玉音放送

2015/07/10


「蝉のこゑ天皇の声そのほかに何を聞きしか終戦の日は(加古敬子)」

「雑音の多きラヂオの蓋叩き殴られをりし円歌十六才(今年86才になるということ)」

「『タマオト』と読み殴られることもなく集団的自衛権で国会揺れる()」



 

佐久間大尉の遺書

2015/07/11


「慎ンデ陛下ニ白ス我ガ部下ノ遺族ノ窮スコトナカラシメタマエ
 (明治43年4月15日岩国沖で訓練中の第6潜水艇が沈没。14人全員が殉職。2日後に引き上げられて遺書が見つかった)」

「反戦の歌詠みかける晶子だが佐久間大尉を悼みて詠める(15首)」

「勇ましき佐久間大尉とその部下は海国の子にたがはずて死ぬ(与謝野晶子)」

「ますら男は笑みて死にけめ聞く我はたをやめなれば取乱し泣く(与謝野晶子)」

断片

2015/07/11


「手折られて枯れてしまえる大毬のアナベル乗せる元の茎へと()」

「夕なづむ空を破ける音をたてジジッジジッと蝉が飛びたり(『飛びゆく』だと長距離のように思う)」