っているので読んでいたはずだが、忘れていた。

 以前読んだときは、どう考えたのであろうか。

 短く簡単な分だが、難解だ。

 

 カフカが『田舎医者』をしたためたころ、カフカは結核を患っていた。

 その彼が、どういった気持ちでこの小説を書いたのか。

 おそらく一気に書き上げられたであろう『田舎医者』

 小説なのに、戯曲の香りがする。

 自分なら、此処の場面をどう演出するかと考えると、非常に愉快な小説である。

 

 医者の苦悩、非常り、身に降りかかった悪運を医者は苦笑しながらも運命と受け入れる。

 

「裸にしろ、裸にすれば治すだろう

 裸にしても治さなければ、殺してしまえ!

〝ただの医者〟、おまえは〝ただの医者〟」

、、、、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、、、

「よろこべ、おまえたちは患者さん

 先生がベッドでともねしてくれた」

、、、、、、、、、、、、

 (そして家に帰ると)

 してやられた!してやられた!

 

 なんといたたまれぬ不条理さ。

 なんと哀れな田舎医者。

 

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カフカ『新しい弁護士』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

2025-03-12 | フランツ・カフカ/ 安部公房

 カフカ『新しい弁護士』  『カフカ小説全集4 変身』池内紀訳 白水社

 

『新しい弁護士』

 新しい弁護士である。名前はドクトル・ブケファロス。外見はマケドニア王アレクサンドロスの軍馬だったころの面影はほとんどない。しかし、消息通にはわかるようで、つい先立って私自身が正面の外階段で目撃したのだが、競馬好きの裁判の傭(やと)い人が、しがないなじみの客の目でもって高々と足をあげ、大理石のカツカツと音をたててのぼっていく弁護士を、じっとみつめていた。

 弁護士会はブロッケスの入会を承諾した。きちんと見通したうえで言い交したところだが、今日の社会秩序にあってブロッケスは身の置き所がなく、その世界史における意味合いからも受け入れて当然なのだ。今日この頃―――この点、なんぴとも否定しないであろう―――大王アレクサンドロスはいない。マケドニアは小さすぎるといって父君フィリッポス二世を罵っている連中も多い。しかし、誰ひとり、まったくもって誰ひとり、インドへ兵を勧めるなんてことはできないのだ。すでに大王のころにもインドの門は遠かった。しかしともかく大王の剣はインドを指差そうとはしない。剣を持っていても、ただ振り回すだけ。それを目で追って、うろたえている。

 だからブケファロスがしたように法律書に潜り込むのが最良かもしれない。乗りての足の脇腹をけられるおそれもなく、のびのびと、静かな明かりの下で、洗浄のざわめきから遠い所で、古い書物のページをくって読みふける。

 

  『新しい弁護士』を写す

 

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