乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

93:『梁塵秘抄』女の盛りなるは 十四五六歳 二十三四とか 三十四五にしなりぬれば 紅葉の下葉に異ならず

2014-09-13 | 梁塵秘抄(今様)
  (写真は京都 花見小路)



 
 こちらは京都 建仁寺に咲いていた蓮の花  (9月中旬)
 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151





   93:『梁塵秘抄』新潮日本古典集成




 新潮日本古典集成31回(榎克朗)の『梁塵秘抄』をようやく読了。
『梁塵秘抄』は面白いので、繰り返して読みたいよ。
 併読していた(つもりの)日本詩人選22(西郷信綱)『梁塵秘抄』はまだ一部しか読んでないよ。
 困ったな。
 近々某先生のお話を拝聴したいのに、『梁塵秘抄』はもう少し知っておかないとダメだな!と、深く反省。
 この秋は精進あるのみだね(笑)

『梁塵秘抄』は面白いのでもっと多く書き写したいのだけれど、興味のある事や やりたい事が多くて時間が足りないよ。
 うれしい悲鳴かな。

 さぁ!今日も楽しい時間をつなぎあわせましょうぞ!  

 


 


  これまでに『梁塵秘抄』新潮日本古典集成から書き写した歌 ▼  

 116 女人 五つの障りあり
    無垢の浄土はうとけれど
    蓮華し濁りに開くれば
    龍女(りゅうにょ)もほとけになりにけり  P.60(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)

   極楽歌 六首
 175 極楽浄土は一所(ひとところ)
    つとめあければ程(ほど)遠し
    われが心の愚かにて
    近きを遠しとおもふなり
          P.82

 176 極楽浄土の東門(とうもん)は  
    難波の海にぞ対(むか)へたる
    転法輪所(てんぽうりんしょ)の西門(さいもん)は
    念仏する人 参れとて
          P.83

 178 極楽浄土のめでたさは
    一つもあだなることぞなき 
    吹く風 立つ風 鳥もみな
    妙(たへ)なる法(のり)をぞ唱(とな)ふなる 
          P.83
       
 179 極楽浄土の宮殿(くでん)は  
    瑠璃の瓦を青く葺(ふ)き
    真珠の垂木(たるき)を造り並(な)め
    瑪瑙(めのう)扉(とぼそ)を押し開き
          P.83-84

 180 十方仏土の中には
    西方をこそ望むなれ
    品蓮台(くほんれんだい)の間(あひだ)には
    下品なりとも足(た)んぬべし  
          P.84

 181 浄土はあまたあんなれど
    弥陀(みだ)の浄土ぞすぐれたる 
    品(ここのしな)なんなれば
    下品下(げひんげ)にてもありぬべし  
          P.84


 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151

鳥合わせ
 386 烏は見る世に色黒し
    鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し
    鴨の頸(くび)をば短しとて継ぐものか
    鶴の脚(あし)をば長しとて切るものか
          P.162

 387 小鳥の様(よう)がるは
    四十雀(しじゅうからめ) ひは鳥 燕(つばくらめ)
    三十二相 足らうたる啄木(てらつつき)
    鴛(をし) 鴨 そい 川に遊ぶ   
          P.162
               そい=カワセミ
 388 西の京行けば
    雀 燕(つばくろめ) 筒鳥(つつどり)や さこそ聞け
    色好みの多かる世なれば
    人は響む(とよむ)とも 麻呂だに響まずは(とよまずは)
          P.162
          387 燕(つばくらめ)
          388 燕(つばくろめ)

 394 女の盛りなるは
    十四五六歳 二十三四とか
    三十四五にし なりぬれば
    紅葉の下葉に異ならず        P.165

 410 頭(こうべ)に遊ぶは頭虱(あたましらみ)
    項(をなじ)の窪を極めて(きめて)食う(くう)
    くしの歯より天降る(あまくだる)
    麻小け(まごけ)の蓋にて命(めい)終わる   P.170-171

 456 恋しくは
    疾(と)う疾(と)うおはせ わが宿は
    大和なる三輪の山本 杉立てる門(かど) P.188

 457 波も聞け
    小磯も語れ 松も見よ
    われをわれといふ方(かた)の風ふいたらば
    いづれの浦へもなびきなむ        P.188

 458 須磨の浦に
    引き干(ほ)いたる網の一目(ひとめ)にも
    見てしかばこそ恋しかりけれ       P.188-189

 459 わが恋は
    一昨日(おととひ)見えず 昨日(きのふ)来ず
    今日おとづれなくは 明日(あす)のつれづれいかにせん P.189

 460 恋ひ恋ひて
    たまさかに逢ひて寝たる夜(よ)の夢は いかが見る
    さしさし きしと抱くこそ見れ             P.18

 556 東(あずま)には
    女はなきか 男巫女(おとこみこ)
    さればや神の男には憑く(つく)   p.219

 557 神ならば
    ゆらら さららと降りたまへ
    いかなる神か もの恥はする     P.219

 558 この巫女は様がる(ようがる)巫女よ
    帷子に 尻をだにかかいで
    ゆゆしう憑き(つき)語る これを見たまへ  P.219-220


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建仁寺(京都最古の禅寺) 東山区大和大路通四条下る小松町【花見小路近く】(12景)

2014-09-12 | お出かけ


 
 
 


          建仁寺

 花見小路を歩き、建仁寺を拝観してまいりました。
 
 建仁寺は京都最初の禅寺です。
 平成26年(2014年)は栄西禅師八百年大遠諱の年に当たります。
 建仁寺ではわが国の禅の礎を築かれた栄西禅師への報恩感謝と絶えることのない禅の未来を願い「開山栄西禅師八百年大遠諱法要」を厳修されるそうです。

 開山栄西禅師(千光祖師)は二度目の入宋で、天台山の虚庵懐敞禅師より臨済宗黄龍派の禅を嗣承され、建久2年(1191年)に帰朝されます。
 ここにわが国初の臨済禅がもたらされたそうです。 

 禅師は在宋中、求道修行のかたわら、喫茶の法を究め帰朝に際して茶種を将来され、喫茶の風を全国に広められ、日本の茶祖としても親しまれております。
 おもむきのある茶室も見られます。方丈の庭に心打たれ、オリジナルではないとはいえ高性能デジタル襖絵に魅了され、一人歩いておりますと、潤った時間を過ごす事ができます。
 茶室や方丈の庭や襖絵の様子はまた後日記録できればと思っております。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 宗派 臨済宗建仁寺派
 寺格 大本山、京都五山三位
 本尊 釈迦如来
 創建年 建仁2年(1202年)
 開基 源頼家、栄西(開山)
 正式名 東山 建仁禅寺
 文化財 風神雷神図(国宝)

 
 
 



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花見小路    (kyouto 4景)

2014-09-11 | お出かけ



    花見小路



 

 

 

 

 秋晴れのもと、ひとりで花見小路を歩きました。
 京都を歩くと、心は 若かりし頃の自分に戻ります。
 慣れ親しんだ街ですから



 花見小路通   京都市東山区
 花見小路通(はなみこうじどおり)は、京都市の南北の通りの一つ。
 北は三条通から南は安井北門通まで約1km、祇園の中心を通るメインストリートである。
 四条通を堺に北側と南側で雰囲気は大きく異なる。四条通以北は居酒屋などが入居するテナントビルが立ち並ぶ。
 四条通以南はもともと建仁寺の領地であったものが明治以降発展した。
 由緒ある茶屋や料理屋が立ち並ぶ。
 2001年に電線類地中化、石畳の整備が完成し、情緒ある町並みへと生まれ変わった。
      (データーはWikipedia)




     
     2014年9月中旬

 







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京都 祇園甲部歌舞練場  (4景)

2014-09-11 | お出かけ




     祇園甲部歌舞練場




 

 

 

 

 明治6年、花見小路通西側にあった建仁寺塔頭清住院が歌舞練場として改造され、第2回都をどりから使用されました。
 大正2年に現在の場所に移転し、昭和25年から3年間、修理のために四条南座で上演された以外、都をどりは毎年この歌舞練場で上演され続けています。
 父の仕事の関係でチケットを頂戴しておりましたので、子どもの頃父に連れられて毎年のように見た都をどりや京おどりです。
 花見小路を歩くと、春の花柳が感じられる都をどりを見てみたくなりました。


            データーは祇園甲部歌舞練場 公式HP




        2014年9月中旬
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十六夜の月と『小袖曽我薊色縫』(こそでそがあざみのいろぬい)俗にいう『十六夜清心』 9月9日の月(4景)

2014-09-10 | ことのは




 

 
 一点の曇りも無い十六夜の月
 
 一点の曇りも無い十六夜の月
 
 雲がかかっていてさまよっている様な十六夜の月
 
 雲がかかっていてさまよっている十六夜の月を見ると
 せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~
 と、十六夜(女性)の声が聞えてくるようです。


『小袖曽我薊色縫』(こそでそがあざみのいろぬい)俗にいう『十六夜清心』の十六夜は、女性の名ですが、中秋の名月の翌日になればこの芝居の声が聞えてきます。
 そう、
  せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~

「十六夜」は元は「猶予う(いさよう)」という一つの言葉(「ためらう」「停滞する」
という意味の動詞)が名詞化したもので「いざ+○○」という二つの言葉に分かれる
意味合いはないと思われます。

【十六夜】(いざよい)とは  (大辞泉より)
 1 進もうとしてもなかなか進めない。躊躇(ちゅうちょ)する。ためらう。
「傾きかかった月の光が、―・いながら、残っている」〈芥川・偸盗〉
 2 進まないでとまりがちになる。停滞する。とどこおる。

  せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~

 月の出は満月の「日没頃」と比較して昇って来るのがだんだん遅くなってき、「月が出るのが待ち遠しい」という意味で「月待ち」の
行事として月の呼び名をいろいろと変えていったそうです。
 十六夜以降は(月が昇って来るのが遅いので)「待ちくたびれた」→月が出るのを、立って待つ・家に入って待つ・寝て待つ・夜更けまで待つといった呼び名になっていきます。

  せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~


 いざよい
 ためらってぐずぐずすることで,“十六夜の月”は,ためらうように、昇ってくる満月の翌日の月を表した呼び名です。

  せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~

 いざよい
    →いざ!宵

  せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~


 日が沈めばすなわち宵始まり

  せいしんさまぁ~、清心さまぁあ~

             なのでじゃりまする。


 ちなみに
 わたくしにとっての『小袖曽我薊色縫』(こそでそがあざみのいろぬい)又の名の『十六夜清心』の清心様は、片岡仁左衛門丈のイメージが強うございます。←あほか^^;;


 
 
 
 

 



      2014年9月9日の月


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2014年南座 顔見世 あら!うれしや!の、演目と出演者が発表されました☆

2014-09-09 | 舞台・音楽 雑感メモ


   

 今年の顔見世は…
         最高!

