乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

南座 九月花形歌舞伎 『通し狂言 壽三升景清』海老蔵 左團次 友右衛門 右之助 市蔵 翫雀 孝太郎 亀三郎 

2014-09-16 | 歌舞伎


 京都四條南座 九月花形歌舞伎 『通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)』

 

 

 

 
 九月某日
 十代から慣れ親しんだ南座に行く。
 とは言え、今や桟敷席は無く、食堂に着物姿の関係者や法被姿の大向こうの方々は見られない。
 幕間にすすったうどんのお味が懐かしい…。

 今回見たのは『通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)』
 芝居を見ないと調子が出ないので、出演者に関わらず舞台を楽しむ事にした私。
 今回は海老蔵さんが主役。

 花形歌舞伎とは言え、 翫雀さん、孝太郎さん、亀三郎さん、大谷廣松さん、市蔵さん、市川右之助さん、市村 家橘さん、大谷友右衛門さん、左團次さん(歌舞伎美人 記述順)という具合に脇を固めておられ、舞台として全体を通して、大変楽しかった。
 特に左團次さんの見得、市川右之助さんの台詞の言い回し、市蔵さんのこなれたコミカルな仕草に目を見開いてみていた。
 また、翫雀さんの格好良さと上品さ、見るごとに艶をまし、演技が仁左衛門さんに似てこられる孝太郎さんにも見入っていた。
 ことに翫雀さんの白塗り姿は藤十郎さんを思わせ、美しくってたまらない。
 大谷友右衛門さんも市村 家橘さんさんも亀三郎さんも大谷友右衛門さんも好き。
 そんな中で海老蔵さんは自由に泳がれていた。
 そういえばエビって後方に逃げるのが早かったな…。

 今回、花道での翫雀さんと海老蔵さんとの会話に和んだ。
                   翫雀さん、素敵!

 牢破りの場になり、ほとんど台詞がなく、海老蔵さんは大胆この上ない見得をきり続けておられた。
 海老蔵さんは台詞がなく見得をきり続けて下さると、衣装も立ち回りも楽しく、舞台は華やいだ。
 良い意味で、これが海老蔵さんなのかと感じたような気がした。

 わたくしが観劇した日、『通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)』は割合に空席が目立った。
 前列中央が空席で、もったいないなと感じた。
 左團次さん、右之助さん、市蔵さん、翫雀さん、孝太郎さん、亀三郎さん達を間近で見てみたかった。
 おしいなぁ~~


    まぁ!そんなこんなで楽しいお舞台でごじゃりました。
    まぁ!そんな感じ☆

 

九月花形歌舞伎
平成26年9月2日(火)~26日(金)

昼の部

通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)
   
悪七兵衛景清 市川 海老蔵
猪熊入道/秩父庄司重忠 中村 翫 雀
阿古屋 片岡 孝太郎
梶原源太 坂東 亀三郎
梶原妹白梅 大谷 廣 松
うるおい有右衛門/岩永左衛門 片岡 市 蔵
花菱屋女房おさく 市川 右之助
源範頼 市村 家 橘
仁田四郎 大谷 友右衛門
鍛冶屋四郎兵衛実は三保谷四郎 市川 左團次


 


通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)

歌舞伎十八番に描かれた悪七兵衛景清の世界
―『関羽』『鎌髭』『景清』『解脱』―
大好評の話題作がいよいよ南座にお目見得!

 悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)は、壇の浦の合戦の後、源氏全盛の世を恨み、無敵の英雄として活躍する夢を見ます――。魏の武将の館に関羽は、ただ一騎で攻め入り兵を蹴散らして立ち去ります。この関羽こそ無敵の英雄となった景清なのでした。

 ところは変わり、大山崎にある鍛冶屋。この家の主として身を窶(やつ)す三保谷四郎や猪熊入道をはじめ、源氏の侍たちが景清を討ち取る計略を練っています。そこへ、六部姿の景清が姿を現します。三保谷は、髭を剃ると言って大鎌で景清の首を掻こうとしますが、刃物が身体に通りません。景清は、自ら縄にかかり、意気揚々と猪熊入道に引かれていきます。

 一方、景清の妻である阿古屋は、秩父庄司重忠の説得により、牢に捕えられている景清のもとへ向かいます。阿古屋に危機が迫るところ、重忠が現れ…。

 景清は、“反逆の英雄”として数々の伝説的なエピソードが語り継がれ、その謎に満ちた波乱の生涯は魅力的な題材として幅広いジャンルで取り上げられ、歌舞伎でもいわゆる「景清物」として多くの作品が創作されています。七世市川團十郎が撰定した「歌舞伎十八番」には、二世團十郎が初演した『関羽』『景清』、四世團十郎が初演した『鎌髭』『解脱』の四演目で景清が登場します。今初春、市川海老蔵が新たな構想のもと通し狂言として本作品を手掛け大きな話題となりました。9月に満を持して南座での初上演となります。「歌舞伎十八番」ならではの荒事の魅力が満載の『壽三升景清』にご期待ください。

 歌舞伎美人

 

 memo    『通し狂言 壽三升景清』(ことほいでみますかげきよ)

 
コメント (2)
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映画『江戸川乱歩全集 ○○○○人間』 江戸川乱歩原作『パノラマ島奇談』ほか数編 石井輝男監督 1969年

2014-09-16 | 映画
    (2014 9/9 十六夜の月、スーパームーン)


  映画『江戸川乱歩全集 ○○○○人間』

 1969年 日本
 東映=東映京都
 70分
 監督 石井輝男
 R18+
 協力 木下サーカス

 江戸川乱歩原作 『パノラマ島奇談』ほか数編を石井輝男監督が映画化。



 江戸川乱歩原作の映画を二本続けてみる。
 順序としては『江戸川乱歩全集 ○○○○人間』→『江戸川乱歩の一寸法師』

 映画作品としては『江戸川乱歩全集 恐怖○○人間』の方が出来が良いのではないかとも思われる。
 だが、内容が内容だけに、映画の題すら記録するのが気後れする。
 あえて『江戸川乱歩全集 ○○○○人間』と表記させて頂いた。

『江戸川乱歩全集 ○○○○人間』は1969年に制作された。
 江戸川乱歩があえて描いたこういった内容を、この時代はこういった表現がなされていたのだとしみじみ思った。

 学生時代に西部講堂や屋外でアングラ劇を観た事がある。
 アングラ劇も最終期を迎えた頃である。
 そんなこんなを若干思い出した。
 
 今後、江戸川乱歩の作品を映像としては鑑賞したいとは思えなかった自分に出会う。
 それもまた良し。個人の好みの問題である。
 

  
 
 出演
 吉田輝雄
 大木実
 由美てる子
 由利徹
 小池朝雄
 葵三津子
 賀川雪絵
 土方巽
 近藤正臣



 
 
 
 


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映画『江戸川乱歩の一寸法師』  江戸川乱歩原作『一寸法師』 内川清一郎監督 1955年 新東宝

2014-09-16 | 映画
   (2014 9/9 十六夜の月、スーパームーン)



  映画『江戸川乱歩の一寸法師』


1955年:新東宝
監督:内川清一郎
出演:宇津井健、二本柳寛、安西郷子、丹波哲郎、和久井勉他


『一寸法師』江戸川乱歩原作をほぼ忠実に映画化した作品
 現在では問題視され、到底映画作品としては成り立たないであろう『一寸法師』
 江戸川乱歩が意図的に映画に出てくる男を描いた。わたくしはあえてここでは語るまい。
 
 子どもの存在が大きく感じ、存在無くしては成り立たない映画であった。

 

 
 
 
 
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94:『日本妖怪異聞録』 小松 和彦 (著) 1995年(講談社学術文庫) 小学館ライブラリー

