新古今集 雑上 1499 紫式部 小倉百人一首 57
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
『紫式部解説 HP』◇広島の演出家、三澤憲治による「源氏物語ウェブ書き下ろし劇場/『紫式部集』解読
曼珠沙華と宇治の平等院
今回は彼岸花では無く、曼珠沙華にしました。
平等院には 曼珠沙華という言葉が似合うような気がいたします。
曼珠沙華を『ホトトギス 季寄せ』稲葉汀子編に見ると、「まんじゅさげ」「ひがんばは」「まんじゅしゃげ」とあります。
「まんじゅさげ」はウィキには載っていませんでしたので、驚きました。
「沙」をネットでひくと、つぎのようにありました。
いさ‐ご【砂・沙・沙子】-日本国語大辞典
1 〔名〕石のきわめて細かいもの。すな。すなご。まさご。*書紀〔720〕神功元年三月・歌謡「たまきはる内の朝臣(あそ)が 腹内(はらぬち)は 異佐誤(イサゴ)あれや いざ闘(あ)はな我は」
2 いさご 長(ちょう)じて=巖(いわお)[=岩(いわ)]となる-日本国語大辞典
砂が成長して大きな岩となる程の長い期間をいう。人の命や権勢が長く続くことを祝っていうことば。さざれ石の巖となる。*古今〔905~914〕真名序「砂長為巖之頌。洋々満耳」*宇津保〔970~999頃
3 いさご に 金(こがね)泥(でい)に蓮(はちす)-日本国語大辞典
煩悩(ぼんのう)の泥の中にあっても、さとりの花を開いていること。つまらないものの中にも、優秀なものがまじっていること。*謡曲・阿古屋松〔1430頃〕「砂に金、泥に蓮濁りに染(し)まぬも人の心によるもの
Feペディアとの一致 - Feペディア(出典:Wikipedia 提供:ニューズウォッチ)
1 沙
沙(しゃ)は、10-8(1億分の1)であることを示す漢字文化圏における数の単位である。塵の10倍、繊の1/10に当たる。なお、沙という字には、「川などの水辺から出来た比較的粒の細かい砂」という意味がある
2 沙依巴克区⇒サイバグ区
3 沙溢
沙 溢(シャー・イー、1978年2月15日 - )は中国の俳優。中国人民解放軍芸術学院表演系を卒業し、現在は中国人民解放軍空政話劇団に所属。主な出演作品 テレビドラマ 上錯花轎嫁對郎 危險進程 滄海
『ホトトギス 季寄せ』稲葉汀子編より 写す ▼
曼珠沙華
だしぬけに咲かねばならぬ曼珠沙華 後藤夜半
赤も亦悲しみの色曼珠沙華 中村芳子
『仮名手本忠臣蔵~大序・三段目』『仮名手本忠臣蔵~四段目』
先日亡くなられた中村芝翫丈の名演技が光る『仮名手本忠臣蔵~大序・三段目』『仮名手本忠臣蔵~四段目』を見た。
『仮名手本忠臣蔵~大序・三段目』では 中村芝翫さんと富十郎さんの間が素晴らしい。
富十郎さんの憎々しげな助平面(役柄)と中村芝翫さんの品の良い所作と表情のギャップは見事。
塩冶判官(芝翫)の美しい妻(時蔵)にいいより、ふられ、後に塩冶判官は一通の手紙を持ってくる。
【さらぬだにをもきがうへの小夜衣わがつまならぬつまな重ねそ】(新日本古典文学大系 (緑) 写す)
「ぅん?新古今か……。淑女じゃのう…淑女じゃ、淑女じゃ。淑女じゃのう!(要約)」
高師直(富十郎)の「ぅん?新古今か……。淑女じゃのう…淑女じゃ、淑女じゃ。淑女じゃのう!」に始まり、
「おぬしのような人間を,井の中の鮒(フナ)というんじゃ。(と,理由が続く)」
「おぬしの顔が鮒に似てきおったわ。鮒じゃ鮒じゃ。」
………など、聞くに絶えない悪口雑言を浴びせ続ける。
これが発端となり、刃傷沙汰に発展。
とらえられた塩冶判官の切腹の場である『仮名手本忠臣蔵~四段目』へと続く。
『仮名手本忠臣蔵~四段目』の芝翫丈の、
「良之助はまだかぁ~っ。」
「はぁあぁ…,まだ…で…ございま…すぅ……」(芝雀)
は、見事。
1986年中村芝翫丈の『仮名手本忠臣蔵~大序・三段目』『仮名手本忠臣蔵~四段目』は素晴らしい舞台だった。
新古今和歌集の【さらぬだにをもきがうへの小夜衣わがつまならぬつまな重ねそ】の【つまならぬつまな重ねそ】の部分だけ覚えていたわたしは、まず『八代集総索引』で調べ、【さらぬだに重きが上のさよ衣わがつまならぬつまな重ねそ】に辿り着いた。
面白いことに岩波の赤では1964、岩波の緑では1963となっていた。
解説を読むと緑の方が具体的で分かりやすい。
(新日本古典文学大系 緑 写す ▼)
新古今和歌集 1962 寂然法師
不邪淫戒(ふじゃいんかい)
さらぬだにをもきがうへの小夜衣わがつまならぬつまな重ねそ
ただでも夜の衣は重いのに,その上に自分のただでさえ重い夜具の上に、自分の褄(つま)でない衣の褄(つま)を重ねるな。
女犯そのものの罪が重いのに,そのうえ、わが妻でない人妻との関係を重ねてはいけない。『唯心房集』
さらぬだに = 邪淫なだけでなく、女犯はすべて煩悩に染まった重い罪
『仮名手本忠臣蔵~大序・三段目』に【さらぬだにをもきがうへの小夜衣わがつまならぬつまな重ねそ】を持ってくるのはぴったりだと感じた。
仮名手本忠臣蔵~大序・三段目
出演:中村芝翫 市川團十郎 中村時蔵 中村橋之助 中村富十郎
1986年
120分
カラー
衛星劇場では三ヶ月連続企画として、昭和61年の名舞台『仮名手本忠臣蔵』の秘蔵映像をテレビ初放送でお届けする。 「大序・三段目」 <鶴ヶ岡社頭兜改め・足利館門前進物・同松の間刃傷> 「大序」は荘重な雰囲気のなかこれから起こる事件の発端を描く場面で、儀式性、色彩美に満ちた一幕。「三段目」は塩冶判官が高師直の悪口雑言に耐えかねて刃傷に及ぶまでの心理描写がみどころ。芝翫の塩冶判官、團十郎の桃井若狭之助、時蔵の顔世御前、そして富十郎の高師直という豪華顔合わせで。(1986年/昭和61年2月・歌舞伎座)
仮名手本忠臣蔵~四段目
出演:中村芝翫 片岡孝夫(現・仁左衛門) 市川左團次 中村芝雀 中村時蔵 市川團十郎
1986年
105分
カラー
衛星劇場では三ヶ月連続企画として、昭和61年の名舞台『仮名手本忠臣蔵』の秘蔵映像をテレビ初放送でお届けする。 「四段目」 <扇ヶ谷塩冶判官切腹・同表門城明渡し> 「四段目」は、死装束を身にまとい最期の時に臨む塩冶判官、駆け付ける大星由良之助、そして由良之助が仇討ちの決意を固める幕切れまで、緊迫感に満ちた重厚な場面が続く。芝翫の塩冶判官、團十郎の大星由良之助、時蔵の顔世御前、孝夫(現・仁左衛門)の石堂右馬之丞という豪華顔合わせで。 (1986年/昭和61年2月・歌舞伎座)