 これは通わねばなるまいて…☆


 ちなみに今日はまだ、
 南座にチラシもポスターもありませんでごじゃりました。
                 …て、
                 あったりまえですやん^^;;




京都四條南座

京の年中行事
當る未歳 吉例顔見世興行
  新檜舞台開き 東西合同大歌舞伎
平成26年11月30日(日)~12月26日(金)

昼の部

一、玩辞楼十二曲の内 藤十郎の恋(とうじゅうろうのこい)
   
坂田藤十郎 扇 雀
宗清女房お梶 孝太郎
恋飛脚大和往来
二、新口村(にのくちむら)
   
亀屋忠兵衛 梅 玉
傾城梅川 秀太郎
才造 松 江
万歳 進之介
孫右衛門 我 當
新皿屋舗月雨暈
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
   
魚屋宗五郎 幸四郎
磯部主計之助 橋之助
磯部家召使おなぎ 高麗蔵
小奴三吉 亀 鶴
家老浦戸十左衛門 友右衛門
宗五郎女房おはま 魁 春
十八世中村勘三郎を偲んで
四、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
七段目 祗園一力茶屋の場
   
大星由良之助 仁左衛門
遊女お軽 七之助
大星力弥 壱太郎
寺岡平右衛門 勘九郎
夜の部

一、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
九段目 山科閑居の場
   
本蔵妻戸無瀬 藤十郎
大星由良之助 梅 玉
大星力弥 扇 雀
本蔵娘小浪 壱太郎
由良之助妻お石 秀太郎
加石川本蔵 幸四郎
二、お祭り(おまつり)
   
鳶頭松吉 仁左衛門
三、鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)
   
菊地半九郎 橋之助
遊女お染 孝太郎
坂田源三郎 亀 鶴
遊女お花 七之助
坂田市之助 扇 雀
四、爪王(つめおう)
   
狐 勘九郎
鷹 七之助






























































一週間以上たちましたが、今も、美しく咲いています ▼

































  データーは松竹株式会社 歌舞伎美人
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memo    『通し狂言 壽三升景清』(ことほいでみますかげきよ)

2014-09-08 | 舞台・音楽 雑感メモ


 『通し狂言 壽三升景清』(ことほいでみますかげきよ)





 三省堂 大辞林
【三枡・三升】(み ます )
 枡紋の一。三つの枡を入れ子にしたさまをかたどったもの。歌舞伎俳優市川団十郎の紋。みますがた。



 壽三升
 普通にそういう意味だったのね^^v
 それにしても、三升、三益、観ます…って、縁起がいいわね。

『通し狂言 壽三升景清』は色々な芝居が集められて、歌舞伎の醍醐味を取り入れた上で新作歌舞伎らしい舞台を作り上げているようね。

 今日のうちに『観世流謡曲百番集』でも、読んでおこうかしらん^^





『景清』(かげきよ)とは
 歌舞伎十八番のひとつ。
 あらすじ   Wikipedia▼
 平家滅亡後、悪七兵衛景清は捕らえられ、鎌倉問注所にある土牢に押し込められている
 その景清を源氏の味方につけるため、また平家の重宝である青山の琵琶と青葉の笛の行方を尋ねるために、秩父重忠と岩永宗連が土牢を訪れるが景清は相手にしない。
 そこで岩永が景清の妻である阿古屋と娘の人丸、さらに平敦盛の遺児である保童丸も引き出して脅すが、「取り所の無いうつけ」と罵るばかりである。
 それを見ていた重忠が箏と胡弓を用意し、阿古屋に箏を、人丸に胡弓を演奏させる。妻や娘の手になる音曲を聞かせて、心情を和らげようという作戦であった。
 すると箏と胡弓からそれぞれ雲気が立ちのぼる。重忠はこの雲気の行く先にこそ青山の琵琶と青葉の笛があると断じるが、岩永は重忠のすることは手ぬるいと、人丸を責めようとするのでついに景清は怒りを爆発させ大暴れし、牢を破って阿古屋たちを逃がす。
 それをやらじとする岩永を、頼朝公より三度までは見逃せとの仰せであると重忠がとどめ、景清は再会を約して去っていった。


 解説
 この芝居は『牢破りの景清』とも呼ばれる。
 景清が牢を破るという荒事芸を見せるものであるが、『勧進帳』や『矢の根』のように終始音曲が入る。
 また阿古屋と人丸がそれぞれ箏と胡弓を演奏するのは、享保17年(1732年)の9月に大坂竹本座で初演された人形浄瑠璃の『壇浦兜軍記』の影響があるのではないかといわれる。
 初演は享保17年中村座、二代目市川團十郎の景清とされるが、この時上演された内容が牢破りであったかどうかは不明であり、牢破りをする景清で間違いないのは元文4年(1739年)7月の市村座、『初髻通曽我』(はつもとゆいかよいそが)の四番目に『菊重栄景清』(きくがさねさかえかげきよ)の外題で上演されたものだという。
 この時の景清は市川海老蔵(二代目團十郎)で外記節を使った。牢を破るという趣向の景清は團十郎以外の役者も演じていたが、二代目團十郎が演じて以来『牢破りの景清』は市川家のお家芸となった。
 のちに天保13年(1842年)3月、河原崎座で五代目市川海老蔵が景清を演じたとき、それまで外記節や大薩摩節を使っていたのを改めて常磐津節とした。
 ところがこの興行中に海老蔵は幕府からお咎めを受け、興行は即刻中止、海老蔵本人は手鎖ののち江戸十里四方追放の処分となり、「景清は牢を破って手錠食い」と世の人から言われるに至った。
 景清の衣裳に本物の鎧を着込んでいたのが処罰の理由になったという。
 この事により九代目市川團十郎は、市川家にとっては縁起の悪い芝居であるとしてこの『景清』を演じることは無かった。

 そののち明治41年(1908年)の歌舞伎座で、九代目團十郎の弟子だった七代目松本幸四郎の景清で上演された。
 そして昭和48年(1973年)には海老蔵時代の十二代目市川團十郎が上演し、およそ百年ぶりに市川家の役者が景清を演じたが、この時常磐津をやめて大薩摩に戻した。
 團十郎はその後2回ほど演じている。
 なお現行の舞台は、舞台正面および左右が全て黒い岩組で中央の洞(ほら)に牢格子がはまるという大道具であるが、古くは『勧進帳』のように能舞台を模した舞台の中央に、土牢の作り物が置かれるというものだったようである。






 歌舞伎十八番に描かれた悪七兵衛景清の世界 データーは松竹株式会社歌舞伎美人HPよりお借りしました。
 ―『関羽』『鎌髭』『景清』―
 悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)は、壇の浦の合戦の後、源氏全盛の世を恨み、無敵の英雄として活躍する夢を見ます――。魏の武将の館に関羽は、ただ一騎で攻め入り兵を蹴散らして立ち去ります。この関羽こそ無敵の英雄となった景清なのでした。

 ところは変わり、大山崎にある鍛冶屋。この家の主として身を窶(やつ)す三保谷四郎や猪熊入道をはじめ、源氏の侍たちが景清を討ち取る計略を練っています。そこへ、六部姿の景清が姿を現します。三保谷は、髭を剃ると言って大鎌で景清の首を掻こうとしますが、刃物が身体に通りません。景清は、自ら縄にかかり、意気揚々と猪熊入道に引かれていきます。

 一方、景清の妻である阿古屋は、秩父庄司重忠の説得により、牢に捕えられている景清のもとへ向かいます。阿古屋に危機が迫るところ、重忠が現れ…。

 景清は、“反逆の英雄”として数々の伝説的なエピソードが語り継がれ、その謎に満ちた波乱の生涯は魅力的な題材として幅広いジャンルで取り上げられ、歌舞伎でもいわゆる「景清物」として多くの作品が創作されています。七世市川團十郎が撰定した「歌舞伎十八番」には、二世團十郎が初演した『関羽』『景清』、四世團十郎が初演した『鎌髭』『解脱』の四演目で景清が登場します。今初春、市川海老蔵が新たな構想のもと通し狂言として本作品を手掛け大きな話題となりました。9月に満を持して南座での初上演となります。「歌舞伎十八番」ならではの荒事の魅力が満載の『壽三升景清』のようです。

 