2014-09-16 | 読書全般(古典など以外の一般書)
     (写真は天狗草紙   『続日本絵巻大成19 土蜘蛛草紙・天狗草紙・大江山絵詞 』)


 

  94:『日本妖怪異聞録』(講談社学術文庫)





日本妖怪異聞録 (小学館ライブラリー) [新書]
小松 和彦 (著)
1995年8月
 (この作品は1992年5月に小学館より刊行された物)
247ページ

 

 夜中かは読み始めた『日本妖怪異聞録』を只今読了。 
 小松 和彦先生の本は複数册読んでおり内容も重複しているが、忘れている事や新たな発見も多く、何より興味のある内容なので一気に読み上げてしまった。
『日本妖怪異聞録』を読んで、『天狗草子』や博物館でオリジナルも見る事ができた『 是害坊』の内容をもう一度読み、把握せねばと深く反省する。
 今年中に『天狗草子』と『 是害坊』の絵巻物をしっかりと読み押さえておきたい。

『日本妖怪異聞録』でも絵巻物や謡曲や芝居などの多くが語られ、楽しい時間を過ごし想像を広げながら読む事ができた。 
 一概に妖怪といっても、奥が深い。
 諸国にこういった伝承は多く残され語られているが、日本の文化も大変興味深いと感じる。

 

目次
第一章 大江山の酒呑童子
日本妖怪史最強のヒーロー
酒呑童子物語を推理する
酒呑童子は越後生まれ?
酒呑童子の父はヤマタノオロチ?
酒呑童子の怨念は被征服民の魂の叫び
第二章 妖狐 玉茂前
狐は人をばかすもの
朝廷転覆を狙う、スケールの大きな妖狐譚
陰陽師の呪術が物語をリードする
歴史的事実と宗教的背景
土地に残る殺生石譚
狐は必ず美女に化ける?
第三章 是害坊天狗
天狗とはそもそも何か?
僧をだます天狗の敵は仏教
天狗とはもともとなんだったのか?
第四章 日本の大魔王 崇徳上皇
実在の人 崇徳上皇
呪われた崇徳院の出生の秘密
『太平記』にみる怨霊天狗の暗躍
天狗の内裏に行き着いた牛若丸
いまなお続く崇徳上皇の怨念
第五章 鬼女 紅葉
鬼伝説から創作された『鬼女伝説』
語り続けられた戸隠の鬼伝承
なぜ、鬼女物語が語り継がれるのか?
第六章 つくも神
妖怪たちのパレード『百鬼夜行絵巻』
百鬼夜行の目的は何か?
百鬼夜行から器物の夜行へ
『付喪神絵巻』は『是害坊絵巻』の真言宗版?
第七章 鈴鹿山の大嶽丸
宝物倉に納められた三大妖怪
鈴鹿山の鬼神・大嶽丸
大嶽丸蘇り、またも暴れ回る
第八章 宇治の橋姫
捨てられた女が鬼女となる
宇治の橋姫信仰と丑の時参り


 

あとがき
大江山の酒呑童子、那須野の妖狐・五藻前、大天狗となった崇徳上皇…。日本文化史の裏面を妖しく彩ってきた妖怪たちの実像を、異界研究の第一人者が解き明かす。
内容(「BOOK」データベースより)
大江山の酒呑童子や那須野の妖狐・玉藻前など、日本史の背後を彩ってきた妖怪の実像に異界研究の第一人者・小松和彦が迫る。
内容(「MARC」データベースより)
大江山の酒呑童子、那須野の妖狐・玉藻前、大天狗となった崇徳上皇-。日本文化史の裏面をうごめいてきた妖怪たちの実像を、異界研究の第一人者・小松和彦がやさしく解説する。1992年刊の再刊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小松/和彦
1947年東京生まれ。埼玉大学教養学部卒業。東京都立大学大学院博士課程修了。信州大学助教授、大阪大学文学部教授を経て、国際日本文化研究センター教授。専攻は文化人類学・民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。


 
 
 
 
   十六夜の月
   スーパームーン
   2014年9月9日
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