2015/10/27
「快庵は本旨極める禅師にて諸国行脚の修行をされる()」
「ある年に美濃で夏安居終えられて夏を奥羽で過ごさんとする()」
「旅重ね下野にいり富田なる里で一夜の宿を探せり()」
「宿乞えば山の鬼かと叫ばれて村人皆が取り囲みたり()」
「誤解解き夕食ヨウゲよばれて話聞く山のお寺の怖い話を()」
「山の僧里にも下りて交流もあることを機に豹変したり()」
「越の国戒師勤めて帰るとき童子ともない寺に連れ来る()」
「その童子見た目がよくて寵愛し仏道修行おろそかになる()」
「その童子病に倒れ亡くなれり僧は狂いて常軌を逸す()」
「死肉だが腐乱を惜しみ喰らいたり骨しゃぶりては寺人も逃ぐ()」
「緩めれば妖魔になるが貫きて修行積めれば仏になれる()」
「快庵が身を挺してはこの鬼の教化キョウゲをせんと山寺に入る()」
「食わんとし快庵探せど見えぬなり改心したいと教化を頼む()」
「紺染めの頭巾を被せ証道歌二句を解けよとお授けになる(江月照松風吹 永夜清宵何所為)」
「落ち着けど一年が経ち山寺の僧の生死がわからず恐れておりぬ()」
「快庵が奥州の帰途立ちよりて鬼の行方を確かめに行く()」
「縁側の辺りを見れば影のように人とも思えぬ僧がありけり()」
「蚊のような細い声にてぶつぶつと呟いており()」
「快庵は睨んで禅杖振りかざし一喝の後撃ちすえにけり()」
「かの男たちまち消えて縁石にかの青頭巾骨残れり()」
「この寺を改修をして快庵を住職として迎い入れたり(真言宗から曹洞宗にして、太平山大中寺として栄えた)」
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