   
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92:『稲生物怪録絵巻集成』(杉本好伸編 国書刊行会出版)から『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)

2014-09-07 | 絵巻物、縁起絵巻、巻物、絵解き掛け軸、屏風


  

   92:『稲生物怪録絵巻集成』(杉本好伸編 国書刊行会出版 304ページ)から『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)


 

 

 

 今読んでいる本に『稲生物怪録絵巻集成』があります。
『稲生物怪録絵巻集成』はこれまでにも色々な本に載っており、絵巻物の一部分を読んだことがありました。
 今回は稲生物怪録のうち、絵本です。

 絵巻と絵本では全く内容が違います。
 しかし、話の展開の形式は同様です。

『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)と『稲生平太郎物語』(東北大学付属図書館(狩野文庫)所蔵)と『稲生物怪図記』(西尾市岩瀬文庫所蔵)比較しながら、絵を見たりざっと飛ばし読みしますと、それぞれの面白さを感じます。

 今読んでいる絵本は『稲生物怪録絵巻集成』(杉本好伸編 国書刊行会出版 304ページ)から『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)。
 絵本三作品のうち『稲生逢妖談』だけは比較的丁寧に読んでいます。
 
 絵本でも『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)と『稲生平太郎物語』(東北大学付属図書館(狩野文庫)所蔵)は絵も文(の長さや内容)も似ており、『稲生物怪図記』(西尾市岩瀬文庫所蔵)は少し短く無いようも違う事が多いようです。
 絵本三作品を(適当に…笑)比較しながら『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)を中心に 今のところ、十夜まで楽しむことができました。

 写真は九夜目。
『稲生逢妖談』は大変面白い絵本ですが、特に「九夜乃夜」は何ヶ所も大笑いの連続でした。
『稲生逢妖談』は絵も文も楽しいですね。

 あっぱれじゃ!
         …と、思わず両手を上げてみたくなります。

 

 ここのところ夕刻になると 風にのせ、小雨にのせ、コオロギやスズムシの音色がすずやかです。
 秋の夜長に稲生物怪録はなんだか似合います。

 

 

 

 





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龍田大社 「名に負(か)へる社に 風祭せな」万葉歌 巻9 1751(日本の古典文学全集7、 三郷町HP)

2014-09-07 | ことのは


    龍田大社 「名に負(か)へる社に 風祭せな」万葉歌 巻9 1751 『万葉集2』日本の古典文学全集7 小学館、奈良県 三郷町HP




 先日のこと。龍田大社に行き、高橋虫麻呂の歌碑を見ました。
 日本の古典文学全集7(小学館)を開けてみますと、
   尾(を)の上の 桜の花は 滝の瀬(せ)ゆ 散らひて流る 君が見む その日までには 山おろしの 風な吹きそと…名に負(か)へる社(もり)に 風祭(かざまつり)せな
      と、ありました^^


 

 
 龍田大社境内 高橋虫麻呂の歌碑
 



 難波(なには)に経宿(やど)りて明日(あくるひ)に還り(かへり)来る(くる)時の歌一首 并せて(あわせて)短歌

 万葉歌 巻9 1751
 島山を い行き巡れる 川沿い(かわしひ)の 丘辺(をかへ)の道
 ゆ 昨日(きのふ)こそ 我が越え來(こ)しか 一夜(ひとよ)のみ 
 寝たりしからに 尾(を)の上の 桜の花は 滝の
 瀬(せ)ゆ 散らひて流る 君が見む その日まで
 には 山おろしの 風な吹きそと うち越え
 て 名に負(か)へる社(もり)に 風祭(かざまつり)せな

          『万葉集2』(巻第五~巻第九)P.421を写す
           日本の古典文学全集7 小学館

   竜田神社は穀物に風害の無いように祈る風鎮祭を行い神社として有名
          (『万葉集2』(巻第五~巻第九)P.421 頭注)
   花を散らさないでほしい…風祭(かざまつり)せな

     2010年 龍田大社 風鎮祭


 島山を い往き廻(もとほ)る 河副(かはぞひ)の 丘邊(をかべ)の道ゆ 昨日こそ
 吾が越え來(こ)しか 一夜のみ 宿(ね)たりしからに 峰(を)の上の 櫻の花は
 瀧(たぎ)の瀬(せ)ゆ 落ちて流る 君が見む その日までには 山下(あらし)の
 風な吹きそと 打越えて 名に負へる社(もり)に 風祭(かざまつり)せな

            奈良県 三郷町HP
            (http://www.town.sango.nara.jp/shogaigakusyu/kanko/manyouka/manyouka_01.html)

 嶋山乎 射往廻流 河副乃 丘邊道從 昨日己會
 吾超來壯鹿 一夜耳 宿有之柄二 峯上之 櫻花者
 瀧之瀬從 落堕而流 君之將見 其日左右庭 山下之
 風莫吹登 打越而 名二負有社尒 風祭為奈

 作者 高橋虫麻呂
 天平6年(734年)頃。
 龍田越えの峠か亀の瀬付近。
語釈
○〔經宿〕一夜を宿る意味の語。何らかの都合で慌しく還ることとなった。
○〔島山〕蛇行する河に山が突出して島のように見える所。大和の京の宮人は、海を懐かしむ心から、聊(いささ)かの水にでも海と重ね合わせている。ここでも竜田川を隔てて見る山を島山と呼んでいる。
○〔風祭〕花を散らさぬようにする祭り。
解釈 島山を行き廻っている河の、その河沿いの丘の辺りの道を通って、つい昨日吾は難波へと越えて行ったのであったが、ただ一夜泊まっただけであったのに、峰の上の桜の花は激流の瀬から、散り落ちて流れて行く。天皇が御覧になられるその日までは、花を散らす風は吹かないでおくれ。この山を越えて風神として名高い龍田大社に、風祭りしよう。
歌の心と背景 天皇に何としてでも、この愛(め)でたい桜の花をご覧に入れたい。それ迄は、この花を散らす風の吹かないように、龍田大社の風の神に風祭をしよう。と云う熱意に満ちた歌である。往時は龍田の神に対する信仰は深いもので、今日では想像しがたい強いものがあったと思われる。年々催行された風祭は、天皇が庶民の為に行われる祭りであったが、今しようとするのは庶民に近い虫麻呂が、天皇に山桜の美観をご覧に入れたい、との心よりのもので、虫麻呂の心情がよく現れている。
※この歌の碑が平成19年4月に、奈良女子大学地域貢献事業の一環として同大学院教授
坂本信幸先生の揮毫により寄贈され、歌にふさわしい龍田大社の境内に設置されました。  奈良県 三郷町HPより





 

 
 龍田大社
  奈良県生駒郡 三郷町立野南1丁目29-1

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映画『黒蜥蜴』 1968年 監督:深作欣二 原作戯曲:三島由紀夫 丸山明宏(現:美輪明宏) 木村功 三島由紀夫

2014-09-07 | 映画
(写真は娘のスペイン土産の蜥蜴と、夫のアメリカ土産のテントウ虫。いずれもマグネット)



 

 

     映画『黒蜥蜴』


 丸山明宏(現:美輪明宏)さんが黒蜥蜴を演じられた映画『黒蜥蜴』を見た。
 面白いと思われるのは次の三点

 *丸山明宏(現:美輪明宏)さんが何かにつけ黒蜥蜴(緑川夫人)役にぴったりな気がする。
 *丸山明宏(現:美輪明宏)さんに広がりがあり、上質の舞台を観ている気がする。
 *無様でありグロテスクな人間の剥製役に特別出演された前後の三島由紀夫さんの感情や生活を覗き見したい衝動に駆られる。
   
 この映画は観て良かったと思う。

 


松竹1968年版
映画『黒蜥蜴』 1968年(昭和43年)8月14日封切。カラー 1時間26分。
製作・配給:松竹。監督:深作欣二。原作戯曲:三島由紀夫。脚本:成沢昌茂、深作欣二。音楽:冨田勲。
キャスト
黒蜥蜴(緑川夫人):丸山明宏(現:美輪明宏)
明智小五郎:木村功
雨宮潤一:川津祐介
岩瀬早苗・桜山葉子(二役):松岡きっこ
岩瀬庄兵衛:宇佐美淳也
的場刑事:西村晃
ひな:小林トシ子
黒木:丹波哲郎
原田:小田草之助
富山:服部欽二
大川:佐藤京一
松吉:木村功
堺:加島潤
木津:舟越竜二
ショーダンサー:宝みつ子
日本青年の生人形:三島由紀夫:※特別出演



Black Lizard
著者 江戸川乱歩
1934年1月 - 12月
月刊誌『日の出』

『黒蜥蜴』(くろとかげ)は、江戸川乱歩の長編探偵小説。
 および、作中に登場する女性盗賊の俗称。小説は1934年(昭和9年)、月刊誌『日の出』1月号から12月号に連載された。
 宝石等「美しいもの」を狙う美貌の女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が対決するトリッキイでアクロバティックな冒険物語である。

 

 小説のあらすじ
 帝都東京の暗黒街の一角、クリスマス・イブのパーティーで、一座から崇められる黒衣の夫人がいた。求めに応じて全裸で「宝石踊り」を舞う美貌の彼女の左腕には、黒いトカゲの刺青があった。その晩、恋人と恋敵を殺して庇護を求めてきた青年、雨宮潤一を死亡偽装させ、「山川健一」の名を与えて忠実な部下に加えた彼女、「黒蜥蜴」は、Kホテルに滞在中の大阪の富豪岩瀬庄兵衛の令嬢、早苗を誘拐するために、有閑マダム「緑川夫人」の名で岩瀬老人に近づいた。だが岩瀬は相次ぐ警告文をもとに、素人探偵明智小五郎に依頼して、その身辺警護に当たらせていた。
 早苗の誘拐の可否について明智に賭けを挑んだ緑川夫人こと黒蜥蜴は、変装して山川となった潤一とともにまんまと早苗を浚ってみせたかに見えたが、明智の機智の前に一敗地にまみれ、かろうじて逃亡。明智と岩瀬は、大阪南部の岩瀬の自宅で早苗を匿うが、部屋の長椅子に仕込んだ黒蜥蜴の人間椅子のトリックで、早苗はついに誘拐されてしまう。

