阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

菅直人総理に意見書を提出-尖閣諸島問題について

2010年10月01日 02時40分40秒 | 政治
 臨時国会が始まる前日の9月30日、尖閣諸島の問題について有志の一年生議員で菅直人総理に意見書を提出しました。私は文案作成に直接関わり、このブログでも述べた「危機管理体制の構築」「議員、政党など政府以外の外交チャンネルの構築」「国際世論に対する働きかけの強化」などの文言を盛り込みました。

 菅直人総理再選を支持した議員として、私は「製造者責任」を負っていると感じています。日本の国益を守るための外交力は何としても強化しなくてはなりません。一方、国際世論は中国に対して厳しさを増し、一連の対応への大きな反発、不信感が巻き起こっています。フジタ社員の一部を釈放するなど軟化の兆しも見えていますが、日本固有の領土と尊厳を守る闘いは続きます。喫緊の課題として、このような事態に的確・迅速に対応できる危機管理体制の構築には特に力を注いで参ります。

 

平成22年9月30日
内閣総理大臣 菅直人殿

民主党一期生衆議院議員
有志一同

 日本固有の領土である尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件において、民主党衆議
院一期生議員有志の意見を次の通り取りまとめました。我々有志は引き続き菅内閣の政
権運営を全力で支援し、あらゆる協力を惜しみません。一方で、我々は国民世論に最も
近い最前線で国民の声に真摯に耳を傾け、それを政権に届ける使命を負っています。国
民世論の強い後押しを受けて誕生した菅改造内閣において、国民の代弁者たる我々一期
生有志議員の声を真摯にご勘案賜りますようお願い申し上げます。

 意見書

1. 領土を守る国家としての強固な意志を示すこと

 国家の三要素は領域、主権、国民であり、それを守ることが政治の最大使命であ
ることからすれば、日本固有の領土である尖閣諸島を警備・防衛両方の観点から
強固な意志をもって現実に守ることを求めます。同様に現在民間邦人が拘束され
ており、その即時釈放と早急な解決に全力を尽くすことを強く求めます。

2. 日中関係の新たなシナリオ作りを急ぐこと
 
 船長釈放以降も謝罪や賠償要求など強硬な姿勢を貫き、レアアース禁輸や貨物検
査強化などの制裁措置を強行する中国に対して国民の多くは不信感を抱いていま
す。日中関係は重要であり、文化、学術等の分野の人事交流、観光事業について
は継続し、中国との多面的な人的ネットワーク構築をめざすべきですが、国益を
損ねることに繋がることのないよう再点検・再検討することを求めます。また、
中国との意思疎通においては、外務省ルートだけに依存せず、党や個々の議員な
ど様々なチャネルを通じた外交ルート構築の推進を求めます。

3. 中国周辺諸国等との戦略的外交を構築すること

 日中外交は二国間だけの問題ではなく、周辺諸国にも大きな影響を及ぼします。
今回の事案が日本の国力低下や外交の敗北につながることがあってはなりません。
アジア欧州会議(ASEM)に菅首相が出席して尖閣諸島に関する日本の立場を
表明することが重要であることはもちろんのこと、政府は直ちに周辺諸国との対
話を進め、本件に関する日本国の主張が正当であることの理解を求め、国際世論
において勝利するべく全力を尽くすことを求めます。また、資源を特定の国に依
存することのリスクを鑑み、常日頃より資源外交を戦略的に進めることを求めま
す。

4. 検察の政治判断を許さないこと

 独立性を持つ準司法機関である検察が、「日中関係を考慮して」処分保留のまま被
疑者である中国人船長を政治判断のもとで釈放し、さらにその判断を政府が追認
したことに国民の多くは疑問を感じています。検察の信頼が強く問われる今日、
政府は検察の政治判断を許さず、粛々と法と事実に則った検察行政を行うことを
強く求めます。

 5. 今後同様の事件が生じた場合の対応策を早急に講じること

 釈放された中国人船長が再度漁業行為を行う意思を表明していることからも、今
後も同様の事件が生じる可能性は否定できません。海上保安庁、外務省、防衛省、
検察庁などの関連省庁に対し早急な危機管理対応策を講じるよう指示するともに、
インテリジェンス機能の強化などを含めた総合安全保障政策の見直しの機会とし
て捉えることを求めます。

以 上


民主党一期生衆議院議員 有志(五十音順)

阿知波 吉信
網屋 信介
井戸 正枝
大泉 博子
大西 健介
岡田 康裕
金森 正
川村 秀三郎
桑原 功
小室 寿明
斉木 武志
阪口 直人
柴橋 正直
高橋 昭一
高邑 勉
玉木 雄一郎
永江 孝子
橋本 博明
花咲 宏基
平山 泰朗
藤田 憲彦
宮崎 岳志
森岡 洋一郎
矢 公二
谷田川 元
山崎 誠
横粂 勝仁