122;『鳥獣虫魚の文学史 2 鳥の巻』
『鳥獣虫魚の文学史 2 鳥の巻』 147ページから最後まで
鈴木健一編
三弥井書店
平成23年8月
P.363
2800円
公式サイトより ▼
古典文学作品の中で鳥、獣、虫、魚がいかに表現され、どのような存在として描かれたのか、いきものに焦点をあて、文学史の構築を試みた本邦初の書!人間存在を鳥獣虫魚の側から逆照射することによって古典文学における鳥獣虫魚と人間との関係性の変遷を明らかにする。
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【目次】
鳥の自由さと不自由さ(鈴木健一)/『風土記』に描かれた鳥(兼岡理恵)/『万葉集』のひばり(根来麻子)/『竹取物語』「燕の子安貝」(吉田幹生)/『伊勢物語』の都鳥(近藤さやか)/『蜻蛉日記』道綱鷹を放つ(吉野瑞恵)/『源氏物語』「雀の子を犬君が逃がしつる」(今井 上)/『今昔物語集』の「屎鵄」(蔦尾和宏)/『平家物語』富士川合戦の水鳥(平藤 幸)/鶯詠の変遷─夏鶯・冬鶯をめぐって(小山順子)/鷹百首(木村尚志)/歌ことば「鴫の羽がき」(岡凬真紀子)/能「善知鳥」(姫野敦子)/『勧学院物語』の社会とキャラクター造形─高貴な雀の物語(伊藤慎吾)/『鴉鷺合戦物語』(沢井耐三)/『諸艶大鑑』の美面鳥(井上和人)/祇園南海「詠孔雀」(壬生里巳)/賀茂真淵の鷲詠(高野奈未)/『絵本見立百化鳥』(木越俊介)/『南総里見八犬伝』の大鷲(大屋多詠子)/『椿説弓張月』の鶴(糸川武志)/あとがき/執筆者紹介
前回古典講義との強粒分があったので、取り急ぎ記録した。
今回は147ページから363ページまで。
難しい内容で興味深い物は5、6度読んでみたが、理解で来ているかどうかは別問題。
とても面白かった。
前回は『竹取物語』「燕の子安貝」(吉田幹生)だけをメモしておいたが、146ページまでに他にもとても興味のある内容があった。
そして今回、147ページから363ページまでの間で、ほんの少しだけ 簡単にメモをとっておこうと思う。
能「善知鳥」(姫野敦子)
『藻塩草もしおぐさ』
「血の涙」が人の身を損ずると記されている。
地獄において、怪鳥と変じた善知鳥は、猟師をせめさいなむのである。
娑婆にては。…………………………………………………………………。201
ここから興味ある内容が続く。
どのように表現するのか、能楽「善知鳥」を聴きたい。
『勧学院物語』の社会とキャラクター造形─高貴な雀の物語(伊藤慎吾)
『勧学院物語(雀草子)』の世界
擬人名 215
擬人化表現の型
擬人化の絵画表現
「頭部異類型」「異類着装型」 223
擬人化と原型の違い
雀が擬人化されず原型の理由など
擬人化表現の型と 擬人化と原型の違い伸び便にとても興味を持った、
歌舞伎でも動物や鳥や虫を 擬人化したり原型のまま使う芝居を思い浮かべ、なるほどと納得した。
『諸艶大鑑』の美面鳥(井上和人)
美面鳥 架空の鳥 『諸艶大鑑』西鶴
二代男にする使命をおびて飛来した美面鳥
(人間の女性と鳥とのキメラ→迦陵頻伽 )257ー
女護の島
迦陵頻伽をパロディ化
好色一大男の最終章
「世之介涅槃図」
賀茂真淵の鷲詠(高野奈未)
賀茂真淵
『賀茂翁家集』
万葉調
『絵本見立百化鳥』(木越俊介)
五もん鳥。あべ川に住。
一名きなこ鳥といふ。
卵をあんころといふ。
うまひうまひと鳴く。
あふ木 御影堂に多し。花は正月さく。実は夏なり。
汗とり あついあついと鳴く。木陰をよろこぶ鳥にてよく水をのみ。瓜を食う。
かごか木 道中。また辻辻に生る。木ぶりいやし。此木のこやしに酒を飲む。花はたまたま遊所に咲く。
駄賃鳥 道中に多し。坂はてるてると鳴。朝鳴く時はいさぎよし。大酒のみ。餅を喰ふ。毛きたなし。
さかづ木 花は祝儀の座につき。実は上戸になる。
口とり 酒の間へ出てさへづる。毛色取合次第
シテワ木 謡講に生きる。花は声。実は節といふ。此木四種あり。風情なる木。
一鳥(いってう) やはあぽんぽんと鳴く。間のよき鳥にてとく肩にとまる。大鳥は手の下にとまる。
幕明木 花やかなる木にて。詠多し。霜月朔日をさかりとす。花は二番目実を三番目といふ
頭鳥 あどを鳴くなり。がく屋に住む
小野恭靖『ことばあそびの文学史』『ことばあそびへの招待状』(新典社)
中村幸彦『遊戯論』(『著者集』8 中央講論社 1982)
多田克己・京極夏彦 『百鬼解読』(講談社文庫 2006年)
『南総里見八犬伝』の大鷲(大屋多詠子)
猿之助劇団の芝居と、『南総里見八犬伝』を思い浮かべながら読む。
『戯場訓蒙図彙』しばいきんもうずい
歌舞伎においても鷲は子を襲う鳥として認識されていた。
鷲は鳥の中でも最も強いと位置づけられてきた。
『優曇華物語』うどんげ
鷲に襲われ生還
黒いホクロが証拠 → 歌舞伎『双蝶々曲輪日記』ふたつちょうちょうくるわにっき
とくに『引窓』は何度楽しんだことだろう。
長五郎の右頬の父親譲りのかたみのホクロ
『花衣いろは縁起』大阪竹本座初演
三之助を守るため
「方便の殺生は菩薩の六度万行にもまさる」
高野餌食になる所を……
「けだかき生まれつき…………。」
この話は絵金画屏風に描いており、記事にされている方がいらっしゃいました。
絵金ぜよ!その2 -私の絵金考- 2010/07/24/(Sat) 木村了子さまのブログ
『鳥獣虫魚の文学史』1・2 「獣の巻」「鳥の巻」を読むきっかけを下さいました先生に感謝の気持ちを申しあげたいと思います。
ありがとうございました。
わたくしの読み込み力が浅いことをお詫びいたします。
失礼があればお許し下さいませ。
自分の興味深い箇所のほんの一部をメモさせていただきました。
今日も簡単な記録だけで失礼いたします。