 黒蜥蜴は岩瀬老人に、大阪通天閣塔上でのダイヤ受け渡しを要求する
 黒蜥蜴は早苗とダイヤモンド「エジプトの星」の交換を岩瀬に要求。通天閣塔上でダイヤの受け渡しをもちかける。変装した明智は黒蜥蜴の裏をかいて賊を追跡、黒蜥蜴は自家用の蒸気船で東京まで逃亡を図る。船に乗り込んだ明智は黒蜥蜴との虚々実々の駆け引きの末、隠れていた長椅子もろとも海に投げ込まれてしまう。好敵手明智を失い、早苗と二人で激情にまかせ号泣する黒蜥蜴。
 東京湾の埋め立て地の廃倉庫の地下に黒蜥蜴のアジトはあった。誘拐した早苗に、誇らしげに宝石をはじめとする収集した美術品の陳列を披露する黒蜥蜴。さらに女賊は早苗に恐るべきコレクションを見せる。それは剥製化された全裸の人間の陳列、さらには檻の中に閉じ込められた全裸の美青年、人間を放り込む大水槽だった。そう、黒蜥蜴は、若く美しい男女を誘拐しては殺害し、剥製としてきたのだ。黒蜥蜴は早苗をその陳列に加えるつもりであると残忍に言い放つ。はたして早苗の運命は、そして名探偵明智小五郎は本当に死んでしまったのか…?

 

 江戸川乱歩の「明智もの」の一篇。
 本文で女賊の名は初出では「黒蜥蜴」だが、のちの出版で乱歩が「黒トカゲ」と改めている。
 作品の端々に乱歩が本分としている「エロ・グロ」の趣向がこらされ、また「自註自解」で「『黒蜥蜴』は戦前の私の多くの通俗連載長篇の一つで、私の小説では唯一の女賊ものである。美しい女 賊と明智小五郎との、恐ろしくトリッキイでアクロバティックな冒険物語だが、この二人、追うものと追われるものの、かたき同士が愛情を感じ合う。」と解説している。

本作執筆前の1932年(昭和7年)から1933年(昭和8年)にかけては、推理小説家江戸川乱歩にとってスランプの時期であり、創作の方向性に迷ってほぼ休筆状態にあった。
 執筆前年は『妖虫』を一本連載したものの、同時期に連載開始した『悪霊』は結局三回で中断してしまった。
 このスランプの大きな要因は、乱歩が本来目指していた「本格」推理ものが思ったより反響がなく、『一寸法師』や『蜘蛛男』といった「変格」もの、いわゆる通俗スリラーに大衆の支持が絶大に集まったことだった。
 この『黒蜥蜴』は大ヒットした『妖虫』に続き、乱歩が出版社の要望に応じて書いた変格もの、通俗スリラーであり、連載同年5月には同趣向の『人間豹』を連載開始している。
 乱歩にとっては本意ではなかった通俗スリラーの本作であるが、連載開始されると大反響となり、たちまち乱歩の代表作の一つとなった。作中では、「或る小説家の作品」として乱歩自身の代表作である『人間椅子』の言及があり、実際に椅子を使ったトリックによる誘拐劇が採り入れられている。

 

登場人物
黒蜥蜴
前歴、本名その他一切不明の美貌の女盗賊。左の腕に黒いトカゲの刺青があり、「黒蜥蜴」と通称されている。夜の東京の暗黒街の華であり、10年にわたって「美しいもの」、特に宝石を蒐集してきた盗賊団のボスである。部下が考案した人間剥製化による、さまざまな人種の若い男女の剥製試作品を「美しいもの」のコレクションに加えている。変装の名人で、大胆不敵かつ手段を選ばず、一度狙いを定めた獲物は逃がさない。自家用船を持ち、東京T埋め立て地の廃倉庫の地下に収集美術品の展示館を兼ねたアジトを構えている。
岩瀬庄兵衛
在阪の富豪で宝石商を営む。所蔵する大型ダイヤモンドの逸品「エジプトの星」と、愛娘・早苗を黒蜥蜴に狙われている。
岩瀬早苗
庄兵衛の令嬢。秀でた美貌ゆえ、「エジプトの星」共々黒蜥蜴の標的にされ、人間剥製候補とされてしまう。
雨宮潤一
恋人と恋敵を殺害した青年。「山下健作」と名を変え、黒蜥蜴に部下として匿われている。
松公
黒蜥蜴の所有する蒸気船の火夫(ボイラーマン)。
桜山葉子
大阪に住む天涯孤独の若い女性。失業して自殺しようと考えていたが、謎の老人からある仕事を持ちかけられ、これをひき受けるのだが…
香川青年
剥製候補として、黒蜥蜴の虜囚となっている美青年。
K子
早苗が来る少し前まで人間檻の中に全裸で閉じ込められていた少女。現在は人間剥製として陳列されている。
明智小五郎
幾多の難事件を解決してきた日本を代表する素人探偵。岩瀬老人の依頼を受け、身辺警護についている。本作では小林少年は登場せず、数人の部下を率いている。

 

戯曲版
黒蜥蜴
Black Lizard
著者 三島由紀夫

イラスト 蕗谷虹児
 


蕗谷 虹児(ふきや こうじ 蕗谷虹兒、1898年(明治31年)12月2日 - 1979年(昭和54年)5月6日)は画家。詩人。
1898年(明治31年)新潟県新発田町(現新発田市)に生まれる。本名は一男。母親は新発田町の湯屋の看板娘で京風の美人と伝えられる。新聞記者と駆け落ちし蕗谷虹児を産むが、貧困の末、虹児が12歳の時に27歳で死去。母への追慕の情が、後の作風に影響を与えたと言われる。
母親の死により家族は離散。新潟市の印刷会社に丁稚奉公、絵の勉強をしながら夜学に通う。1912年(大正元年)貧しいながらも恵まれた絵の才能が新潟市長の目にとまり、日本画家の尾竹竹坡(おたけちくは)の弟子になるよう勧められ、14歳で上京(この尾竹竹坡の姪が『青鞜』の尾竹紅吉である)。内弟子として竹坡のもとで日本画を約5年学ぶが、父親の仕事の関係で樺太へ渡る事になり、それを機に放浪画家の生活を送る。
1919年(大正8年)竹坡門下の兄弟子の戸田海笛を頼って上京。戸田海笛の紹介で日米図案社に入社、図案家としてデザインの修行をする。1920年(大正9年)竹久夢二を訪ねる。彼に雑誌『少女画報』主筆の水谷まさるを紹介され、「蕗谷紅児」の筆名により同誌へ挿絵掲載のデビューを果たす(翌1921年に虹児に改名)。これをきっかけに、翌年朝日新聞に連載の吉屋信子の長編小説『海の極みまで』の挿絵に大抜擢され、全国的に名を知られるようになる。『少女画報』『令女界』『少女倶楽部』などの雑誌の表紙絵や挿絵が大評判となるや時代の寵児となり、竹久夢二と並び称されるようになった。
1924年(大正13年)2月、『令女界』に発表した詩画「花嫁人形」は、後に杉山長谷夫の作曲で童謡にもなり、蕗谷虹児の代表作となった。他にも9冊の詩画集を出版した。挿絵に感傷的な余韻を残し、見る者に描き手の想いを伝える絵を手掛けたいと、自らの絵を「抒情画」と名付けるようになった。
1925年(大正14年)挿絵画家としての生活に飽き足らず、渡仏しパリへ留学。苦学の末、「サロン・ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール」、「サロン・ドートンヌ」等への連続入選を果たし、またフランス画壇で活躍する日本人画家の藤田嗣治や東郷青児等と親交を深める。ようやく画家としての地歩を固めつつあったが、1929年(昭和4年)東京の留守宅の経済的破綻により急遽帰国。借金返済のため、心ならずも挿絵画家の生活に戻るが、パリ風のモダンな画風は一世を風靡した。彼を世に送り出した夢二の柔らかい画風とは対照的に、このころの彼の挿絵はシャープかつ洗練された線で描かれ、都会的な香りに満ちていた。
1935年(昭和10年)詩画集『花嫁人形』出版。しかし、やがて戦争に突入し戦時色が強くなると蕗谷虹児の絵は時勢に合わず、制作を休止。
終戦後は、復興された各誌に執筆を再開。1953年(昭和28年)の小学館の絵本や、1956年(昭和31年)の講談社の絵本など、20冊を越える絵本の挿絵で子供に親しまれた。また、1954年(昭和29年)には「東映動画スタジオ」の設立に参加し、アニメーション映画『夢見童子』の原画・構成を担当した。
1968年(昭和43年)三島由紀夫の若き日の小説作品『岬にての物語』(牧羊社、署名入り豪華限定本)に、彩色画が挿絵装丁に用いられ、三島も蕗谷へのオマージュを記した。1979年(昭和54年)に中伊豆温泉病院で急性心不全により没した。
「蕗谷虹児記念館」が彼の故郷である新発田市に建てられている。また、彼の「花嫁人形」を歌い継ごうと、1998年から毎年同市にて、「全国『花嫁人形』合唱コンクール」が行われている。


発行日 1969年5月20日
発行元 牧羊社
ジャンル 戯曲

ページ数 154
文学
舞台芸術


 

映画

『黒蜥蜴』は、劇作家によって戯曲化も行われている。有名なものとしては三島由紀夫による戯曲が挙げられ、これは1961年(昭和36年)、雑誌『婦人画報』12月号に初掲載。単行本は1969年(昭和44年)5月に牧羊社より刊行された。初演は1962年(昭和37年)3月にサンケイホールで、黒蜥蜴を初代・水谷八重子、明智を芥川比呂志で上演された。
 乱歩の「自註自解」によると、三島は子供の頃から本作の愛読者で、当初小牧正英舞踊団のための劇化を打診され、乱歩も承諾していたが中止となった。その後、演劇プロデューサーの吉田史子のために書き下ろしたのが三島版『黒蜥蜴』であり、乱歩はこの戯曲を「江戸川乱歩原作による三島由紀夫作」としている。三島の台本を読んだ乱歩は「なるほど、こうすれば奇抜な面白い劇になるなと感じられるようなものであった」と述べ、宣伝ビラに「私も上演を待ちかねている」と書いている。
 三島版『黒蜥蜴』は多数の団体により幾度も舞台上演され、多くの演出家が手掛けており、女盗賊「黒蜥蜴」役もまた多くの名優たちによって演じられてきた。戯曲では「雨宮潤一と桜山葉子」のように乱歩の原作にはない恋愛模様が描かれている。「エジプトの星」の受け渡し場所も、東京タワーに変更されている。
舞台作品における黒蜥蜴といえば、美輪明宏の代表作で、丸山明宏時代から数十年にわたり幾度も演じている。美輪は主演のみならず、演出・美術・衣装・音楽・人選等も自ら手がけている。近年は三島以外に、橋本治による戯曲化もある。


三島戯曲の単独刊行本
『黒蜥蜴』(牧羊社、1969年5月20日)
装画:FIDUS。題簽:蕗谷虹児。造本:三島由紀夫。A5変型判。金色帯。
口絵カラー写真4頁6葉(舞台写真:丸山明宏、ほか。撮影:山田健二)。
本文2色刷(活字は紫色、囲み飾り罫は銀色)。
特装限定版『黒蜥蜴』(牧羊社、1970年1月15日)
装画:FIDUS。造本:直木久蓉。A4変型判。154頁。総革装(紅色革、紫色革の2種)、天金、左右合わせ函、段ボール外函。
口絵カラー写真1頁1葉(舞台写真:丸山明宏。撮影:山田健二)。
本文2色刷。本文に蜥蜴のレリーフ(空押し)あり。本文、奥付、扉に装画6葉(FIDUS)。
限定350部(記番・署名入)。350部本の表紙は紅色で天金装だが、中にベージュ色のもの、三方金のものあり。

文庫版『黒蜥蜴』(学研M文庫、2007年6月25日)
金色帯。口絵カラー写真4頁4葉(舞台写真:美輪明宏、高嶋政宏、ほか。撮影:御堂義乗、山田健二)
付録として、自作解題、座談会(三島由紀夫×江戸川乱歩、ほか。三島由紀夫×美輪明宏)、解題(『黒蜥蜴』上演データ、美輪明宏『黒蜥蜴』のこと)
英文版『Mishima on Stage the Black Lizard and Other Plays』(訳:Mark Oshima)(Univ of Michigan Center、2007年1月)

おもな舞台公演
プロデューサー・システムによる3月サンケイ公演
1962年(昭和37年)3月3日 - 26日 東京・サンケイホール
脚本:三島由紀夫。演出:松浦竹夫。装置:伊藤熹朔。照明:穴沢喜美男。衣裳:中村乃武夫。音楽:矢代秋雄。効果:秦和夫、岡本広基。舞台監督:佐々木忠次。プロデューサー:吉田史子。
出演:初代・水谷八重子、芥川比呂志、田宮二郎、大空真弓、小川虎之助、賀原夏子、名古屋章、ほか
※ 三島戯曲版初の公演。
千秋楽に三島由紀夫がボーイ役で特別出演。
※ 1962年(昭和37年)3月24日、31日にフジテレビで舞台中継。
松竹+東急提携15周年記念 名作特別公演
1968年(昭和43年)4月3日 - 26日 東京・東横劇場、4月28日 東京・歌舞伎座(アンコール公演)、8月1日 - 7日 名古屋・御園座、8月24日 - 29日 京都・南座
脚本:三島由紀夫。演出:松浦竹夫。美術:神取宏全。照明:今井直次。音楽選曲:矢代秋雄。効果:秦和夫。舞台監督:田中基。制作:寺川知男。
出演:丸山明宏(現・美輪明宏)、天知茂、広瀬みき、中山仁、村上冬樹、新村礼子、夏八木勲、ほか。千秋楽には三島由紀夫が生人形役で特別出演。
石原慎太郎潤色『若きハイデルベルヒ』と併演。 1968年(昭和43年)7月16日、23日に日本テレビで舞台中継。
丸山明宏大阪公演
1969年(昭和44年)7月1日 - 25日 大阪・新歌舞伎座
脚本:三島由紀夫。演出:松浦竹夫。装置:中嶋八郎。照明:今井直次。音楽:矢代秋雄。効果:秦和夫。衣裳:丸山明宏。舞台監督:田中基。制作:寺川知男。
出演:丸山明宏、岡田真澄、青山良彦、広瀬みき、村上冬樹、新村礼子、ほか
アレクサンドル・デュマ・フィス作『椿姫』と併演。
小川真由美・中山仁特別公演
1982年(昭和57年)5月1日 - 25日 京都・南座
脚本:三島由紀夫。演出:篠崎光正。装置:品川洋一。照明:沢田祐二。音楽:深町純。効果:辻亨二。衣裳:植田いつ子。舞台監督:種倉保夫。制作:寺川知男、荒牧大四郎。
出演:小川真由美、中山仁、光田昌弘、長谷直美、田島義文、斎藤美和、ほか
東京オペラ・プロデュース第22回定期公演 創立10周年記念
1984年(昭和59年)9月11日 - 12日 東京・日本都市センターホール
脚本:三島由紀夫。作曲:青島広志。指揮:三石精一。演出:出口典雄。美術:石井強司。照明:橋本和幸。衣裳:井上サチコ。舞台監督:増田啓路。プロデューサー:松尾洋、竹中史子。
出演:中村邦子、本宮寛子、山村民也、工藤博、ほか
※ オペラ化
11月特別公演
1984年(昭和59年)11月2日 - 27日 東京・新橋演舞場
脚本:三島由紀夫。演出:栗山昌良。美術:金井俊一郎、石黒紀夫。照明:沢田祐二。音楽:冨田勲。効果:田村悳。衣裳:緒方規矩子。舞台監督:加藤三季夫。制作:寺川知男。
出演:坂東玉三郎、北大路欣也、村上弘明、賀来千香子、菅原謙次、南美江、ほか
※ 昭和59年度芸術祭参加。
中日劇場公演
1986年(昭和61年)4月3日 - 26日 名古屋・中日劇場
脚本:三島由紀夫。演出:栗山昌良。美術:石黒紀夫、島川とおる。照明:服部基。音楽:冨田勲。効果:田村悳。衣裳:緒方規矩子。舞台監督:中川寿夫。制作:寺川知男。
出演:坂東玉三郎、草刈正雄、村上弘明、賀来千香子、菅原謙次、南美江、ほか
3月特別公演
1990年(平成2年)3月2日 - 26日 東京・新橋演舞場
脚本:三島由紀夫。演出:坂東玉三郎、福田逸。美術:石黒紀夫。装置:島田繁夫。照明:塚本悟。音響効果:内藤博司。衣裳:緒方規矩子。舞台監督:遠藤宣彦。制作:赤松洋行。
出演:松坂慶子、津嘉山正種、荻野目慶子、井上純一、伊藤敏八、南美江、ほか
※ 三島由紀夫20年祭
フロムスリー製作公演
1993年(平成5年)4月1日 - 18日 東京芸術劇場中ホール、4月20日 - 21日 名古屋・愛知厚生年金会館大ホール、4月23日 高松市民会館大ホール、4月27日 - 5月2日 大阪厚生年金会館中ホール
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。美術:松野潤。照明:下村秀昭。音響効果:高橋巌。舞台監督:北条孝。宣伝美術:横尾忠則。制作:佐野公一。プロデューサー:本位田永樹。
出演:美輪明宏、榎木孝明、宇梶剛士、佐倉しおり、有田麻里、田口計、ほか
ドラマチックオフィス企画制作公演
1997年(平成9年)5月30日 - 6月22日 東京・青山劇場
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。美術:松野潤。照明:原田保。音響効果:高橋巌。舞台監督:北条孝。制作:佐野公一。プロデューサー:本位田永樹。
出演:美輪明宏、名高達男、宇崎慧、藤谷美紀、有田麻里、田口計、ほか
篠井英介ひとり芝居『女賊』
1999年(平成11年)11月9日 - 23日 東京・三軒茶屋シアタートラム
脚本・演出:橋本治。舞台監督:伊達一成。
出演:篠井英介、鈴木規依示、田中謙次、ほか
パルコ劇場30周年記念公演
2003年(平成15年)3月5日 - 30日 東京・ル・テアトル銀座、4月3日 郡山市民文化センター、4月5日 - 6日 仙台・宮城県民会館、4月10日 - 12日 名古屋・愛知厚生年金会館、4月15日 - 16日 広島郵便貯金ホール、4月18日 - 19日 福岡サンパレスホール、4月23日 富山・オーバード・ホール、4月26日 長野県民文化会館大ホール、4月29日 浜松・アクトシティ浜松、5月2日 - 10日 大阪厚生年金会館芸術ホール
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。照明:戸谷光宏。音響:高橋巌。舞台監督:北条孝、佐川明紀。制作:祖父江友秀。
出演:美輪明宏、高嶋政宏、木村彰吾、須藤温子、有田麻里、田口計、ほか
T.P.T 「THEATRE PROJECT TOKYO」58
2006年(平成18年)11月24日 - 12月20日 東京・ベニサン・ピット
脚本:三島由紀夫。演出:デヴィッド・ルヴォー、門井均。
出演:麻実れい(緑川夫人・黒蜥蜴)、千葉哲也(明智小五郎)、山崎雄介(雨宮潤一)、宮光真理子(岩瀬早苗)、清水綋治(岩瀬庄兵衛)、岡本竜汰(堺)、ほか
※ この舞台により麻実れいは、第6回朝日舞台芸術賞舞台芸術賞と、第14回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。
宝塚歌劇団花組公演 『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』
2007年(平成19年)2月9日 - 3月19日 宝塚大劇場、4月6日 - 5月13日 東京宝塚劇場
脚本・演出:木村信司。
出演:春野寿美礼、桜乃彩音、真飛聖、壮一帆、愛音羽麗、未涼亜希、桜一花、野々すみ花、ほか
※ 新人公演(2月27日)は、主演:野々すみ花、朝夏まなと、日向燦、初姫さあや、ほか
明治座創業140周年記念『黒蜥蜴』
2012年(平成24年)6月1日 - 24日 東京・明治座
脚本:齋藤雅文。演出:西川信廣。
出演:浅野ゆう子、加藤雅也、鷲尾真知子、渡辺哲、賀集利樹、林丹丹、ほか
パルコ劇場40周年記念公演
2013年(平成25年)4月5日 - 5月6日 東京・ル・テアトル銀座、5月12日 - 5月13日 名古屋・愛知県芸術劇場、5月18日 仙台・イズミティ21、5月24日 - 26日 大阪・梅田芸術劇場、6月1日 - 2日 福岡・キャナルシティ劇場、6月4日 広島・ アステールプラザ、6月8日 神奈川・グリーンホール相模大野、6月12日 高知・高知県立県民文化ホール
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。照明:戸谷光宏。音響:鹿野英之。舞台監督:佐川明紀。制作:祖父江友秀。
出演:美輪明宏、木村彰吾、中島歩、義達祐未、若林哲行、白川和子、ほか
映画(戯曲版)


『黒蜥蜴』は2度映画化されているが、いずれも三島由紀夫の戯曲を原作とした「三島戯曲の映画化」である。乱歩「自註自解」によると、三島の戯曲上演の前売りの段階から映画各社から映画化の話があり、吉田史子プロデューサーが大映に決めた。

大映1962年版
ミュージカル映画『黒蜥蜴』 1962年(昭和37年)3月14日封切。カラー 1時間42分。
製作・配給:大映。監督:井上梅次。原作戯曲:三島由紀夫。脚本:新藤兼人。音楽:黛敏郎。
作詞:三島由紀夫。(主題歌「黒蜥蜴の歌」、挿入歌「黒とかげの恋の歌」、「用心棒の歌」)
キャスト
黒蜥蜴(緑川夫人):京マチ子
明智小五郎:大木実
雨宮潤一:川口浩
岩瀬早苗・桜山葉子(二役):叶順子
岩瀬庄兵衛:三島雅夫
岩瀬夫人:目黒幸子
ひな夫人:緋桜陽子
北村:杉田康
松吉:中条静夫
堺:大庭健次朗
木津:長田健二
岐阜:竹村南海児
女中・夢子:久里千春
女中・色江:小笠原まり子
御用聞・五郎:三角八朗
ホテル支配人:谷謙一
ホテルボーイ:穂積明
用心棒:阿部脩・大川修・藤山浩二・北城寿太郎・丸井太郎

松竹1968年版
映画『黒蜥蜴』 1968年(昭和43年)8月14日封切。カラー 1時間26分。
製作・配給:松竹。監督:深作欣二。原作戯曲:三島由紀夫。脚本:成沢昌茂、深作欣二。音楽:冨田勲。
キャスト
黒蜥蜴(緑川夫人):丸山明宏(現:美輪明宏)
明智小五郎:木村功
雨宮潤一:川津祐介
岩瀬早苗・桜山葉子(二役):松岡きっこ
岩瀬庄兵衛:宇佐美淳也
的場刑事:西村晃
ひな:小林トシ子
黒木:丹波哲郎
原田:小田草之助
富山:服部欽二
大川:佐藤京一
松吉:木村功
堺:加島潤
木津:舟越竜二
ショーダンサー:宝みつ子
日本青年の生人形:三島由紀夫:※特別出演


 

黒蜥蜴を演じた女優・俳優
(☆印は、明智小五郎役の俳優)
戯曲
初代・水谷八重子 - ☆芥川比呂志
美輪明宏(旧・丸山明宏) - ☆天知茂、岡田真澄、榎木孝明、名高達男、高嶋政宏
小川真由美 - ☆中山仁
坂東玉三郎 - ☆北大路欣也、草刈正雄
松坂慶子 - ☆津嘉山正種
篠井英介 - ☆鈴木規依示
麻実れい - ☆千葉哲也
川辺実記 - ☆三上剛
阿左見真紀 - ☆榊原毅
浅野ゆう子 - ☆加藤雅也
オベラ
中村邦子 - ☆山村民也
松田麻美 - ☆古沢利人
江口二美 - ☆古沢利人
宝塚歌劇
桜乃彩音 - ☆春野寿美礼(2007年花組本公演)
野々すみ花 - ☆朝夏まなと(2007年花組新人公演)
映画
京マチ子 - ☆大木実
美輪明宏 - ☆木村功
テレビドラマ
野川由美子 - ☆滝俊介
倍賞美津子 - ☆夏木陽介
小川真由美 - ☆天知茂
島田陽子 - ☆小野寺昭
岩下志麻 - ☆伊武雅刀
松坂慶子 - ☆藤井隆
ラジオドラマ
清水ミチコ - ☆篠井英介



 

  



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『たそがれ清兵衛』9★山田洋次監督 原作:藤沢周平 真田広之 宮沢りえ 2002年 歌:井上陽水

2014-09-06 | 映画
  (写真は『蔵謎』 蔵謎大劇院(劇場) 中国 四川 九寨溝ふもと )



   『たそがれ清兵衛』★★★★★ ★★★★/10★


 映画『たそがれ清兵衛』を見たよ。
 面白かったので、映画に感情移入していたよ。
 この映画、筋書きも出演者もいいなって、感心したよ。
 この映画は好き。私的には、星9個って感じかな。

 中村信二郎さん(現在 2代目中村錦之助 ) が出ておられたよ。
 歌舞伎役者さんが出ておられると、なんだかうれしい私。

「たそがれ清兵衛」は、山田洋次監督の初の本格時代劇であると同時に、藤沢周平作品の初めての映画化です。幕末に生きた名もない下級武士と家族の姿を、日本に残る美しい風景とともに胸を打つ感動と手に汗を握る興奮で描き、数々の映画賞に輝きました。第76回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、残念ながら僅差で受賞は逃しました。

 幕末。井口清兵衛は庄内・海坂藩の御蔵役五十石取りの平侍である。妻を労咳で亡くしたばかりで、二人の幼い娘と老母がいる。生活は苦しく、下城の太鼓が鳴ると同僚のつきあいなど一切を断って帰り、家事と内職に励む毎日。「たそがれ清兵衛」とあだ名された。 そんな男が、藩命でやむなく藩士を切ることになる......。



監督・・・山田洋次
原作・・・藤沢周平 「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」(新潮文庫)
脚本・・・山田洋次/朝間義隆

歌 井上陽水


井口清兵衛・・・真田広之
飯沼朋江・・・宮沢りえ
余吾善右衛門・・・田中泯
飯沼倫之丞・・・吹越満
甲田豊太郎・・・大杉漣
晩年の以登・・・岸惠子
井口藤左衛門・・・丹波哲郎
久坂長兵衛・・・小林稔侍
堀将監・・・嵐圭史
寺内権兵衛・・・中村梅雀
藩主・・・中村信二郎
直太・・・神戸浩
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健康1 正しい歯の磨き方

2014-09-06 | 乱鳥徒然 Rancho's room.
  (写真 大阪民俗博物館にて)


 
 はみがきじょうずかな (藤本房子ver)




 歯医者さんに行き、正しい歯の磨き方を教えて頂いた。
 歯ブラシはおおむね90°、歯と歯肉の境目に直角にあてます。
 力を入れず、あまり大きく動かさず。歯の隙間の歯垢(プラーク)や汚れが落ちるようにシャカシャカと細かく振動させるように動かすそうです。
 また、歯磨き粉は使わなくてもよく、使用するのであれば研磨剤の少ない物を選ぶようにと教えて頂きました。
 
 かなり美味く磨いているつもりでしたが、目こぼしが多く、驚きました。
 ここ二、三年の間で虫歯ができて無かったのは幸いでした。
 今更ながらの歯磨きですが、ここにきて振り返る事ができ良かったと思います。

 ではまた

    




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『梁塵秘抄』五首  「恋ひ恋ひて たまさかに逢ひて寝たる夜(よ)の夢は いかが見る」新潮日本古典集成

2014-09-05 | 古典全般(奈良〜江戸時代)
    (写真は『蔵謎』 蔵謎大劇院(劇場) 中国 四川 九寨溝ふもと)


 


『梁塵秘抄』  「恋ひ恋ひて たまさかに逢ひて寝たる夜(よ)の夢は いかが見る」新潮日本古典集成


   
    

 只今読んでいる途中の
  『梁塵秘抄』
    新潮日本古典集成31回 榎克朗、
    日本詩人選22 西郷信綱
   (新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)
  から、
    今回は五首を書き写す。

 
 456 恋しくは
    疾(と)う疾(と)うおはせ わが宿は
    大和なる三輪の山本 杉立てる門(かど) P.188(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)

 457 波も聞け
    小磯も語れ 松も見よ
    われをわれといふ方(かた)の風ふいたらば
    いづれの浦へもなびきなむ        P.188

 458 須磨の浦に
    引き干(ほ)いたる網の一目(ひとめ)にも
    見てしかばこそ恋しかりけれ       P.188-189

 459 わが恋は
    一昨日(おととひ)見えず 昨日(きのふ)来ず
    今日おとづれなくは 明日(あす)のつれづれいかにせん P.189

 460 恋ひ恋ひて
    たまさかに逢ひて寝たる夜(よ)の夢は いかが見る
    さしさし きしと抱くこそ見れ             P.189

 


 458の 見てしかばこそ…見たからこそ恋しくてたまらない
             一目見て好きになったのよ    (頭注以下省略)
     ↓
 459 わが恋のみじめさと言ったら…
    (つれづれ= ひとりぼっちのみじめさ)
     ↓
 460 さしさし きしと抱くこそ見れ ← な、な、なんと@@
    なんと!ストレートな(笑)表現☆
   『梁塵秘抄』の面白みのひとつだね☆ 
    
   
    


 以前書き写した歌 ▼  

 116 女人 五つの障りあり
    無垢の浄土はうとけれど
    蓮華し濁りに開くれば
    龍女(りゅうにょ)もほとけになりにけり  P.60(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)

   極楽歌 六首
 175 極楽浄土は一所(ひとところ)
    つとめあければ程(ほど)遠し
    われが心の愚かにて
    近きを遠しとおもふなり
          P.82(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す)

 176 極楽浄土の東門(とうもん)は  
    難波の海にぞ対(むか)へたる
    転法輪所(てんぽうりんしょ)の西門(さいもん)は
    念仏する人 参れとて
          P.83(同上 以下省略)

 178 極楽浄土のめでたさは
    一つもあだなることぞなき 
    吹く風 立つ風 鳥もみな
    妙(たへ)なる法(のり)をぞ唱(とな)ふなる 
          P.83
       
 179 極楽浄土の宮殿(くでん)は  
    瑠璃の瓦を青く葺(ふ)き
    真珠の垂木(たるき)を造り並(な)め
    瑪瑙(めのう)扉(とぼそ)を押し開き
          P.83-84

 180 十方仏土の中には
    西方をこそ望むなれ
    品蓮台(くほんれんだい)の間(あひだ)には
    下品なりとも足(た)んぬべし  
          P.84

 181 浄土はあまたあんなれど
    弥陀(みだ)の浄土ぞすぐれたる 
    品(ここのしな)なんなれば
    下品下(げひんげ)にてもありぬべし  
          P.84


 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151

鳥合わせ
 386 烏は見る世に色黒し
    鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し
    鴨の頸(くび)をば短しとて継ぐものか
    鶴の脚(あし)をば長しとて切るものか
          P.162

 387 小鳥の様(よう)がるは
    四十雀(しじゅうからめ) ひは鳥 燕(つばくらめ)
    三十二相 足らうたる啄木(てらつつき)
    鴛(をし) 鴨 そい 川に遊ぶ   
          P.162
               そい=カワセミ
 388 西の京行けば
    雀 燕(つばくろめ) 筒鳥(つつどり)や さこそ聞け
    色好みの多かる世なれば
    人は響む(とよむ)とも 麻呂だに響まずは(とよまずは)
          P.162
          387 燕(つばくらめ)
          388 燕(つばくろめ)

 394 女の盛りなるは
    十四五六歳 二十三四とか
    三十四五にし なりぬれば
    紅葉の下葉に異ならず        P.165

 410 頭(こうべ)に遊ぶは頭虱(あたましらみ)
    項(をなじ)の窪を極めて(きめて)食う(くう)
    くしの歯より天降る(あまくだる)
    麻小け(まごけ)の蓋にて命(めい)終わる   P.170-171

 556 東(あずま)には
    女はなきか 男巫女(おとこみこ)
    さればや神の男には憑く(つく)   p.219

 557 神ならば
    ゆらら さららと降りたまへ
    いかなる神か もの恥はする     P.219

 558 この巫女は様がる(ようがる)巫女よ
    帷子に 尻をだにかかいで
    ゆゆしう憑き(つき)語る これを見たまへ  P.219-220


 

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映画『どろろ』原作:手塚手塚治虫 と 『稲生物怪録絵巻』(下巻)『稲亭物怪録』

2014-09-05 | 映画
(映画『どろろ』に登場の百鬼丸から肝臓を奪った、蛾の魔物、マイマイオンバみたいでしょう。
 この絵巻物は 『稲生物怪録絵巻 下巻』(いのうもののけろくえまき 堀田家所蔵) 部分です。    )



   映画『どろろ』



 映画『どろろ』を観た。
 出演者がカラフルで重厚。
 面白く最後まで楽しむ事ができた。

 只今『稲生物怪録絵巻集成』(杉本好伸編 国書刊行会出版 304ページ)から『稲生逢妖談』(宮内庁書陵部所蔵)を読んでいる最中で、『どろろ』の一部分に似たような場面が有り、心ときめいた。

 
 『稲生物怪録絵巻 下巻』(いのうもののけろくえまき 堀田家所蔵)  
 『稲生物怪録絵巻集成』
 
 『稲生物怪録絵巻 下巻』(いのうもののけろくえまき 堀田家所蔵)
 『稲生物怪録絵巻集成』
  上の絵は、蛾の魔物、マイマイオンバの場面と似ているか…


 
 『稲亭物怪録』(とうていぶっかいろく 慶応義塾大学 三田メディアセンター所蔵) A
 『稲生物怪録絵巻集成』
 
 『稲亭物怪録』(とうていぶっかいろく 慶応義塾大学 三田メディアセンター所蔵) B
 『稲生物怪録絵巻集成』
 
 『稲亭物怪録』(とうていぶっかいろく 広島県歴史民俗資料館所蔵)
 『稲生物怪録絵巻集成』
  上の絵は、土屋アンナが扮した妖怪のこどもたちが芋虫になってあらわれる場面と似ているか…
 『稲亭物怪録』Aと『稲亭物怪録』Bは同じ場面を描いているが、画家によって表現は異なる。
  広島県歴史民俗資料館所蔵の顔の絵の方が、映画の芋虫の場面のイメージに近い。


四十八の魔物
ヤシガニ蜘蛛
長髪の老婆のような顔にヤシガニのハサミ、蜘蛛の下半身を持つ魔物。百鬼丸から右脚を奪った。
マイマイオンバ
百鬼丸から肝臓を奪った、蛾の魔物。
桜魔人
百鬼丸から左耳を奪った、桜のろくろ首の妖怪。
オオサンショウウオ
二足歩行する巨大な山椒魚の怪獣。百鬼丸から声帯を奪った。
強固な皮膚を持ち、刀を撥ね返すほど硬い。巨木をもなぎ倒す強靭な尻尾を武器とし、大口から伸びる長大な舌で獲物を丸呑みにする。巨体が災いして俊敏性は弱いが驚異的な跳躍力を誇り、劇中ではヒップ・ドロップを披露している。また、雨を封じる力がある。
カラス天狗
百鬼丸から右腕を奪った怪人。
鳥葬で人の肉の味を覚え、やがて生身の人の肉を食らいたいと思うようになった烏が、いつしか山で修行する修験者たちを襲い、喰らううちにカラス天狗になったといわれている。
背中から生えた巨大な翼で大空を自在に飛びまわる。上空から二本の剣を高速で振るい、百鬼丸とほぼ互角の戦いを繰り広げた。
百鬼丸との激闘の末敗れ、その際に「恨むなら貴様の父を恨め」という言葉を遺す。
赤野獣・青野獣
山犬のような野獣の姿をした、赤と青一対の獣。それぞれ百鬼丸から目を奪った。
かつては多くの信仰を集めた大神宮の狛犬だったとされる[1]。川や滝、湖といった水に関わる場所に好んで姿を現す。
軽快な身のこなしを誇り、鋭い牙と強力な顎力を武器とする。しかし最大の武器は言葉で、驚くほど鋭い直感で相手の心を見抜き、攻め込み、いたぶり、絶望させ、自殺へと追い込む。
四化入道(しけにゅうどう)
百鬼丸から心臓を奪った魔物。
原作と似て、かつては山寺を取り壊し、山城を造ろうとした武将[2]の命に逆らい、生き埋めにされた和尚だったが、その怨念が地中に生きる野ネズミやカワウソ、モグラの精気と交わり、魔物となったといわれている。
四化景光(しけかげみつ)
四化入道が醍醐景光と一体化した姿。
赤錆山の魔物
チンピラ(演:劇団ひとり)の台詞にのみ登場。
赤錆山(あかさびやま)という鉱山に住み着き、そこを訪れる人間を喰らっていた。百鬼丸によって退治されたと思われる。


 

監督 塩田明彦
脚本 NAKA雅MURA
塩田明彦
製作 平野隆
出演者 妻夫木聡
柴咲コウ
瑛太
原田美枝子
中井貴一
音楽 安川午朗
福岡ユタカ
主題歌 Mr.Children「フェイク」
撮影 柴主高秀
編集 深野俊英
製作会社 ツインズジャパン
配給 東宝
公開 2007年1月27日
上映時間 138分
製作国 日本
言語 日本語
製作費 20億円
興行収入 34.5億円
テンプレートを表示
『どろろ』は、2007年1月27日公開の日本映画、手塚治虫の漫画どろろの実写映画版である。製作は「どろろ」製作委員会、制作プロダクションはツインズジャパン、配給は東宝が行った。

 

概要
原作は室町時代後期から戦国時代前期を舞台にしていたが本作は架空の異世界を舞台にし、所々に現代的な物品が盛り込まれ、ジャパニーズ・ファンタジーとも言うべき内容となっている。興行収入34億円と、大ヒットとなったため平野隆プロデューサーは、「日本でもエンターテインメントが成立するということを証明できたと思う」と語った。
前記でも述べたように興行で大ヒットとなり、『2』『3』の続編製作が決定と公告された。スポーツ報知によると、総製作費は第1作の20億円(プロデューサーの独断で当初見積を大幅に超過した)を上回り、第2、3作を合わせて計60億円となるということであった。第2作は2009年公開を目指し作業中だと言われていたが、近年の経済情勢の悪化による予算削減等の理由により頓挫している。代替作として妻夫木聡主演で『感染列島』(2009年1月公開)が製作され、瑛太に対しては『余命1ヶ月の花嫁』(2009年5月公開)への準主演が提供された。また、続編に備えて本格アクションの習熟を目指していた柴咲コウの修練の成果は2008年4月に公開された『少林少女』に生かされた。
キャッチフレーズは「運命を、ぶった斬れ。」、「物語が、動き出す。」、「必死に生きて、何が悪い!」。
ちなみに手塚作品で初のPG-12指定を受けている。

 

ストーリー
はるか昔(賢帝歴三千四十八年)。とある街の酒場で、踊り子に化けた魔物と戦う青年・百鬼丸を目撃したコソ泥・どろろ。百鬼丸は身体の四十八ヶ所を魔物に奪われており、その欠けた箇所を義肢で補っていた。通りすがりの琵琶法師から百鬼丸の身の上話を聞いたどろろは、その左腕に仕込まれた魔物を爆発蒸散させることのできる妖刀に興味を持ち、つきまとうようになる。初めは鬱陶しがっていた百鬼丸だが、時を重ねていくうちにしだいに心を開き、共に魔物を倒し、元の身体を取り戻すための旅をする。
旅をしていく中で深まる二人の絆と、次々と明らかになってゆく百鬼丸の過去。どろろの両親の仇、醍醐景光とは何者か。何故百鬼丸は身体の四十八ヶ所を奪われたのか、百鬼丸の本当の両親は誰なのか。その謎が明かされたとき、物語は大きく動き出す。
父の野望のため身体を奪われし者―――そして時の権力に両親を奪われし者―――失われた身体と心を取り戻すための二人の旅は続く。
原作との相違点[編集]
原作では室町時代および戦国時代が舞台だが、映画版では架空の異世界が舞台となっている。
百鬼丸とどろろの年齢。
原作では、最終話までどろろの性別は不明である。
百鬼丸とどろろが初めて会うのは、原作では橋桁の上でどろろが苛められているのを百鬼丸が見かけたと言う設定だが、映画では酒場に偶然逃げ込んだどろろが百鬼丸の戦いの一部始終を見かけたというものになっている。
原作では2人の名前は最初からついていたが、映画版では名を聞かれた百鬼丸が、決まった名はないとしながら過去の字を連ねたとき、どろろが彼を「百鬼丸」と決め、また自分の名前に「どろろ」を盗んだ(もらった)ことになっている。また、「どろろ」という語源について、原作では特に説明はないが、映画では、「ずっと南の国の言葉で、『化け物小僧』を意味する言葉」となっている。(原作では、「どろぼう」の片言言葉が「どろろう」に聞こえたことから手塚治虫が名づけており、特にそういったルーツはない。)
原作では寿海が百鬼丸のために作った体は主に木や陶器で作られているが、映画では作った工程はエレキテルを使用するなど、オリジナルとなっている(原作では自分の意志で動かすことはできず、腕に限っては肩の筋肉で若干動かすことができる)。
原作では腰刀でも何でも魔物を倒せたが、映画版では左腕の妖刀「百鬼丸」でしか倒せなかった。また原作では左腕の妖刀には名前がついておらず、寿海が若かりしころ与えられたものという設定だが、映画版では「百鬼丸」と名づけられており(刀にも刻まれている)、琵琶法師のものということになっている(その際、「百鬼丸」を琵琶に偽装していた)。
原作では醍醐景光はまだ一国の領主ではなく、富樫という主君も存在するが、映画版では成り上がって城を治めている。
原作では多宝丸はばんもんの巻で百鬼丸に斬られて死ぬが映画版では、ラストで醍醐景光に代わって城を治めている。
百鬼丸の体のまだ魔物から戻っていない部分に限り、原作には無い再生能力がある。
原作では最終的にどろろと百鬼丸はバラバラで行動してしまっているが、映画版では続編を意図してか、ラストでは一緒に旅をしている。
醍醐景光、鯖目、寿海の死亡。
マイマイオンバの寺で子を捨てた両親を叱責するキャラクターはどろろに変更(原作では百鬼丸)。
百鬼丸は原作では寿海を「パパ」と呼んでいたが、映画版では「父ちゃん」。


 

キャスト
百鬼丸:妻夫木聡(幼少期:鈴木宗太郎)
どろろ:柴咲コウ(幼少期:橋本くるみ)
多宝丸:瑛太
百合:原田美枝子
琵琶法師:中村嘉葎雄
寿海:原田芳雄
チンピラ:劇団ひとり
チンピラ:インスタントジョンソン
占い師:きたろう
飯屋の親父:寺門ジモン
子捨て村の住民夫婦:でんでん、春木みさよ
火袋(どろろの父):菅田俊
住職(地獄堂):山谷初男
鯖目:杉本哲太
鯖目の奥方:土屋アンナ
お自夜(どろろの母):麻生久美子
醍醐景光:中井貴一

 

スタッフ
監督:塩田明彦
アクション監督:程小東(チン・シウトン)
プロデューサー:平野隆
原作:手塚治虫

 

受賞歴[編集]
第七回日本映画テレビ協会映像技術賞 VFX、劇映画部門




 

 

 


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映画『シーサイドモーテル』 守屋健太郎監督 生田斗真 山田孝之 玉山鉄二 古田新太 2010年

2014-09-05 | 映画
  (写真は 法隆寺)


 映画『シーサイドモーテル』


 映画『シーサイドモーテル』を観たよ。
 山の頂上なのに「シーサイド」という名のモーテルの四室で繰り広げられる個性的すぎるといっても過言ではないドラマが繰り広げられる。
  原因が有って結果
  ボタンの掛け違い
 一見わたくしたちの日常とは無関係なドラマの展開に、笑いながらも考えさせる部分が有る。

 一枚の薄い壁で仕切られたここの世界は、それが全てかのように最大の力を費やして悩み、人は生きる。
 唯一の個体は実は皆に認められ、蜂の巣の六角形の個室のように、それぞれが過大に生きる。
 個室から抜け出て無関係な他の個体と接触し夢を求めた時に、夢幻とはいえ床の間の夢を抱き抱える事ができる。
 シーサイドモーテルの各ルームに飾られていた夕日の海岸の中の寄り添う二人の写真のように。

 この映画で唯一もったいないと感じた部分は、飾られていた夕日の海岸の中の寄り添う二人の写真
 向かって右は男性に見えたが、左の人物が謎で、目を凝らしてみても違和感が有った。
 決して女性には見えなかったので、最後の場面が弱くなったことかもしれないと要らぬ心配をする。
       …なぁんて大胆な事を、どなたがもうされていますん?
       わたくしはしりませぬぞ
                  …ナァンてことで、本日もこれで
                             おわりん



監督 守屋健太郎
脚本 柿本流
守屋健太郎
原作 岡田ユキオ『MOTEL』

出演者
生田斗真
麻生久美子
山田孝之
玉山鉄二
成海璃子
古田新太
温水洋一
小島聖
池田鉄洋
柄本時生
山崎真実

公開 2010年6月5日
上映時間 103分
製作国 日本
言語 日本語

103号室
生田斗真:亀田雅之(インチキセールスマン)
麻生久美子:キャンディ(コールガール)
202号室
山田孝之:朝倉陽介(ギャンブラー)
成海璃子:二宮留衣(朝倉の女)
玉山鉄二:相田敏夫(借金取り)
柄本時生:チー坊(相田の部下)
温水洋一:ペペ(謎の男)
203号室
古田新太:太田勝俊(スーパー太田社長)
小島聖:太田美咲(太田の若妻)
102号室
池田鉄洋:石塚達也(キャバクラの常連客)
山崎真実:マリン(キャバクラ嬢)
その他
赤堀雅秋:三木勇介(先輩の警官)
ノゾエ征爾:六車安彦(後輩の警官)

原作との違い
エピソードが削られ、4つの部屋の物語に限定されている。
性的に過激な描写は抑えめ。
キャンディの年齢設定が三十路前に引き上げられている。
ペペの容姿とキャラクターが違う。
警官のエピソードが追加されている。
犬が登場する。





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